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総合型選抜は『ずるい』『楽』?よくある誤解7つと、データで見る実際

公開日

総合型選抜は「勉強しなくても受かる」「ずるい」と言われることがあります。けれども実際には、総合型選抜でも学力を確かめる選考が求められ、国公立大学の総合型選抜の倍率は全体で約3倍あります。2027年度入試からは、面接も原則として必須になりました。オンライン学習塾マスネットが、文部科学省の統計や河合塾の入試結果をもとに、よくある誤解7つと実際のところを説明します。

「総合型選抜って、ずるくないですか」

インターネットやSNSで、総合型選抜について、こうした声を見かけることがあります。

「一般選抜で受ける人は必死に勉強しているのに、総合型選抜は面接と作文だけで合格できる」「秋に合格が決まるのは不公平だ」。このような印象を持つ人がいる一方で、実際に総合型選抜を受けた生徒さんの多くは、評定、探究、書類、面接、そして一般選抜の勉強を並行して進めています。印象と実際の間には、大きなずれがあります。データと制度から、1つずつ確かめていきましょう。

誤解1:「総合型選抜は、勉強しなくても受かる」

実際は、学力を確かめる選考が求められています。

2021年度入試から、大学入試の制度が変わり、総合型選抜でも、小論文、プレゼンテーション、口頭試問、共通テストなどで学力を確かめることが求められるようになりました。国公立大学を中心に、共通テストの点数を合否に使う方式もあります。また、多くの大学で評定平均が出願条件になっていて、高校1年生からの定期テストの成績が見られます。

誤解2:「総合型選抜は、倍率が低くて楽」

実際は、大学によっては一般選抜と同じくらいの倍率があります。

河合塾の資料をもとに計算すると、2026年度入試の国公立大学の総合型選抜は、資料で数字が分かる大学を合わせて約3.1倍でした。早稲田大学は5.5倍、筑波大学は9.1倍と、高い倍率の大学もあります。

大学・グループ2026年度の倍率
国公立大学(資料で分かる大学の合計)約3.1倍
旧帝大6大学の合計約3.6倍
早慶の合計約5.0倍
MARCHの合計約3.9倍
関関同立の合計約2.5倍

大学ごとの数字は、国公立大学の総合型選抜 倍率ランキングや、早慶・MARCH・関関同立の総合型選抜 倍率まとめにまとめています。

誤解3:「総合型選抜で入る人は、少数派」

実際は、年内入試で入学する人が半数を超えています。

文部科学省の統計によると、2025年度入試の大学入学者のうち、総合型選抜での入学は19.5%、学校推薦型選抜での入学は34.1%で、合わせて53.6%でした。私立大学では61.6%に達しています。総合型選抜は、一部の人だけの特別な入試ではなく、大学に入る主な入り口の1つになっています。くわしくは大学入学者の半数以上が年内入試にで説明しています。

誤解4:「すごい実績がないと、受けられない」

実際は、続けた活動と、そこで何を考えたかが見られます。

大会での優勝や留学経験がなくても、総合型選抜は受けられます。書類や面接で見られるのは、活動の立派さよりも、何に取り組み、何に困り、どう工夫し、そこから何を学びたくなったかです。部活や探究、ボランティアなど、身近な活動を続けた経験も、十分な材料になります。

誤解5:「総合型選抜は、昔のAO入試と同じ」

実際は、名前も中身も変わっています。

2021年度入試から、「AO入試」は「総合型選抜」に、「推薦入試」は「学校推薦型選抜」に名前が変わりました。あわせて、誤解1のとおり、学力を確かめる選考が求められるようになっています。保護者様の受験のころのAO入試のイメージとは、違う入試だと考えたほうが安心です。

誤解6:「面接がない方式を選べば、準備が楽」

実際は、2027年度入試から、面接が原則必須になりました。

文部科学省は、2027年度入試の実施要項で、総合型選抜と学校推薦型選抜では面接による評価を必ず行うよう求めました。面接には、プレゼンテーションや口頭試問、集団討論も含まれます。すぐに面接を入れるのが難しい方式も、遅くとも2029年度入試までに導入することになっています。変更点は、2027年度入試から総合型選抜で面接が原則必須にで説明しています。

誤解7:「総合型選抜で落ちたら、もう終わり」

実際は、一般選抜と両方を準備するのが基本です。

総合型選抜の合格発表は11月以降です。その後も、共通テスト(1月)や一般選抜(1〜3月)を受けられます。総合型選抜だけに絞ると、不合格だったときの選択肢が少なくなるので、多くの受験生は一般選抜の勉強も続けています。切り替えの時期は、総合型選抜から一般選抜に切り替える時期は?で説明しています。

誤解と実際のまとめ

よくある誤解実際のところ
勉強しなくても受かる学力を確かめる選考が求められる。評定も出願条件になることが多い
倍率が低くて楽国公立大学は全体で約3倍。5倍を超える大学もある
少数派の入試年内入試での入学は半数以上(53.6%)
すごい実績が必要続けた活動と、そこから考えたことが見られる
昔のAO入試と同じ2021年度入試から名前も中身も変わった
面接なしの方式なら楽2027年度入試から面接は原則必須
落ちたら終わり一般選抜と両方を準備するのが基本

なぜ「ずるい」と思われやすいのか

総合型選抜が「ずるい」と思われやすいのは、準備の多くが目に見えにくいからです。一般選抜の勉強は、模試の点数や問題集の量で目に見えます。一方、総合型選抜の準備は、高校1年生からの定期テスト、探究の記録、書類の書き直し、面接の練習など、長い期間にわたって少しずつ積み上げるものが中心です。合格が秋に決まるため、その積み上げが見えにくく、「楽をして合格した」と受け取られることがあります。

総合型選抜のよいところと、気をつけたいところ

誤解をなくしたうえで、総合型選抜のよいところと気をつけたいところを、公平に並べてみます。

よいところ気をつけたいところ
学力試験だけでは伝わらない、学ぶ意欲や経験を評価してもらえる評定、探究、書類、面接と、準備することが多い
秋から年末に合否が分かり、一般選抜より早く進路が決まることがある専願の方式では、合格したら入学が条件になる
志望理由を考える過程で、大学で学びたいことがはっきりする書類と面接の準備が、一般選抜の勉強の時間と重なる
一般選抜と組み合わせて、受験の機会を増やせる方式や条件が大学ごとに違い、調べる手間がかかる

気をつけたいところの多くは、早めに準備を始め、一般選抜との両立の計画を立てることで小さくできます。

総合型選抜を考えるなら、早めにやっておきたいこと

総合型選抜は、楽な入試ではありませんが、早めに準備を始めれば、一般選抜とは違う形で自分の力を伝えられる入試です。

  • 高校1年生から、定期テストで評定を積み上げる
  • 興味のある分野の探究や活動を続け、記録を残す
  • 志望学部の候補を決め、前年度の募集要項で出願条件を確かめる
  • 一般選抜の勉強も続ける

保護者様にお願いしたいこと

周りから「総合型選抜は楽な入試」と聞いて、生徒さんの準備を軽く見てしまうこともあれば、反対に「ずるい入試」と聞いて、受けることをためらってしまうこともあります。どちらの印象も、実際の入試とはずれています。志望校の募集要項を一緒に読み、出願条件と選考の方法を確かめるところから、正しく判断していきましょう。

学年ごとの考え方

高校1年生・高校2年生は、総合型選抜を受けるかどうかを決める前から、評定と活動の記録を積み上げておきましょう。どちらの入試を選んでも、無駄になることはありません。高校3年生は、総合型選抜と一般選抜の両方の日程を並べ、併願の計画を立てます。

マスネットではこう進めます

オンライン学習塾マスネットの総合型選抜・学習伴走コースでは、評定・探究・英語資格・書類の準備を、高校1年生から出願までの計画に落とし込み、毎月見直します。書類は生徒さん本人が書き、一般選抜との併願にも対応しています。くわしくはコースの特徴をご覧ください。

よくある質問

Q. 総合型選抜は、一般選抜より簡単ですか?

A. 簡単とは言えません。求められる準備が違う入試です。評定、書類、面接などを長い期間かけて準備する必要があり、倍率が高い大学もあります。

Q. 総合型選抜で入学した人は、大学の勉強についていけますか?

A. 総合型選抜でも、学力を確かめる選考が行われています。入学前の課題を出す大学もあるので、合格後も勉強を続けることが大切です。

Q. 総合型選抜を受けると、一般選抜の勉強が遅れませんか?

A. 時期によって配分を変えれば、両立できます。書類の準備は夏休みに集中させ、それ以外の時期は一般選抜の勉強を中心にするのがおすすめです。

Q. 学校推薦型選抜とは何が違いますか?

A. 学校推薦型選抜は高校の推薦が必要で、出願は11月以降です。総合型選抜は推薦がなくても出願でき、出願は9月以降です。

Q. 総合型選抜に向いているのは、どんな生徒さんですか?

A. 学びたい分野を理由と一緒に話せて、評定を積み上げられ、書類と面接の準備に時間を使える生徒さんです。くわしくは総合型選抜に向いている生徒さんの特徴で説明しています。

まとめ

総合型選抜は「ずるい」「楽」と言われることがありますが、実際には学力を確かめる選考が求められ、国公立大学の倍率は全体で約3倍、2027年度入試からは面接も原則必須です。年内入試での入学は大学入学者の半数を超え、総合型選抜は主な入り口の1つになっています。誤解にまどわされず、評定・活動・書類・面接と一般選抜の準備を、早めに並行して進めましょう。

出典・参考にした資料