通信制高校から総合型選抜は目指せる?出願資格・評定・準備の進め方
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通信制高校からでも、卒業見込みであれば総合型選抜に出願できる大学は多くあります。通信制高校でも評定はつき、調査書も発行されます。2027年度入試からは総合型選抜で面接が原則必須になるので、通信制高校を選んだ理由と、そこで取り組んだことを自分の言葉で話せる準備も欠かせません。オンライン学習塾マスネットでは、通信制高校の生徒さんとも、募集要項を一緒に確かめながら出願までの計画を立てています。
この記事の要点
- 大学に入学できるのは高校を卒業した人などと法律で決まっており、通信制高校の卒業も含まれます。卒業見込みなら、全日制の高校と同じように出願できる大学がほとんどです
- 通信制高校の評定は、レポート・スクーリング・単位認定試験などで決まります。評定平均を出願条件にしている大学では、そのまま見られます
- 自分で使える時間が多いことを、探究・活動・英語資格の準備に生かすのが、通信制高校からの準備の進め方です
「通信制高校だと、大学受験で不利になりませんか」
通信制高校に通う生徒さんの保護者様から、よく聞かれる質問です。
全日制の高校から転入した、体調や生活のリズムに合わせて通信制高校を選んだ、やりたいことに時間を使うために通信制高校に入った。理由はさまざまですが、「大学受験のときに何か言われるのでは」と心配される保護者様は少なくありません。
結論から言うと、総合型選抜で通信制高校であることだけを理由に不利になる、という決まりはありません。大切なのは、出願資格と評定の条件を満たしているか、そして通信制高校でどんなことに取り組んできたかを書類と面接で伝えられるかです。
通信制高校から総合型選抜に出願できる?
できます。学校教育法の第90条では、大学に入学できる人を「高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者」などと定めています。通信制高校は、全日制・定時制と同じ高等学校の課程なので、卒業すれば大学の入学資格を得られます。
総合型選抜の出願資格も、多くの大学で「高等学校を卒業した者、または卒業見込みの者」とされています。ただし、大学や学部によっては、次のような条件を別に設けていることがあります。
| 条件の例 | 確かめること |
|---|---|
| 評定平均の条件 | 何年生のどの時期までの成績で計算するか |
| 英語資格の条件 | 英検などの級やスコア、いつまでに取ったものが使えるか |
| 卒業年度の条件 | 現役生だけか、卒業した人も出願できるか |
| 活動の条件 | 特定の活動の実績や、オープンキャンパスへの参加が必要か |
なお、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格した人は、通信制高校の卒業とは扱いが違います。高卒認定で総合型選抜に出願できるかは、大学ごとに募集要項で確かめましょう。
通信制高校の評定と調査書はどう見られる?
通信制高校でも、科目ごとに5段階の評定がつきます。評定は、レポートの提出、スクーリングへの出席、単位認定試験などをもとに決まることが多く、全日制の高校の定期テストとは仕組みが違います。
大学に出す調査書には、科目ごとの評定と評定平均、出欠の記録、特別活動などが書かれます。評定平均を出願条件にしている大学では、通信制高校の評定もそのまま見られます。評定平均の計算のしかたは、総合型選抜で評定はどのくらい必要?で説明しています。
通信制高校では、卒業に必要な単位(74単位以上)を、自分のペースで取っていく学校が多いです。単位を取り終える時期によっては、卒業見込みの証明が出るかどうかが変わることもあるので、出願する年の春には、担任の先生に卒業の見込みを確かめておきましょう。
2027年度入試から、面接が原則必須になります
文部科学省は2026年5月に出した「令和9年度大学入学者選抜実施要項」で、総合型選抜と学校推薦型選抜では面接による評価を行うよう求めました。面接には、プレゼンテーションや口頭試問、集団討論なども含まれ、オンラインで行うこともできます。
面接では、高校生活について聞かれることが多くなります。通信制高校を選んだ理由を聞かれたときに、隠したり、言い訳のように話したりする必要はありません。「その環境で何に取り組み、何を考えたか」を具体的に話せることが大切です。面接の準備のしかたは、総合型選抜の面接でよく聞かれることで説明しています。
通信制高校から目指すときの進め方
1. 出願資格と評定の条件を、早めに確かめる
志望校の募集要項で、出願資格と評定平均の条件を確かめます。今年度の募集要項がまだ出ていないときは、前年度のものを見ておきます。判断がつかないときは、大学の入試の窓口に問い合わせましょう。卒業の前の年の冬までに確かめておくと、足りないものを準備する時間が取れます。
2. レポートとスクーリングで、評定を落とさない
通信制高校では、レポートの提出とスクーリングへの出席が、単位と評定に直結します。レポートは、締め切りの1週間前を自分の締め切りにし、返ってきたコメントは必ず読み直しましょう。単位認定試験の前は、返ってきたレポートを見直すのが、いちばん効率のよい勉強になります。
3. 1週間の予定を、自分で決める
通信制高校は、授業の時間が少ない分、自分で使える時間が多くあります。その時間を、教科の勉強、探究や活動、英検などの準備にどう分けるかを、週のはじめに決めておきましょう。予定を自分で立てて続けられたことは、志望理由書や面接で伝えられる強みにもなります。
4. 活動の記録を残す
自分で使える時間が多いことは、探究や活動を深めるのに向いています。地域のボランティア、図書館での調べもの、興味のある分野の講座など、取り組んだことは日付と気づいたことを一緒に記録しておきましょう。記録の残し方は、探究の記録の残し方で説明しています。
5. 通信制高校を選んだ理由を、3行で書いておく
面接に備えて、「通信制高校を選んだ理由」「そこで取り組んだこと」「その経験と志望学部のつながり」を、それぞれ1行ずつ書いておきます。書いておくと、面接で聞かれたときに落ち着いて話せます。
卒業の前の年からの予定の例
| 時期 | やること |
|---|---|
| 卒業の前の年の冬 | 志望学部を3つほどにしぼり、前年度の募集要項で条件を確かめる |
| 卒業の年の4〜6月 | 卒業見込みを担任の先生に確かめる。活動の記録を読み返す |
| 7〜8月 | 志望理由書の下書き、面接の練習 |
| 9月 | 調査書の発行を学校に頼み、出願する |
レポートの締め切りやスクーリングの日程と重ならないように、学校の年間予定と並べて立てておきましょう。
つまずきやすい点
いちばん多いのは、レポートの遅れが重なって、単位を取る時期が後ろにずれてしまうことです。卒業見込みが出る時期に影響することもあるので、受験の準備と同じくらい、レポートの予定を大切にしましょう。
次に多いのが、進路の情報が少ないことです。通信制高校は、学校に行く日が少ない分、進路の情報を自分から取りに行く必要があります。進路の面談の日程や、学校に届く大学の資料を見られる場所を、早めに先生に聞いておきましょう。
保護者様にお願いしたいこと
通信制高校の生徒さんは、学校の先生と会う日が少ない分、ご家庭が進み具合に気づける場面が多くなります。レポートの締め切りを家族のカレンダーにも書き込み、週に1回、「今週はどこまで進んだ?」と予定を一緒に確かめてみてください。進路の話は、志望校より先に、学びたい分野の中身を聞くところから始めると、生徒さんも話しやすくなります。
学年ごとの考え方
通信制高校では、学年の区切りがゆるやかな学校もあります。入学したばかりの時期は、レポートとスクーリングのペースをつかみ、単位を確実に取ることを優先しましょう。卒業の2年前になったら、興味のある分野の活動を始め、記録を残し始めます。卒業の1年前になったら、志望校の募集要項を確かめ、書類と面接の準備に入ります。転入・編入した場合は、前の高校の成績も調査書に入ることがあるので、学校に確かめておきましょう。
マスネットではこう進めます
オンライン学習塾マスネットの総合型選抜・学習伴走コースは、通信制高校の生徒さんも受講できます。出願資格や評定の扱いは大学ごとに違うため、募集要項を一緒に確かめながら計画を立てます。月4回の授業は、教科・探究・英語資格・書類に毎月配分し直します。くわしくはよくある質問をご覧ください。
よくある質問
Q. 通信制高校でも、学校推薦型選抜は受けられますか?
A. 学校推薦型選抜は、高校の校長先生の推薦が必要です。推薦を出せる大学や枠は高校によって違うので、学校の先生に確かめましょう。
Q. スクーリングの日と、大学の試験日が重なったらどうなりますか?
A. 早めに学校に相談しましょう。スクーリングの日程を変えられる場合もあります。大学の試験日は募集要項で分かるので、出願を決めたらすぐに学校に伝えておくと安心です。
Q. 全日制の高校から転入しました。前の高校の成績はどうなりますか?
A. 前の高校で取った単位や成績が、調査書に入ることがあります。扱いは学校によって違うので、担任の先生に確かめてください。
Q. 通信制高校の評定は、全日制の高校より低く見られませんか?
A. 調査書の評定は、どの課程でも同じ5段階で書かれます。評定平均の条件は、通信制高校かどうかに関係なく同じ基準で見られるのが一般的です。気になる場合は、大学の入試の窓口に確かめましょう。
Q. 面接で、通信制高校を選んだ理由を聞かれたらどう答えればいいですか?
A. 理由を短く話したうえで、通信制高校で何に取り組んだかを中心に話しましょう。選んだ理由より、その環境をどう使ったかが伝わることが大切です。
まとめ
通信制高校からでも、卒業見込みであれば総合型選抜に出願できる大学は多くあります。出願資格と評定の条件を早めに確かめ、レポートとスクーリングで評定を落とさないようにしましょう。自分で使える時間の多さを、探究や活動、英検の準備に生かし、通信制高校で取り組んだことを面接で話せるようにしておくことが、通信制高校からの準備の進め方です。
出典・参考にした資料
- 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)
- e-Gov法令検索「学校教育法」第90条