美術・音楽・デザイン系の総合型選抜 倍率まとめ【2026年度】
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2026年度入試で、美術・音楽・デザイン系の私立16大学の総合型選抜は、志願者6,845人に対して合格者3,788人で、倍率は約1.8倍でした。分野別に見ると、美術大学は嵯峨美術大学が4.7倍、武蔵野美術大学が2.6倍と高めで、音楽大学は1倍台前半が中心です。公立の芸術系4大学は、合計で約3.7倍でした。オンライン学習塾マスネットが、河合塾の資料をもとに、分野ごとの数字と読み方、実技や作品の準備の進め方を説明します。
「絵や音楽が好きです。総合型選抜で芸術系の大学を受けられますか」
美術や音楽、デザインに関心がある生徒さんから、よく聞かれる質問です。
芸術系の大学では、総合型選抜で、実技や作品、ポートフォリオ(作品集)を評価する方式が多く行われています。これまで描いてきた作品や、続けてきた演奏を、選考の中で直接見てもらえる点が特徴です。一方で、分野や大学によって倍率の差が大きく、準備に時間がかかる実技や作品づくりと、高校の勉強を両立させる必要があります。実際の数字を見てみましょう。
このまとめの見方
数字は、河合塾が公表した「私立大 総合型選抜 大学別入試結果(9/4現在)」と「国公立大 総合型選抜 大学別入試結果(6/19現在)」によるものです。資料は、2025年度と2026年度の志願者数・合格者数を公表した大学を集めたもので、募集人員には河合塾が推定した数字も含まれています。
| 用語 | この記事での意味 |
|---|---|
| 美術大学 | 資料に載っている私立大学のうち、大学名に「美術」「造形」を含む大学 |
| 芸術・芸術工科の大学 | 大学名に「芸術」を含む私立大学(美術・音楽など複数の分野をもつ大学が多い) |
| 音楽大学 | 大学名に「音楽」を含む私立大学 |
| 倍率 | 志願者数÷合格者数(資料と同じ計算) |
| 合計の倍率 | 各大学の数字を足して、オンライン学習塾マスネットが計算 |
総合大学の中にある芸術学部やデザイン学部は、大学全体の数字にまとめられているため、この記事の集計には入っていません。2年度とも志願者数と合格者数が分かる大学を対象にしています。
美術大学の総合型選抜の倍率(2026年度)
| 大学 | 募集人員 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 | 前年度の倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 嵯峨美術大学 | 117人 | 364人 | 77人 | 4.7倍 | 5.5倍 |
| 武蔵野美術大学 | 200人 | 571人 | 223人 | 2.6倍 | 2.9倍 |
| 多摩美術大学 | 123人 | 275人 | 136人 | 2.0倍 | 2.1倍 |
| 東京造形大学 | 110人 | 239人 | 120人 | 2.0倍 | 2.0倍 |
| 横浜美術大学 | 72人 | 181人 | 127人 | 1.4倍 | 1.2倍 |
| 京都美術工芸大学 | 108人 | 161人 | 147人 | 1.1倍 | 1.1倍 |
美術大学6校の合計は、志願者1,791人、合格者830人で、倍率は約2.2倍でした。前年度の約2.3倍とほぼ同じ水準です。嵯峨美術大学は、倍率が5.5倍から4.7倍に下がったものの、6校の中でもっとも高い倍率でした。武蔵野美術大学は、志願者が571人と6校の中でもっとも多い大学です。
芸術・芸術工科の大学の総合型選抜の倍率(2026年度)
| 大学 | 募集人員 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 | 前年度の倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東北芸術工科大学 | 501人 | 2,133人 | 643人 | 3.3倍 | 2.3倍 |
| 神戸芸術工科大学 | 340人 | 441人 | 314人 | 1.4倍 | 1.5倍 |
| 大阪芸術大学 | 795人 | 1,243人 | 938人 | 1.3倍 | 1.5倍 |
| 名古屋芸術大学 | 212人 | 352人 | 318人 | 1.1倍 | 1.1倍 |
| 文星芸術大学 | 25人 | 57人 | 56人 | 1.0倍 | 1.0倍 |
5校の合計は、志願者4,226人、合格者2,269人で、倍率は約1.6倍から約1.9倍に上がりました。大きく動いたのは東北芸術工科大学です。志願者が1,296人から2,133人へ約6割増え、倍率は2.3倍から3.3倍に上がりました。一方、神戸芸術工科大学と大阪芸術大学は、志願者が2割近く減り、倍率は少し下がっています。
音楽大学の総合型選抜の倍率(2026年度)
| 大学 | 募集人員 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 | 前年度の倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国立音楽大学 | 90人 | 209人 | 158人 | 1.3倍 | 1.3倍 |
| 昭和音楽大学 | 140人 | 237人 | 190人 | 1.2倍 | 1.2倍 |
| 東京音楽大学 | 90人 | 189人 | 165人 | 1.1倍 | 1.1倍 |
| 大阪音楽大学 | 70人 | 137人 | 123人 | 1.1倍 | 1.1倍 |
| エリザベト音楽大学 | 15人 | 56人 | 53人 | 1.1倍 | 1.0倍 |
音楽大学5校の合計は、志願者828人、合格者689人で、倍率は約1.2倍でした。2年続けて、どの大学も1倍台前半です。ただし、音楽大学の総合型選抜では、演奏などの実技を選考に含む方式が多く、倍率が低くても、一定の実技の力が求められます。
公立の芸術系の大学
| 大学 | 募集人員 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 | 前年度の倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 愛知県立芸術大学 | 16人 | 142人 | 25人 | 5.7倍 | 5.1倍 |
| 長岡造形大学 | 60人 | 263人 | 69人 | 3.8倍 | 3.9倍 |
| 芸術文化観光専門職大学 | 30人 | 93人 | 31人 | 3.0倍 | 4.0倍 |
| 沖縄県立芸術大学 | 26人 | 113人 | 42人 | 2.7倍 | 1.8倍 |
公立の芸術系4大学の合計は、志願者611人、合格者167人で、倍率は約3.7倍でした。募集人員が少ない大学が多いこともあり、私立の芸術系の大学より倍率が高くなっています。愛知県立芸術大学の5.7倍は、国公立大学全体の約3.1倍を大きく上回る数字です。国公立大学全体の数字は、国公立大学の総合型選抜 倍率ランキングにまとめています。
数字から分かること
1. 分野によって、倍率の水準が違う
同じ芸術系でも、美術大学は合計で約2.2倍、音楽大学は約1.2倍と、分野によって倍率の水準が違いました。私立大学全体の約2.0倍と比べると、美術大学は同じくらい、音楽大学は低めです。
2. 公立の芸術系は、倍率が高い
公立の芸術系4大学は合計で約3.7倍でした。募集人員が30人以下の大学が多く、数人の違いで倍率が大きく動く点にも注意しましょう。
3. 倍率より先に、実技と作品の条件を確かめる
芸術系の総合型選抜では、実技試験、作品やポートフォリオの提出、作品についての面接(プレゼンテーション)などを行う方式があります。何を、いつまでに、どんな形で提出するかは、大学や学科によって大きく違います。倍率を見る前に、募集要項で選考の内容を必ず確かめてください。
芸術系の総合型選抜で準備しておきたいこと
| 準備すること | 具体的な例 |
|---|---|
| 実技 | 美術ならデッサンなどの基礎、音楽なら演奏の課題曲。志望校の実技の内容に合わせて練習する |
| 作品・ポートフォリオ | これまでの作品を集め、制作の意図や工夫を言葉で説明できるようにする |
| 作品の説明 | なぜその作品を作ったのか、何を表したかったのかを、面接で話せるように準備する |
| 関心をもったきっかけ | 美術館や演奏会、身の回りのデザインで心を動かされた体験 |
| 大学で学びたいこと | 志望する学科の授業や制作の環境で、学びたいこと |
作品について話す面接は、プレゼンテーションや口頭試問に近い形になることがあります。準備の進め方は、プレゼンと口頭試問の準備で説明しています。
ポートフォリオの作り方の基本
ポートフォリオは、作品を並べるだけでなく、「何を考えて作ったか」が伝わるようにまとめることが大切です。作品ごとに、制作した時期、使った材料や道具、制作の意図、工夫したことを短く書き添えましょう。完成した作品だけでなく、アイデアのスケッチや制作の途中の写真を入れると、考え方の流れが伝わります。ページ数や大きさの指定がある大学もあるので、募集要項で確かめてください。
保護者様にお願いしたいこと
芸術系の大学を目指す場合、実技の練習のために、画塾や音楽の個人レッスンに通う生徒さんも多くいます。費用や通う時間がかかるため、高校2年生ごろまでに、どのように準備するかを家族で話し合っておくと安心です。作品の制作には、まとまった時間と場所が必要になります。家庭で制作できる場所を整えていただくことも、大きな助けになります。
学年ごとの考え方
高校1年生・高校2年生は、実技の基礎を続けながら、作品を写真で記録しておきましょう。作品を作るたびに、制作の意図を一言メモしておくと、ポートフォリオを作るときの材料になります。定期テストの評定も、出願の条件になることがあるので、実技と学校の勉強の両方を続けることが大切です。学部の選び方は、学部の選び方と文理選択で説明しています。高校3年生は、志望校の実技と提出物の締め切りを確かめ、逆算して制作の予定を立てます。
マスネットではこう進めます
オンライン学習塾マスネットの総合型選抜・学習伴走コースでは、志望校の募集要項を一緒に確かめ、評定・書類・面接の準備を、実技の練習の予定に合わせて配分します。作品の説明を言葉にする練習や、志望理由書の構成も一緒に進めます。高校1年生・高校2年生は、定期テスト年5回まで、各テスト前に30分×2回の対策授業を追加料金なしで受けられます。くわしくはコースの特徴をご覧ください。
よくある質問
Q. 芸術系の総合型選抜では、必ず実技試験がありますか?
A. 大学や方式によって違います。実技試験を行う方式、作品やポートフォリオの提出で評価する方式、面接や書類が中心の方式もあります。募集要項で必ず確かめてください。
Q. 画塾や音楽のレッスンに通わないと、合格できませんか?
A. 通わなくても出願はできますが、実技を選考に含む方式では、専門的な練習が必要になることが多くあります。志望校の実技の内容を確かめてから考えましょう。
Q. ポートフォリオには、何点くらい作品を入れればいいですか?
A. 大学によって指定が違います。指定がない場合は、点数を増やすより、自分の考えや工夫が伝わる作品を選び、説明を添えることが大切です。
Q. 音楽大学の倍率が低いのはなぜですか?
A. 実技の力をもつ受験生が出願することが多く、志願者と合格者の差が小さくなりやすいためと考えられます。倍率が低くても、実技の準備は欠かせません。
Q. 芸術系でも、評定は見られますか?
A. 評定平均を出願の条件にする方式もあります。実技の練習と並行して、定期テストの準備も続けましょう。
まとめ
2026年度入試の美術・音楽・デザイン系の私立16大学の総合型選抜は、志願者6,845人に対して合格者3,788人で、倍率は約1.8倍でした。美術大学は約2.2倍、音楽大学は約1.2倍と分野によって水準が違い、公立の芸術系4大学は約3.7倍と高めです。芸術系では実技や作品の提出を行う方式が多いため、募集要項で選考の内容と締め切りを確かめ、実技・作品の準備と評定・書類の準備を並行して進めましょう。
出典・参考にした資料
- 河合塾「私立大 総合型選抜 大学別入試結果(9/4現在)」(Kei-Net掲載)
- 河合塾「国公立大 総合型選抜 大学別入試結果(6/19現在)」(Kei-Net掲載)