勉強しない中学生に親ができること|やる気を待たずに動き出せる声かけと、家庭の仕組み
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
「勉強しなさい」と言っても動かない。言えば言うほど反発される。かといって何も言わなければ、まったく机に向かわない。このままでいいのか、どう関わればいいのか分からない。
結論からお伝えします。勉強しない中学生の多くは、やる気がないのではなく、「何を、どこから、どれだけやればいいか」が決まっていないために動けていません。声かけを「勉強しなさい」から「今日はワークの何ページ?」に変え、時間と場所を固定し、終わりが見える量に区切る。この3つで、やる気を待たずに動き出せる状態を作れます。
この記事は、オンライン学習塾マスネットが運営しています。保護者様が家庭でできることを、順に書きます。
勉強しない理由は、やる気だけではない
中学生が勉強しない理由は、主に次の5つです。
| 理由 | 生徒さんの中で起きていること | 見分けるヒント |
|---|---|---|
| やることが決まっていない | 「勉強する」が行動になっていない | 机に向かっても、何をするか迷っている |
| 分からなくて手が止まる | 前の単元でつまずいていて、解けない | 特定の教科だけ避けている |
| スマートフォンに時間を取られる | 始めようとしても、通知や動画に引き戻される | 机の上や手元に常にスマートフォンがある |
| 疲れている | 部活や習い事で体力が残っていない | 帰宅後すぐに寝てしまう |
| 自信をなくしている | 「どうせやっても上がらない」と感じている | 点数の話題を避ける、答案を見せない |
「やる気がない」と見える状態の多くは、このどれか、または複数が重なっています。原因によって、保護者様の関わり方が変わります。
逆効果になりやすい声かけ
まず、避けたい声かけを確認します。
| 避けたい声かけ | 生徒さんの受け取り方 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 「勉強しなさい」 | 何をすればいいか分からないまま、責められている | 「今日はワークの何ページまでやる予定?」 |
| 「なんでやらないの」 | 理由を説明できず、反発につながる | 「どこで止まってる?」 |
| 「〇〇ちゃんはやってるよ」 | 比べられて自信をなくす | 「先週より早く始められたね」 |
| 「次のテストで〇点取らなかったら」 | 結果へのプレッシャーで動けなくなる | 「次のテストまでに、どの単元を終わらせる?」 |
| 「スマホばっかり見て」 | 人格を否定されたと感じる | 「勉強の間、スマホはリビングに置いておこうか」 |
共通しているのは、評価や命令ではなく、具体的な行動を一緒に決める言い方にすることです。
家庭でできる5つの仕組み
声かけだけでは、毎日続けるのが難しくなります。やる気に頼らず動ける仕組みを、家庭の中に作ってください。
1. やることを「ページ数」で決める
「数学を勉強する」は行動になりません。「数学のワーク34ページから36ページ」なら行動になります。
前の日の夜か、その日の帰宅後に、本人が書き出す習慣を作ってください。保護者様が決めるのではなく、本人が決めることが大切です。
2. 時間と場所を固定する
「夕食の前の30分は、リビングの机でワーク」というように、時間と場所を決めます。毎日同じ時間に同じ場所で始めると、考えなくても始められるようになります。
3. 最初の5分だけを目標にする
最も大変なのは、始めることです。「5分だけやってみよう」と始めると、多くの場合そのまま続けられます。続かなかった日も、5分やったことを認めてください。
4. スマートフォンは別の部屋に置く
意志の力でスマートフォンを見ないようにするのは、大人でも難しいことです。勉強の間は、別の部屋に置く。これだけで集中の続き方が大きく変わります。家族でルールにすると、本人だけが我慢している感覚が薄れます。
5. 終わったことを見える形にする
カレンダーに印をつける、終わったページに日付を書く。積み上がったことが目に見えると、続ける理由になります。
テスト前にやることが多すぎて手がつかないときは、チェックリストの形にすると整理しやすくなります。
→ テスト前にやることが多すぎて整理できないとき|5教科65項目の無料チェックリスト
原因別の関わり方
分からなくて手が止まっている場合
この場合、量を増やしても解決しません。つまずいている場所まで戻る必要があります。
定期テストの答案で、基本問題での失点が多いかどうかを確認してください。基本問題で落としているなら、原因は前の学年にある可能性が高くなります。
→ 定期テストの点数が下がったとき|答案から原因を切り分ける4つの視点
疲れている場合
部活や習い事で疲れている日に、長時間の勉強を求めても続きません。平日は15分から30分の短い時間で、決まった量だけ。休日に時間を取る。このように、平日と休日で量を分けて考えてください。
自信をなくしている場合
点数の話を減らし、行動を認める声かけを増やしてください。「やった量」や「始めた時間」は、本人がコントロールできることです。点数より先に、ここを認めることで、少しずつ自信が戻ります。
保護者様が管理しすぎないために
関わり方で気をつけていただきたいことがあります。
監視にならないようにしてください。 毎日「やったの?」と確認すると、本人は管理されていると感じ、隠すようになります。確認は週に1回、決めた日にまとめて行う形がおすすめです。
親子の関係を優先してください。 勉強のことで毎日ぶつかると、家庭が休まる場所でなくなります。勉強の管理を家庭の外に任せることも、関係を守るための選択肢です。
家庭の外の力を借りるタイミング
次のような状態が続く場合は、家庭だけで抱え込まないことをおすすめします。
声かけを変えても、1か月以上変化がない。 仕組みの問題ではなく、分からない部分が大きくなっている可能性があります。
勉強の話になると、毎回けんかになる。 第三者が間に入ると、本人が素直に取り組めることがあります。
つまずきが前の学年にまで及んでいる。 どこまで戻るかの判断と、戻る学習の計画は、専門家に任せた方が早く進みます。
外部の力を借りる場合は、授業だけでなく、授業のない日の課題と提出の管理まで任せられるかを確認してください。
→ 家庭教師と塾どっちがいい?費用・管理・相性で比べた選び方と、オンライン1対1という選択肢
現場で見えたこと
「家では全然勉強しない」とご相談を受けた生徒さんでも、やることをページ単位まで決めると、動き始めるケースが多くあります。宿題システムの記録を見ても、課題を「数学のワーク34ページ」という粒度で示した生徒さんは、提出が安定しやすい傾向があります。
本人に話を聞くと、「何をやればいいか分からなかった」「どこから手をつけていいか分からなかった」という答えがほとんどです。やる気がなかったのではなく、始め方が分からなかったのです。
もう一つ、保護者様の声かけについてです。「勉強しなさい」を言わないようにしたら、かえって本人が自分から机に向かうようになった、というお話を伺うことがあります。言われてやる勉強は、言われなければやらない勉強です。本人が決めた量を、本人がやる。この形を作ることが、遠回りに見えて最も確実です。
よくある質問
Q. 中学生の子どもがまったく勉強しません。どうすればいいですか。
まず、やることを「ワークの何ページ」という単位で本人に決めてもらってください。時間と場所を固定し、最初の5分だけを目標にすると、始めやすくなります。
Q. 「勉強しなさい」と言うのは逆効果ですか。
何をすればいいかが決まっていない状態で言われると、責められていると感じやすくなります。「今日はどこまでやる予定?」と、具体的な行動を一緒に決める言い方に変えてください。
Q. スマートフォンをやめさせるべきですか。
取り上げるより、勉強の間だけ別の部屋に置くルールをおすすめします。家族全員のルールにすると、本人が受け入れやすくなります。
Q. 部活で疲れて勉強できないようです。
平日は15分から30分の短い時間で決まった量だけ、休日にまとまった時間を取る形にしてください。疲れている日に長時間を求めると続きません。
Q. 親が勉強を教えた方がいいですか。
教えられる範囲で手伝うことは問題ありません。ただし、毎回けんかになる場合は、関係を守るために第三者に任せることも選択肢です。
Q. 塾に通わせれば勉強するようになりますか。
授業だけでは、授業のない日の勉強は変わりにくいことがあります。授業外の課題と提出の管理まである塾を選んでください。
次に読んでいただきたい記事
家庭の外の力を借りる場合、オンラインで受けられるかを検討している方は、選ぶ前の確認項目をまとめています。
→ オンライン塾は効果ない?成果が出る塾・出ない塾の違いと、選ぶ前に確認すべき7つのこと
塾の費用が気になる場合は、年間総額の出し方をまとめています。
→ 中学生の塾の費用は年間いくら?月謝だけで比べると見落とす5つの費用と、総額の出し方
家庭だけで抱え込まないでください
勉強しない原因は、生徒さんによって違います。そして原因が分かれば、関わり方が決まります。
マスネットでは、2つの入口をご用意しています。
答案を見て、手が止まっている原因をお伝えします。
返却されたテストの答案を写真で送っていただければ、分からなくて止まっているのか、やり方の問題なのかをお伝えします。入塾の勧誘はいたしません。
授業のない日の勉強まで、一緒に設計します。
完全1対1のオンライン授業に加えて、宿題システムで課題をページ単位で設定し、提出状況を記録します。授業後には毎回、保護者様に授業報告書をお送りするので、家庭で「やったの?」と確認する必要がなくなります。Zoomでの学習面談と体験授業は無料で、入会のご勧誘は一切いたしません。