小論文の要約の書き方|具体例を削る前に押さえる主張・理由・対比と、練習問題
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小論文の要約の書き方|具体例を削る前に押さえる主張・理由・対比と、練習問題
小論文の要約は、課題文の主張と、その主張に至る筋道を、自分の感想を加えずに短くまとめることです。
冒頭と最後の文をつなぐだけでは、条件や対比が抜ける場合があります。反対に、具体例をすべて残すと字数が足りません。まず「何を主張し、何を根拠にし、どんな範囲で述べているか」を整理しましょう。
この記事では、日本語の課題文型小論文を想定して、要約の手順と練習問題を紹介します。実際の答案は、各大学の設問・字数・解答形式に合わせてください。
要約と意見文は、役割が違う
| 種類 | 書く内容 | 混ぜないもの |
|---|---|---|
| 要約 | 筆者の主張、理由、重要な条件 | 自分の賛否や体験 |
| 自分の意見 | 設問への立場、根拠、具体例 | 課題文にない内容の筆者への帰属 |
「筆者の考えを要約したうえで、あなたの意見を述べよ」なら、両方が必要です。一方、「100字以内で要約せよ」という設問に、自分の提案を書く必要はありません。
何段落にするか、要約と意見を別欄に書くかも設問次第です。特定の型をすべての大学に当てはめないようにします。
手順1|設問を先に読む
本文を読む前に、次の指定を確認します。
- 全文の要約か、特定部分の説明か。
- 筆者の主張か、ある事例の特徴か。
- 字数の上限・範囲はいくつか。
- 自分の意見も求められているか。
- 指定語句や引用方法があるか。
「傍線部の理由を説明する問題」を、全文要約として答えるとずれてしまいます。読解の目的を先に定めましょう。
手順2|段落を「話題」ではなく「役割」で整理する
たとえば段落メモを、次のように作ります。
| 段落 | 役割の例 |
|---|---|
| 第1段落 | 一般的な考え方の紹介 |
| 第2段落 | その考え方への問題提起 |
| 第3段落 | 具体例による説明 |
| 第4段落 | 条件を示した結論 |
この構成は一例です。本文によって順番は違います。
「便利さについて」といった話題だけでなく、「何に反対し、何を支持するための段落か」を書くと、論理をつなぎやすくなります。「しかし」「ただし」「したがって」などの前後は、とくに確認してください。
手順3|主張・理由・条件を1組にする
次の3点を書き出します。
- 主張:筆者が読者に伝えたいこと。
- 理由:なぜその主張が成り立つのか。
- 条件・対比:どの範囲で成り立ち、何と区別しているか。
「すべての人に有効とは限らない」を「有効である」にすると、結論が変わります。「増えた」と「増えた可能性がある」も同じではありません。
短くするときほど、対象と確実さの程度を変えていないかを確認しましょう。
手順4|具体例をまとめ、重複を削る
複数の事例が同じ主張を説明している場合は、共通する内容にまとめられます。ただし、事例そのものを説明する設問では削りすぎないようにします。
削る順番の目安は、重複した説明、細かな例示、結論に不要な付加情報です。最後まで残すべきなのは、主張の意味を変えないための情報です。
本文にない難しい言葉を使って、分かったように見せる必要はありません。意味を保てる言葉で簡潔に書きます。
練習問題|100字以内で要約してみよう
以下の課題文は、この記事のために作成した独自の練習文です。
図書館の利用しやすさを、蔵書の数だけで判断することはできない。必要な本があっても、開館時間に来館できなければ使えないからだ。一方、電子書籍を増やせば、すべての人の不便が解消するわけでもない。端末や通信環境を持たない人、操作に不慣れな人もいる。したがって、図書館の改善には、資料を増やすだけでなく、利用できない人がどこで困っているかを調べ、複数の利用方法を整える視点が必要である。
読み取りメモ
- 主張:利用できない人の困り方を調べ、複数の利用方法を整える。
- 理由:蔵書があっても時間などの条件で使えないことがある。
- 条件:電子化だけでも全員の不便は解消しない。
解答例
図書館は蔵書が多くても、開館時間や端末・通信環境などによって利用できない人がいる。蔵書の充実や電子化だけで解決しようとせず、困り方を調べて複数の利用方法を整える必要がある。
この例では、句読点・中黒を各1字として86字です。実際の答案では、大学の字数の数え方や解答欄の指示に従ってください。
唯一の正解ではありませんが、「資料の量だけでは足りない」「電子化だけでも足りない」「困り方を調べて複数の方法を整える」という関係を残しています。
よくある失敗|短くできても意味が変わっている
「図書館は電子化すべきだ」とまとめる
本文は電子化だけでは解決しないと述べています。目立つ単語を拾うだけでは、筆者の主張と逆になることがあります。
「私は開館時間を延ばすべきだと思う」と書く
自分の意見が混ざっています。要約では、本文が述べた範囲を守ります。
「図書館にはいろいろな課題がある」とだけ書く
抽象化しすぎて、何が課題で何が必要か分かりません。短くても、中心の論理は残しましょう。
解いた後の自己点検表
- 設問が求めた部分をまとめている。
- 筆者の主張が読み取れる。
- 主張の理由がつながっている。
- 重要な条件や対比が残っている。
- 自分の経験や意見を入れていない。
- 本文にない因果関係を追加していない。
- 指定字数と形式に合っている。
先に字数だけ合わせると、重要な語句まで削りがちです。内容を整えてから、表現の重複を減らしましょう。
よくある質問
本文と同じ言葉を使うと減点されますか?
中心概念まで無理に言い換える必要はありません。設問の指示に従い、文を継ぎ合わせるだけでなく、論理が通るよう再構成してください。
要約ができれば、小論文全体も書けますか?
要約と自分の主張を組み立てる練習は別です。資料型小論文の書き方や小論文対策を始める時期も参考に、出題形式に合わせて練習しましょう。
要約は、完成文だけでなく読み取りメモも残す
添削を受ける場合は、課題文、設問、答案に加えて、主張と考えた箇所を残してください。「読み違えた」のか「削るときにずれた」のかを確認しやすくなります。
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