小論文で設問に答えられていないと言われたら|「説明せよ」「論じよ」の読み分けと答案の直し方
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小論文で設問に答えられていないと言われたら|「説明せよ」「論じよ」の読み分けと答案の直し方
小論文で「設問に答えていない」と言われたときは、文章を長くしたり難しい言葉に替えたりする前に、問われた対象・答え方・条件・字数を確認することが大切です。
文章として読みやすくても、筆者の考えを説明する設問に自分の体験だけを書くと、求められた答えから離れてしまいます。書き始める前の読み取りと、書いた後の照合をセットで練習しましょう。
設問を読んだら、4つに分ける
問題文の指示を、次の表へ書き出してみてください。
| 確認すること | 読み取る内容 |
|---|---|
| 対象 | 何について答えるのか |
| 答え方 | 要約、説明、比較、意見、提案のどれか |
| 条件 | 本文・資料・具体例など、何を使うのか |
| 分量 | 字数、設問ごとの上限、解答欄 |
たとえば、「本文を踏まえ、公共図書館の役割について、課題を一つ挙げたうえで、あなたの考えを600字以内で論じなさい」なら、必要なのは次の内容です。
- 対象:公共図書館の役割
- 答え方:自分の考えを論じる
- 条件:本文を踏まえる、課題を一つ挙げる
- 分量:600字以内
「図書館が好き」という体験だけでも、「本文ではこう述べている」という説明だけでも、指定された内容はそろいません。
「説明せよ」と「論じよ」は、何が違う?
設問の言葉は、何を書くべきかを考える手がかりになります。ただし、動詞だけで決めず、設問全体と大学の出題意図を確認します。
| 指示の例 | 答案の中心にすること |
|---|---|
| 要約せよ | 本文の主張と論理の関係を短くまとめる |
| 説明せよ | 対象の意味・理由・仕組みを明らかにする |
| 比較せよ | 指定された対象の共通点や相違点を示す |
| 論じよ | 問いへの立場を示し、理由や根拠を述べる |
| 提案せよ | 課題に対応する方法と、その理由を示す |
「説明せよ」が必ず本文だけを使うという意味ではありません。「本文に即して」「あなたの経験を用いて」など、付いている条件まで読みます。
要約の基本を確認したい場合は、小論文の要約の書き方も参考になります。
例題:同じテーマでも、設問が変わると答えが変わる
以下は練習用に作成した文章と設問です。実際の大学の過去問ではありません。
予約制の自習室は、混雑を避け、座席を確保しやすくする。一方で、予定を早く決められない利用者には使いにくい。利用機会を広げるには、予約席と当日利用席を組み合わせる方法が考えられる。
設問1:筆者が予約席と当日利用席の併設を提案する理由を説明しなさい
この設問は「筆者の提案の理由」を求めています。
回答例は、次のようになります。
予約によって座席を確保できる利点を残しつつ、予定を早く決められない人にも利用の機会を設けられるからである。
ここで「私は図書館で勉強するのが好きだ」と書いても、筆者の理由の説明にはなりません。
設問2:本文を踏まえ、自習室の利用機会を広げる方法について、あなたの考えを述べなさい
今度は、自分の考えが必要です。
構成例は、次のようになります。
- 予約席と当日利用席を併設する方法に賛成する。
- 早く予定を立てられる人と、当日に利用したい人の双方に対応できると説明する。
- 当日席が不足する課題に触れる。
- 利用状況を記録し、席の配分を見直す方法を提案する。
本文の内容を入口にしながら、自分の判断と理由を加えます。この構成も一例であり、賛成以外の立場が直ちに誤りになるわけではありません。
複数の設問があるときは、役割を混ぜない
「問1は要約、問2は意見」の形式では、問1に自分の意見を入れ、問2で要約を繰り返すと、必要な説明の場所がずれてしまいます。
下書きの前に、解答欄ごとの役割を一行で決めましょう。
| 設問 | 下書きの見出し例 |
|---|---|
| 問1・本文の要約 | 筆者の主張と理由 |
| 問2・問題点の説明 | 指摘された問題が生じる仕組み |
| 問3・自分の意見 | 自分の立場、理由、対応策 |
各設問の字数条件は、それぞれ守ります。問1が短いからといって、その余りを問2の上限へ足せるわけではありません。
時間配分は「読む・構成・書く・確認」に分ける
60分で読む・書く課題に取り組む場合の練習例として、次のような配分が考えられます。
| 作業 | 時間の例 |
|---|---|
| 設問・本文・資料を読む | 15分 |
| 答案の構成を決める | 10分 |
| 答案を書く | 30分 |
| 設問と照合して確認する | 5分 |
これは一律の正解ではありません。本文の長さ、設問数、字数、本人の書く速さによって調整します。
書き始める前に「この設問への答えは何か」を一文で置くと、途中で別の話題へ広がったときに戻りやすくなります。
書いた後は、文章より先に設問と照合する
見直しでは、次の順番で確認します。
- 問われた対象に答えているか。
- 指定された答え方になっているか。
- 本文・資料・具体例などの条件を満たしているか。
- 主張と理由がつながっているか。
- 字数、誤字、主語と述語を確認する。
たとえば「課題を一つ挙げる」という条件なら、答案のどの一文が課題なのかを指させる状態にします。書いたつもりでも、読み手が特定できなければ説明を明確にしましょう。
添削後は、全文を書き直す前に答えの一文を直す
「論点がずれている」と指摘されたら、まず設問への答えを一文で書き直します。
次に、その一文を支える理由と具体例を選び直します。元の答案にある体験談を全て残そうとせず、問いに答えるために必要な部分を使いましょう。
書き直しが終わったら、「なぜこの具体例を入れたか」を口頭で説明してみます。説明できない部分は、問いとのつながりをもう一度確認します。
よくある質問
自分の意見を書けば、小論文になりますか?
設問が意見を求めているかを確認してください。意見が必要な場合も、問いへの答えと、その理由・根拠が必要です。
本文と反対の意見を書いてもよいですか?
自分の考えを求める設問なら、本文の主張を正確に理解したうえで、理由を示して異なる立場を述べる方法があります。本文の説明を求める設問では、筆者の考えと自分の考えを混ぜないようにします。
字数を埋めるために、同じ内容を言い換えてもよいですか?
同じ主張の繰り返しより、理由、具体例、想定される課題が不足していないか確認しましょう。必要な内容がそろっているかを先に考えます。
「何を書けばよいか分からない」を、設問から整理する
マスネットの総合型選抜対策では、本人が書いた文章をもとに、問いの読み取りや構成、根拠の伝え方を相談できます。
相談時は「志望大学・方式」「問題文と設問」「現在の答案」「添削で指摘されたこと」をお知らせください。答案が完成していなくても、どこで書けなくなったかから整理できます。