資料型小論文の書き方|グラフ・表の読み取り、割合と人数、相関と因果を例題で整理
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資料型小論文の書き方|グラフ・表の読み取り、割合と人数、相関と因果を例題で整理
「グラフを見ても、何を書けばよいか分からない」
「数字を説明しただけで、字数が埋まってしまう」
資料型小論文は、グラフの数字を文章へ置き換えるだけの問題とは限りません。まず設問を読み、求められている答えを確認し、資料の事実と自分の解釈を分けて組み立てます。
基本の順番は、①設問、②資料の条件、③重要な変化・違い、④主張と根拠、⑤見直しです。大学・学部によって形式が異なるため、志望校の公開過去問と出題意図がある場合は、それも確認してください。
最初に、設問の動詞へ線を引く
同じ資料でも、設問によって書く内容は変わります。
| 指示 | 答える中心 |
|---|---|
| 読み取れることを述べよ | 資料に示された傾向や差 |
| 比較せよ | 対象間の共通点・相違点 |
| 理由を考察せよ | 根拠を踏まえた原因の検討 |
| 解決策を論じよ | 課題、提案、理由、実施上の問題 |
「読み取れること」を問われているのに、自分の政策提案を長く書くと、問いから離れてしまいます。
複数の設問がある場合は、設問ごとの字数と役割も確認しましょう。
グラフ・表は、6つの条件から読む
数字を比べる前に、次を確かめます。
- 調査年・期間。
- 調査した地域や対象。
- 人数・割合などの単位。
- 割合の分母。
- 単一回答か複数回答か。
- 出典と注記。
例えば、複数回答の割合は、合計が100%を超える場合があります。また、縦軸が0から始まらないグラフでは、小さな差が大きく見えることがあります。
資料の条件を読む時間を省かないでください。
例題|利用率が上がっても、利用人数は増えるとは限らない
次は、説明用に作成した架空の資料です。実在する自治体の統計ではありません。
| 年 | 対象となる高校生 | 図書館利用率 |
|---|---|---|
| 2022年 | 200人 | 30% |
| 2025年 | 150人 | 40% |
利用率は30%から40%へ上がっています。
しかし、利用人数を計算すると、次のとおりです。
- 2022年:200×0.30=60人。
- 2025年:150×0.40=60人。
したがって、この表から「利用する高校生の人数が増えた」とは言えません。
利用率は上昇したが、対象人数が減少しているため、計算上の利用人数は両年とも60人である。
このように、分母も使って読むと、割合だけを見たときとは違う説明ができます。
「10ポイント増」と「10%増」を区別する
30%から40%への変化は、10ポイントの上昇です。
一方、30%を基準にした相対的な増加率は、次の計算になります。
(40-30)÷30×100=約33.3%
「10%増えた」とだけ書くと、何を意味するかが曖昧になります。
計算に自信がない場合も、無理に増加率を出すより、「30%から40%へ、10ポイント上昇した」と正確に書くことを優先しましょう。
相関があっても、原因と断定しない
例えば、図書館の利用率が高い学校ほど、読書時間が長かったとします。
この関係だけでは、「図書館の利用が読書時間を長くした」とは断定できません。
- 読書が好きだから、図書館へ行くのかもしれない。
- 学校の読書指導が、両方へ影響しているのかもしれない。
- 家庭環境や蔵書など、別の要因があるかもしれない。
原因を考察する設問では、資料が示す関係を説明したうえで、考えられる理由と、追加で必要な情報を示します。「分からない」で止めず、「何を調べれば確かめられるか」へ進めましょう。
意見を書くときの組み立て方
資料の活用を求める論述なら、次の順番でメモを作ると整理しやすくなります。
| 段階 | 書くこと |
|---|---|
| 主張 | 設問への自分の答え |
| 根拠 | 資料のどの数字・傾向に基づくか |
| 説明 | なぜ、その根拠が主張を支えるか |
| 検討 | 別の見方や提案の弱点 |
| 結論 | 条件を踏まえた最終的な答え |
資料を引用した直後に、「このことから何が言えるか」を1文でつなぐのがポイントです。
数字をたくさん並べる必要はありません。主張を支える数字を選び、その数字の意味を説明してください。
提案は、対象と確かめ方まで書く
「図書館をもっと宣伝すべきだ」だけでは、誰のどんな問題へ対応する案なのかが分かりません。
例えば、非利用の理由を追加調査し、「開館時間を知らない生徒」が多いと分かった場合は、周知方法の改善を検討できます。
その際も、次の点まで考えます。
- 誰へ届けるのか。
- どの方法で実施するのか。
- 費用や運営上の負担はどうか。
- 実施後、何を測って効果を確かめるのか。
元の資料に非利用の理由がないなら、「理由を調査したうえで」と条件を明記します。資料に書かれていない事実を、存在するように扱わないことが大切です。
書き終えた後のチェック
- 設問に直接答えているか。
- 年、対象、単位を取り違えていないか。
- 割合から人数を誤って推測していないか。
- 事実と推測を区別しているか。
- 提案が、資料で確認した課題に対応しているか。
- 指定された字数・書式を守っているか。
字数指定の扱いは、問題の指示に従ってください。根拠のない一般論を足して埋めるより、説明の不足や別の見方を見直します。
よくある質問
資料の数字は、全部使う必要がありますか?
ありません。設問への答えに必要な数字を選びます。全体の傾向と、特徴的な差や変化を優先してください。
自分の経験を書いてもよいですか?
設問に合い、論点を説明する材料になる場合は使えます。ただし、個人の経験だけで、集団全体の傾向を説明しないようにしましょう。
数学が苦手でも練習できますか?
できます。まずは割合、増減、平均、グラフの軸など、資料を読むための基本を確認しましょう。国語の記述と数学の基礎を分けずに練習することが役立ちます。
読み取りと文章の、どちらで止まるかを確認します
資料型小論文では、「資料を読めない」のか、「読めるが主張に使えない」のかによって、練習する内容が変わります。
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