公立大学の総合型選抜 倍率ランキング【2026年度】国立との比較も
公開日
2026年度入試で、公立大学51校の総合型選抜は、志願者6,314人に対して合格者2,047人で、倍率は約3.1倍でした。国立大学67校の約3.0倍とほぼ同じ水準です。合格者が10人以上の公立大学で倍率が高かったのは、九州歯科大学の9.5倍、岡山県立大学の6.8倍、山口県立大学の6.4倍でした。オンライン学習塾マスネットが、河合塾の資料をもとに、公立大学の倍率ランキングと志願者数、国立大学との比較、数字の読み方を説明します。
「公立大学の総合型選抜は、国立大学より受けやすいのですか」
地元の公立大学を考えている生徒さんや保護者様から、よく聞かれる質問です。
公立大学は、都道府県や市などが設置する大学です。学費が私立大学より抑えられていることが多く、地域に根ざした学びや、地域で働く人材を育てることを目的にした大学も多くあります。総合型選抜を行う公立大学も増えていますが、募集人員が少ない大学が多く、倍率は大学によって大きく違います。実際の数字を見てみましょう。
このまとめの見方
数字は、河合塾が公表した「国公立大 総合型選抜 大学別入試結果(6/19現在)」によるものです。資料は、2025年度と2026年度の志願者数・合格者数を公表した大学を集めたもので、募集人員には河合塾が推定した数字も含まれています。
| 用語 | この記事での意味 |
|---|---|
| 公立大学 | 資料に載っている国公立大学のうち、都道府県や市などが設置する大学(オンライン学習塾マスネットが分類) |
| 倍率 | 志願者数÷合格者数(資料と同じ計算) |
| 合計の倍率 | 各大学の数字を足して、オンライン学習塾マスネットが計算 |
合格者が10人未満の大学は、数人の違いで倍率が大きく変わるため、ランキングから除きました。数字は、大学のすべての学部と方式を合わせたものです。資料に載っていない公立大学は、この記事では扱っていません。
公立大学と国立大学の比較(2026年度)
| 区分 | 大学数 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 公立大学 | 51校 | 6,314人 | 2,047人 | 3.1倍 |
| 国立大学 | 67校 | 20,409人 | 6,693人 | 3.0倍 |
| 国公立大学の合計 | 118校 | 26,723人 | 8,740人 | 3.1倍 |
公立大学と国立大学の倍率は、ほぼ同じ水準でした。2年度とも数字が分かる公立大学46校で比べると、志願者は5,881人から6,023人へ約2%増え、倍率は約3.1倍から約3.0倍とほとんど変わっていません。国公立大学全体の数字は、国公立大学の総合型選抜 倍率ランキングにまとめています。
公立大学の倍率ランキング(2026年度)
| 順位 | 大学 | 募集人員 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 | 前年度の倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 九州歯科大学 | 18人 | 95人 | 10人 | 9.5倍 | 7.5倍 |
| 2 | 岡山県立大学 | 19人 | 130人 | 19人 | 6.8倍 | 7.7倍 |
| 3 | 山口県立大学 | 24人 | 154人 | 24人 | 6.4倍 | 4.6倍 |
| 4 | 神奈川県立保健福祉大学 | 11人 | 70人 | 12人 | 5.8倍 | - |
| 5 | 愛知県立芸術大学 | 16人 | 142人 | 25人 | 5.7倍 | 5.1倍 |
| 6 | 神戸市外国語大学 | 30人 | 190人 | 34人 | 5.6倍 | 4.5倍 |
| 7 | 福知山公立大学 | 16人 | 98人 | 19人 | 5.2倍 | - |
| 8 | 国際教養大学 | 30人 | 226人 | 47人 | 4.8倍 | 4.4倍 |
| 9 | 宮城大学 | 48人 | 219人 | 49人 | 4.5倍 | 3.8倍 |
| 10 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 | 30人 | 101人 | 24人 | 4.2倍 | 4.8倍 |
上位10校のうち、9校は募集人員が30人以下でした。募集人員が少ないと、志願者が数十人増えるだけで倍率が大きく上がります。山口県立大学は、志願者が111人から154人に増え、倍率は4.6倍から6.4倍に上がりました。宮城大学も、倍率が3.8倍から4.5倍に上がっています。
志願者が多い公立大学(2026年度)
| 順位 | 大学 | 募集人員 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 | 前年度の倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 高知工科大学 | 195人 | 581人 | 276人 | 2.1倍 | 2.1倍 |
| 2 | 北九州市立大学 | 90人 | 372人 | 98人 | 3.8倍 | 4.0倍 |
| 3 | 名桜大学 | 85人 | 291人 | 158人 | 1.8倍 | 2.2倍 |
| 4 | 長岡造形大学 | 60人 | 263人 | 69人 | 3.8倍 | 3.9倍 |
| 5 | 長野大学 | 68人 | 251人 | 84人 | 3.0倍 | 2.8倍 |
| 6 | 国際教養大学 | 30人 | 226人 | 47人 | 4.8倍 | 4.4倍 |
| 7 | 宮城大学 | 48人 | 219人 | 49人 | 4.5倍 | 3.8倍 |
| 8 | 島根県立大学 | 80人 | 214人 | 110人 | 1.9倍 | 2.8倍 |
志願者がもっとも多かったのは高知工科大学の581人で、募集人員も195人と、公立大学の中で飛び抜けて多い大学です。北九州市立大学は、志願者が372人と多く、倍率も3.8倍と高い水準でした。
倍率が大きく動いた公立大学
| 大学 | 前年度の倍率 | 2026年度の倍率 | 動き |
|---|---|---|---|
| 叡啓大学 | 1.2倍 | 2.7倍 | 志願者が81人から162人に倍増 |
| 山口県立大学 | 4.6倍 | 6.4倍 | 志願者が111人から154人に増加 |
| 前橋工科大学 | 2.6倍 | 3.6倍 | 志願者が46人から83人に増加 |
| 岩手県立大学 | 5.1倍 | 3.5倍 | 志願者が138人から97人に減少 |
| 島根県立大学 | 2.8倍 | 1.9倍 | 志願者が256人から214人に減少 |
前年度の倍率が低かった大学に志願者が集まり、次の年に倍率が上がることがあります。反対に、前年度に倍率が高かった大学は、志願者が減ることもあります。1年分の数字だけで判断しないようにしましょう。
数字から分かること
1. 公立大学は、国立大学と同じくらいの倍率
公立大学51校の倍率は約3.1倍で、国立大学の約3.0倍とほぼ同じでした。私立大学全体の約2.0倍と比べると、国公立大学は総合型選抜でも倍率が高めです。
2. 募集人員が少ない大学ほど、倍率が動きやすい
公立大学には、総合型選抜の募集人員が10〜30人ほどの大学が多くあります。数人の違いで倍率が大きく変わるため、数年分の数字を確かめることが大切です。
3. 倍率より先に、出願の条件を確かめる
公立大学の総合型選抜には、大学のある地域の高校の出身であることや、卒業後に地域で働く意思があることなどを条件にする方式もあります。共通テストを課す方式もあります。倍率を見る前に、出願の条件と選考の内容を、募集要項で必ず確かめてください。
公立大学を受けるときに確かめたいこと
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 出身地や住所の条件 | 地域の高校の出身者などを対象にする方式がある |
| 共通テストの有無 | 書類・面接に加えて共通テストを課す方式がある |
| 専願か併願か | 合格したら入学が条件になる方式が多い |
| 入学料 | 大学のある地域に住む人と、それ以外の人で入学料が違う大学が多い |
| 卒業後の進路 | 地域の企業や自治体との結びつきが強い大学もある |
公立大学の多くは、大学のある都道府県や市に住んでいる人の入学料を、それ以外の人より低くしています。入学料の条件は大学ごとに違うので、募集要項や大学のホームページで確かめましょう。受験費用全体の考え方は、総合型選抜の受験費用はいくら?で説明しています。
保護者様にお願いしたいこと
公立大学は、自宅から通える地元の大学として考えるご家庭もあれば、学びたい分野がある遠方の大学として考えるご家庭もあります。遠方の公立大学を受ける場合は、一人暮らしの費用や、入学料の地域の条件を確かめておくと安心です。地域の条件がある方式では、出願できるかどうかに関わるので、生徒さんと一緒に募集要項を確かめてください。公立大学のオープンキャンパスでは、地域の企業や自治体と連携した授業の様子を紹介していることもあります。卒業後の進路とあわせて、学びの特色を確かめておくと、志望理由を考えるときの材料にもなります。
学年ごとの考え方
高校1年生・高校2年生は、地元の公立大学を含めて、学びたい分野がある大学を調べてみましょう。公立大学の中には、地域の課題をテーマにした授業や実習を行う大学も多く、探究のテーマとつながることもあります。高校3年生は、出願の条件(地域の条件、共通テスト、専願)を確かめ、一般選抜との併願も含めて受験の計画を立てます。
マスネットではこう進めます
オンライン学習塾マスネットの総合型選抜・学習伴走コースでは、志望校の募集要項を一緒に確かめ、評定・教科・書類・面接の準備を、月4回の授業の中で毎月配分し直します。共通テストを課す方式を受ける場合も、一般選抜との併願と同じように、教科の勉強を計画に組み込みます。くわしくはコースの特徴をご覧ください。
よくある質問
Q. 公立大学と国立大学は、何が違いますか?
A. 国立大学は国が、公立大学は都道府県や市などが設置しています。学費は国立大学と同じくらいの大学が多く、公立大学には地域に根ざした学びを特色にする大学も多くあります。
Q. 公立大学の総合型選抜は、地元の人しか受けられませんか?
A. 地域の条件がない方式も多くあります。条件がある方式もあるので、募集要項で確かめてください。
Q. 公立大学の総合型選抜では、共通テストが必要ですか?
A. 大学や方式によって違います。共通テストを課す方式もあるので、募集要項で必ず確かめましょう。
Q. 倍率が高い公立大学は、あきらめたほうがいいですか?
A. 募集人員が少ない大学は、倍率が年によって大きく動きます。数年分の数字と出願の条件を確かめ、学びたいことと合っているかを先に考えましょう。
Q. 学部ごとの倍率は、どこで確かめられますか?
A. 多くの大学が、ホームページで前年度の入試結果を学部・方式ごとに公表しています。募集要項とあわせて確かめましょう。
まとめ
2026年度入試の公立大学51校の総合型選抜は、志願者6,314人に対して合格者2,047人で、倍率は約3.1倍でした。国立大学の約3.0倍とほぼ同じ水準で、合格者10人以上の大学では九州歯科大学9.5倍、岡山県立大学6.8倍、山口県立大学6.4倍が上位です。公立大学には地域の条件や共通テストを課す方式もあり、入学料も地域によって違うため、募集要項で出願の条件を必ず確かめましょう。
出典・参考にした資料
- 河合塾「国公立大 総合型選抜 大学別入試結果(6/19現在)」(Kei-Net掲載)
- 一般社団法人 公立大学協会「公立大学協会」