自己推薦書(自己PR)の書き方|強み・根拠・大学での生かし方の3段落
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総合型選抜の自己推薦書(自己PR)は、「強み」「それを示す出来事」「大学での生かし方」の3段落で書くと、まとまりやすくなります。強みは1つにしぼり、出来事は「何をしたか」よりも「どう考えて動いたか」を具体的に書きましょう。志望理由書と内容が重ならないよう、役割を分けて書くことも大切です。オンライン学習塾マスネットでは、生徒さんと一緒に過去の出来事を振り返り、強みを言葉にする練習をしています。
「自分の長所なんて、書けることがありません」
自己推薦書を書き始めた生徒さんから、よく聞く言葉です。
自己推薦書と聞くと、大会での受賞や部長の経験のような、目立つ実績が必要だと思うかもしれません。けれども、大学が知りたいのは、実績の大きさよりも、「この生徒さんはどんな人で、大学でどう学び、どう成長しそうか」です。毎日の授業や部活動、家での過ごし方の中にも、強みを示す出来事はあります。
活動の実績がないと感じている場合は、活動実績がなくても総合型選抜は受けられる?もあわせて読んでみてください。
自己推薦書と志望理由書の違い
総合型選抜では、志望理由書と自己推薦書の両方を出すことがあります。2つの書類の役割を分けておくと、内容が重ならず、それぞれで伝えたいことがはっきりします。
| 書類 | 主に伝えること | 中心になる時間 |
|---|---|---|
| 志望理由書 | なぜこの大学・学部で学びたいのか | これから(大学で学びたいこと、将来) |
| 自己推薦書 | 自分はどんな人で、どんな力をもっているか | これまで(高校生活の出来事) |
| 活動報告書 | 何に、どのくらい取り組んだか | これまで(活動の事実) |
書類の名前や、書くように求められている内容は大学によって違います。「自己PR」「自己推薦書」「自己評価書」など名前が違っても、まずは募集要項の設問を読み、何を聞かれているかを確かめましょう。活動報告書の書き方は、活動報告書の書き方で説明しています。
3段落の書き方
1段落目. 強みを1つ書く
最初の段落で、自分の強みを1つ書きます。「私の強みは、〇〇なところです」と、はじめにはっきり書くと、読む人に伝わりやすくなります。
強みは1つにしぼりましょう。「責任感があり、協調性もあり、粘り強い」のように並べると、どれも印象に残りにくくなります。
2段落目. 強みを示す出来事を書く
次に、その強みが表れた出来事を書きます。ここが自己推薦書の中心です。次の順番で書くと、読む人が場面を思い浮かべやすくなります。
| 順番 | 書くこと |
|---|---|
| 1. 場面 | いつ、どこで、どんな状況だったか |
| 2. 課題 | 何に困っていたか、何が問題だったか |
| 3. 考えたこと | どう考えて、何をしようと決めたか |
| 4. 行動 | 実際に何をしたか |
| 5. 結果と学び | どうなったか、そこから何を学んだか |
特に大切なのは、3の「考えたこと」です。同じ行動でも、なぜそうしようと考えたかに、その人らしさが表れます。結果は、大きな成果でなくてもかまいません。うまくいかなかった経験でも、そこから何を学び、次にどう生かしたかが書けていれば、強みは伝わります。
3段落目. 大学での生かし方を書く
最後に、その強みを大学での学びにどう生かすかを書きます。志望する学部の授業やゼミ、実習などと結びつけると、「この大学で学ぶ姿」が伝わります。ここは志望理由書の内容と重なりやすいので、志望理由書では「学びたいこと」、自己推薦書では「自分の力をどう生かすか」と、書く角度を分けましょう。
字数ごとの配分の目安
自己推薦書の字数は、大学によって400字から1,000字以上までさまざまです。3段落の配分は、次のくらいを目安にしましょう。
| 段落 | 400字の場合 | 800字の場合 |
|---|---|---|
| 1. 強み | 約50字 | 約80字 |
| 2. 出来事 | 約250字 | 約500字 |
| 3. 大学での生かし方 | 約100字 | 約220字 |
いちばん字数を使うのは、2段落目の出来事です。字数が少ない場合は、場面の説明を短くし、「考えたこと」と「行動」を中心に残します。字数が多い場合は、出来事を1つのまま、考えたことや周りの人とのやりとりをくわしく書きましょう。出来事を2つに増やすより、1つを深く書くほうが伝わります。
書き方の例
例えば、部活動で後輩への教え方を工夫した経験を書く場合です。
| 段落 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 強み | 相手に合わせて、伝え方を工夫できることが私の強みです |
| 出来事 | 部活動で後輩の練習を担当したが、同じ説明をしても上達する人としない人がいた。一人ひとりに練習の感想を聞き、図で説明する、手本を見せるなど、伝え方を変えた。夏の大会までに、全員が基本の動きをできるようになった |
| 大学での生かし方 | 教育学部のグループでの模擬授業で、相手に合わせた伝え方をさらに学び、深めたい |
この例は、書き方を説明するためのものです。自分の出来事に置きかえて、具体的な数字や言葉を入れて書きましょう。
強みの見つけ方
強みが見つからないときは、次の方法を試してみてください。
1. 高校生活の出来事を書き出す
高校1年生からの出来事を、授業・部活動・委員会・行事・家庭・校外の活動に分けて書き出します。その中から、「工夫したこと」「続けたこと」「困ったけれど乗りこえたこと」に印をつけます。
2. 人に聞いてみる
家族や友だち、先生に、「私のいいところはどこだと思う?」と聞いてみましょう。自分では当たり前だと思っていることが、人から見ると強みであることもよくあります。聞いた答えはそのまま使うのではなく、「そう言われた理由になる出来事は何か」を自分で思い出し、出来事とセットでメモしておきましょう。出来事と結びつかない強みは、書類に書いても説得力が弱くなります。
3. 強みを表す言葉を選ぶ
| 出来事の例 | 強みを表す言葉の例 |
|---|---|
| 毎日の練習や勉強を続けた | 継続する力、計画を立てて続ける力 |
| 話し合いで意見をまとめた | 人の意見を聞いてまとめる力 |
| 分からないことを自分で調べた | 自分で課題を見つけて調べる力 |
| 失敗のあとにやり方を変えた | 振り返って改善する力 |
| 困っている人に声をかけた | 周りを見て動く力 |
強みの言葉は、志望する学部で求められる力とつながるものを選ぶと、3段落目の「大学での生かし方」が書きやすくなります。大学が求める学生の姿は、募集要項やホームページに書かれている「アドミッション・ポリシー」で確かめられます。
つまずきやすい点
いちばん多いのは、強みをたくさん並べてしまうことです。1つの強みを、1つの出来事で深く書くほうが、読む人の印象に残ります。
次に多いのが、出来事の説明が「〇〇を頑張りました」で終わってしまうことです。何に困り、どう考え、何をしたかを具体的に書きましょう。数字(回数、期間、人数)を入れると、場面がはっきりします。
もう1つは、書いたことを面接で聞かれて、くわしく話せないことです。自己推薦書に書いた出来事は、面接で「そのとき、ほかにどんな方法を考えましたか」などと、深く聞かれることがあります。書いた出来事は、書類に入りきらなかった部分も含めて、話せるように準備しておきましょう。面接の準備は、総合型選抜の面接でよく聞かれることで説明しています。
書き終えたら確かめること
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 設問に答えているか | 募集要項の設問が聞いていることに答えているか |
| 強みは1つか | 1段落目に、強みが1つだけはっきり書かれているか |
| 出来事が具体的か | 場面・課題・考えたこと・行動・結果が書かれているか |
| 志望理由書と重なっていないか | 同じ出来事や言い回しが、両方に出ていないか |
| 字数 | 指定の字数の9割以上か。上限をこえていないか |
先生に見てもらう前に、自分でこの表を確かめましょう。見てもらうときのこつは、志望理由書を先生に見せる前に確かめることで説明しています。
学年ごとの考え方
高校1年生・高校2年生は、工夫したことや続けたことがあったら、その日のうちに一言メモを残しておきましょう。高校3年生で書くときに、出来事を思い出す材料になります。高校3年生は、志望理由書と自己推薦書の役割を先に決めてから、書き始めます。
マスネットではこう進めます
オンライン学習塾マスネットの総合型選抜・学習伴走コースでは、書類は生徒さん本人が書きます。講師は、問いかけで過去の出来事を一緒に振り返り、構成と事実確認を担当します。入会時・志望校決定時・出願前には専門レビューを行います。くわしくは指導体制をご覧ください。
よくある質問
Q. 自己推薦書には、受賞歴がないと書けませんか?
A. 受賞歴がなくても書けます。授業や部活動、家庭での出来事の中で、工夫したことや続けたことを、具体的に書きましょう。
Q. 強みは、志望する学部と関係があったほうがいいですか?
A. 関係があると、大学での生かし方が書きやすくなります。学部が求める力を、アドミッション・ポリシーで確かめてみましょう。
Q. 失敗した経験を書いてもいいですか?
A. 書いてもかまいません。失敗から何を学び、次にどう変えたかが書けていれば、振り返って改善する力が伝わります。
Q. 志望理由書と同じ出来事を使ってもいいですか?
A. できるだけ分けるのがおすすめです。同じ出来事を使う場合は、志望理由書では関心のきっかけ、自己推薦書では自分の力が表れた場面として、角度を変えて書きましょう。
Q. 自分で強みを書くのが恥ずかしいです。
A. 強みは、自慢ではなく事実として書くものです。出来事を具体的に書けば、読む人が自然に強みを感じ取れます。
まとめ
総合型選抜の自己推薦書は、強み・それを示す出来事・大学での生かし方の3段落で書くと、まとまりやすくなります。強みは1つにしぼり、出来事は場面・課題・考えたこと・行動・結果の順で、特に「どう考えて動いたか」を具体的に書きましょう。志望理由書とは役割を分け、書いた出来事を面接でもくわしく話せるように準備しておくことが大切です。
出典・参考にした資料
- 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)