内申点を上げるには|テストの点以外で動かせる4つの要素
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
通知表を見て、思ったより評定が低かった。テストの点は悪くなかったはずなのに、なぜこの数字なのかが分からない。
結論から言うと、内申点はテストの点数だけで決まりません。提出物、授業への取り組み、実技4教科、そして評価される期限。この4つは、テストの点が変わらなくても動かせる要素です。
オンライン学習塾マスネットでは、定期テストと内申の両面から中学生を指導しています。この記事では、実際に評定が動いた生徒が何を変えたのかを書きます。
なぜテストの点が良くても評定が上がらないのか
評定は、3つの観点で評価されています。
知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度。この3観点をA・B・Cで評価し、その組み合わせから5段階の評定が決まります。
テストの点数が主に反映されるのは、前の2つです。3つ目の「主体的に学習に取り組む態度」は、テストでは測れません。ここを評価する材料が、提出物と授業への取り組みです。
つまり「テストの点は良いのに評定が上がらない」状態は、多くの場合3つ目の観点で評価が取れていないことを意味します。そしてこの観点は、学力に関係なく今日から変えられます。
動かせる要素1:提出物の「出し方」
内申を上げる方法として、最も確実で最も早いのが提出物です。
重要なのは、出したかどうかではなくどう出したかです。評価される提出物には条件があります。
期限を守る。 遅れた提出物は、内容が良くても評価が下がります。逆に期限を守るだけで評価の土俵に立てます。
空欄を作らない。 わからない問題を空欄で出すと、取り組んでいないと判断されます。解説を読む、調べる、質問する。どうしても解けない場合でも、考えた跡を残すことで姿勢は伝わります。
間違いに直しを入れる。 ここが最大の差です。答えを写して全問正解にしたワークより、間違い+赤で直しがあるワークの方が圧倒的に評価されます。先生は丸写しを見抜きます。
しかも直しを入れる作業は、そのままテスト勉強です。提出物の直しは、内申とテストの点を同時に上げる行動です。
動かせる要素2:授業への取り組み
授業中の姿勢も、態度の観点で評価されています。
発言する。 完璧な答えである必要はありません。挙手して答えようとする姿勢自体が評価対象です。
話を聞く姿勢を見せる。 顔を上げる、頷く、目を見る。これだけで印象は変わります。
ノートに授業内容を残す。 板書を写すだけでなく、先生が口頭で話したことをメモすると、それがそのままテスト対策にもなります。
グループ活動で役割を持つ。 話し合いに参加する、まとめ役を引き受ける。協働の場面は評価されやすい場面です。
これらは学力と無関係です。今日の授業から変えられます。
動かせる要素3:実技4教科
内申点は9教科が対象です。それにもかかわらず、実技4教科の対策をしている生徒はほとんどいません。
多くの都道府県で、実技教科は主要教科と同等以上に扱われます。 実技に高い倍率をかける地域もあり、その場合は実技の評定1つが主要教科の評定2つ分以上の価値を持ちます。
そして実技教科は、対策の費用対効果が非常に高い教科です。テスト範囲が狭く、配布プリントとワークからの出題が中心のため、テスト1週間前に暗記するだけで高得点が狙えます。
実技が苦手でも問題ありません。歌が上手くなくても、絵が得意でなくても、ペーパーテストの点数、提出物、授業への姿勢で評価は積み上がります。
動かせる要素4:期限を知る
意外と見落とされているのが、いつまでに動けば間に合うかです。
多くの都道府県で、受験に使われるのは中3の2学期(または後期)の評定です。ただし締め切りは地域によって異なり、12月末、1月末、2月10日現在など様々です。
また、対象学年も地域によって違います。中3の評定だけを使う地域もあれば、中1から算入する地域もあります。中3のみの地域なら、それ以前の成績は点数化されません。
自分の地域の制度を知らないまま過ごすことが、最大の機会損失です。まず確認してください。
優先順位のつけ方
4つの要素を、どこから手をつけるかの順番です。
1番目は提出物です。最も確実で、次の提出から変えられます。効果が出るまでの時間も最短です。
2番目は実技4教科です。テスト1週間前の暗記で点数が動くため、投下時間に対する効果が大きくなります。
3番目は授業への取り組みです。積み重ねで評価されるため、早く始めるほど有利になります。
4番目が定期テストの点数です。もちろん重要ですが、上げるには数週間の対策が必要で、時間がかかります。他の3つより効果が出るまで時間がかかると理解した上で取り組んでください。
評定が動いた生徒が変えたこと
ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。
内申の相談で最も多いのが「テストの点は悪くないのに評定が上がらない」というケースです。この生徒たちを見ていくと、原因はほぼ提出物にありました。
マスネットでは宿題システム上で提出状況を記録しています。そのデータを見ると、評定が上がらない生徒には明確な共通点があります。締切日の夜にまとめて提出しているのです。
これは学校のワークでも同じことが起きています。まとめてやると空欄が増え、答えを写す割合も上がります。結果として、提出はしているのに「取り組んだ跡」が残らない状態になります。
逆に、評定が上がった生徒が変えたのは3点だけでした。期限より1日早く出す。空欄をゼロにする。間違えた問題に赤で直しを入れる。
テストの点数がほとんど変わっていないのに評定が上がった生徒が複数います。実際に、定期テストは平均点前後でありながら内申オール5を獲得した生徒もいます。この生徒がやっていたのは、特別な勉強ではなく提出物の出し方の徹底でした。
マスネットの毎日管理コースでは、21時にその日のTODOをLINEで通知し、翌日正午までに未完了なら再アラートを出しています。これを導入した生徒は、締切当日のまとめ提出がほぼなくなりました。内申を上げるために必要なのは意識ではなく、締切より前に手をつける仕組みだというのが、運用して分かったことです。
実技4教科についても補足します。福岡・鹿児島の生徒を見ていて感じるのは、実技の対策をしている生徒がほとんどいないことです。主要5教科に時間を使い、実技はテスト前日に少し見る程度という子が大半です。だからこそ、1週間前から配布プリントを覚えるだけで差がつきます。ここは多くの生徒に伸びしろが残っている領域です。
よくある質問
Q. 内申点はテストの点数だけで決まりますか?
決まりません。評定は3つの観点で評価され、そのうち「主体的に学習に取り組む態度」はテストでは測れません。提出物と授業への取り組みが主な評価材料になります。
Q. 内申を上げるのに一番効果があるのは何ですか?
提出物です。次の提出から変えられ、効果が出るまでの時間も最短です。期限内に、空欄なく、直しを入れて出すことが条件になります。
Q. 実技4教科は本当に重要ですか?
重要です。内申点は9教科が対象で、実技に高い倍率をかける都道府県もあります。対策している生徒が少ないため、差をつけやすい領域でもあります。
Q. 今から内申を上げても間に合いますか?
評定が確定する時期は都道府県によって異なります。多くは中3の2学期ですが、締め切りは12月末から2月まで幅があります。まず自分の地域の制度を確認してください。
Q. 先生に嫌われていると評定は上がりませんか?
評定は観点別評価の基準に沿ってつけられ、根拠となる資料が必要です。感情だけで決まるものではありません。提出物や授業での取り組みという客観的な材料を積み上げることが対策になります。
Q. 授業で発言するのが苦手です。
発言だけが評価対象ではありません。話を聞く姿勢、ノート、グループ活動での役割など、評価される場面は複数あります。自分がやりやすい形から始めてください。
内申全体を設計したい方へ
内申点は9教科の積み上げです。どの教科のどこに伸びしろがあるかは、生徒によって違います。マスネットの中学生コースでは、定期テストの点数対策に加えて、提出物の管理や実技教科の対策まで含めて内申全体を設計しています。
※評定の付け方・内申点の算出方法・対象学年は、都道府県および年度により異なります。詳細は在籍する中学校または各都道府県教育委員会でご確認ください。