高校生の勉強の進め方まとめ|定期テストから大学受験までの全体像
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
高校に入って、中学までのやり方が通用しなくなった。何をどう変えればいいのか、そもそも何から手をつければいいのかが分からない。
結論から言うと、高校の学習は中学とは別物です。範囲が広く、科目数が多く、進度は約2倍。そして評定が大学受験の選択肢を左右します。この構造を知ることが、対策の出発点です。
このページは、オンライン学習塾マスネットが運営しています。全体像を示し、状況に応じた記事へご案内します。
中学と高校の4つの違い
まず、何が変わったのかを整理します。
違い1:進度が約2倍になる
中学では、同じ単元を何度も練習する時間がありました。
高校では、その日習った内容を家で復習しないと次に進んでしまいます。授業内で理解しきれない部分が出るのが前提の進度です。
1回分からない部分が出ると、次の授業も分からなくなります。この連鎖が数週間続くと、単元全体が分からなくなります。
違い2:科目数が一気に増える
中学は5教科でした。
高校では、数学Ⅰ、数学A、化学基礎、物理基礎、コミュニケーション英語、論理・表現、現代の国語、言語文化といった形で細分化されます。
10科目以上のテストが1週間に詰め込まれます。管理する量が違います。
違い3:抽象度が上がる
具体から抽象への移行が進みます。
数学なら文字のまま処理する問題が中心になり、理科なら目に見えない現象を式で扱います。
理解しないまま手順だけ覚えると、応用で必ず崩れます。中学までは暗記で乗り切れた部分が、高校では通用しません。
違い4:評定が大学受験に直結する
中学の評定は高校受験に使われました。高校の評定は、大学の学校推薦型選抜の出願条件になります。
しかも高1の成績から算入されます。高3で気づいても、それ以前の評定は変わりません。
まず知っておくべきこと
高校で成績が下がるのは普通です
中学でトップ層だった生徒さんが、高校で下位になることは普通に起こります。
理由は明確です。高校では、同じくらいの学力の生徒さんが集まっています。中学では相対的に上位でも、高校では平均になります。
これは学力が落ちたわけではありません。
そのうえで、学習の仕組みが大きく変わります。この変化への適応でつまずくケースがほとんどです。
評定は後から取り返せません
評定平均は高1からの全科目の平均です。
高1で低い評定がつくと、高2・高3で挽回しても平均は上がりにくくなります。そして対象は高3の1学期までです。
推薦を使うかは高3で決められますが、評定は後から取り返せません。
選択肢を残すために、高1から評定を確保しておく。これが最も重要な考え方です。
状況別の入口
今の状況に近いものから読んでください。
授業についていけない
高校に入った途端、授業が分からなくなった。
原因は、高校の内容が難しいからだけではありません。進度が中学の約2倍になること、そして中学範囲の小さな穴が表面化すること。この2つが重なっています。
科目別のつまずきの特定方法と、具体的な対処があります。
→ 高1で勉強についていけないとき|つまずきの正体と、戻る地点の見つけ方
数学だけが分からない
計算はできるのに、問題を見ても何をすればいいか浮かばない。
高校数学でつまずく生徒さんの多くは、中学数学に原因があります。高校の教科書を何度読んでも解決しないのは、原因がそこにないからです。
展開、因数分解、平方根、関数。この4つを確認すれば、戻る地点が特定できます。
→ 高校数学が分からなくなったとき|中学のどこまで戻るかで決まります
定期テストで点が取れない
勉強時間は増やしているのに、結果がついてこない。
中学と同じやり方では対応できません。範囲が広く、科目数が多いためです。
3週間前から始める、科目の優先順位をつける、学校の教材を軸にする。この設計が必要です。
→ 高校の定期テストで点を取る方法|中学とは別物だと知ることから
推薦を考えている
評定平均が足りるか分からない。そもそも計算方法を知らない。
評定平均は高1からの全科目の平均です。実技科目も含まれるため、1科目でも低いと平均が下がります。
推薦を使うかは後で決められますが、評定は後から取り返せません。
→ 高校の評定平均を上げる方法|推薦を使うなら高1から決まっています
学年別にやるべきこと
高校1年生
土台と選択肢を作る時期です。
英語と数学の基礎を固める。特に英単語は、この時期から始めれば無理なく積み上がります。数学は授業についていけているかを常に確認してください。
定期テストで評定を確保する。学校推薦型選抜を使う可能性を残すためです。使うかどうかは後で決められますが、評定は後から上げられません。
文理選択に向けて興味を探る。高1の終わりに文理を選ぶ学校が多くあります。「数学が苦手だから文系」という消去法の選択は、後で選択肢を狭めることがあります。
高校2年生
大学受験で最も差がつく学年です。
英語と数学の基礎を完成させる時期だからです。高2までに英文法を一通り終え、数学の基本問題を解ける状態にしておくと、高3で演習に集中できます。
逆にここが未完成だと、高3の1年間が基礎固めで終わります。
高2の終わりまでに志望校の方向を決めます。国公立か私立か、文系か理系か、どの学部系統か。ここが決まると、必要な科目と到達レベルが定まります。
高2の冬は「受験生0学期」と呼ばれます。この時期から動き始めた受験生と、高3の夏から始めた受験生では、最終的な選択肢が変わります。
高校3年生
前半は基礎の完成、後半は演習と志望校対策です。
夏休みの終わりまでに基礎を固め切ることが目標です。ここが秋以降の伸びを決めます。
同時に、志望校の過去問を1年分だけ見ておくことをおすすめします。解く必要はありません。どんな形式で何が問われるかを知ると、日々の学習の狙いが定まります。
秋からは過去問演習と弱点補強のサイクルに入ります。共通テスト対策も本格化します。
定期テストと受験勉強の両立
「どちらを優先すべきか」で迷わないための考え方です。
期間で切り分けてください。
テスト2〜3週間前は、定期テスト対策に時間を寄せます。多くの学校でテスト前は部活が休止になるため、この期間に集中します。
それ以外の期間は、受験勉強に充てます。
そして、高1・高2の定期テストは評定であり、受験の一部です。推薦の選択肢を残すなら、軽視できません。
高3になると、定期テストより受験勉強の比重が上がります。ただし評定平均の対象は高3の1学期までなので、それまでは両立が必要です。
部活との両立
高校は、部活動の負担が中学より大きくなることが多くあります。
原則は、ゼロの日を作らないことです。
引退までの目標は、成績を落とさず基礎を維持することです。1日30分でも、英単語や数学の基礎に毎日触れておく。授業をその場で理解する。
これができていれば、引退後にそのまま加速できます。
逆に完全にゼロだった生徒さんは、引退後にまず学習習慣を作るところから始めることになり、二重の出遅れになります。
現場で見えたこと
ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。
高校生の相談で最も多いのが、「中学までは点が取れていたのに」という言葉です。
話を聞くと、やり方が中学のままであることがほとんどです。2週間前から始める。全科目を同じように対策する。範囲を1周する。
しかし高校では、この方法では間に合いません。範囲と科目数が違うためです。
そのため指導では、まず開始時期と優先順位を変えます。3週間前から始め、科目ごとに配分を変える。これだけで、同じ勉強時間でも結果が変わります。
もう一つ、数学のつまずきについてです。
高校数学の相談を受けたとき、まず中学範囲の確認から入ります。すると、想像より手前でつまずいているケースがほとんどです。
高校1年生が中学2年生の一次関数で止まっていた。数学ⅠAが分からない原因が、中学3年生の因数分解にあった。こうした例は珍しくありません。
そして、戻る範囲は思ったより狭いことが多くあります。中学3年分をやり直す必要はなく、特定の単元だけで済むケースがほとんどです。
そして、評定の重みについてです。
高1の時点で、その成績が大学受験の選択肢を左右することを知らないまま過ごしている生徒さんがいます。高3になって推薦を検討したとき、評定平均が基準に届かないと分かる。
この場面を何度も見てきました。高1から知っていれば、取れた選択肢でした。
宿題システムの記録を見ても、週ごとに進捗を確認している生徒さんは、遅れが出ても崩壊しません。高校は科目数が多いぶん、管理の有無が結果に直結します。
よくある質問
Q. 高校で成績が下がったのですが、大丈夫でしょうか。
高校では同じくらいの学力の生徒さんが集まるため、順位が下がるのは普通に起こります。学力が落ちたわけではありません。ただし学習の仕組みが変わるため、やり方の切り替えは必要です。
Q. 定期テストはいつから始めるべきですか。
3週間前を推奨します。範囲が広く科目数も多いため、中学の2週間前では間に合わないことがあります。
Q. 評定はいつから意識すべきですか。
高1からです。評定平均は高1からの全科目の平均で、対象は高3の1学期までです。後から取り返すことが難しくなります。
Q. 定期テストと受験勉強、どちらを優先すべきですか。
期間で切り分けてください。テスト2〜3週間前は定期テスト対策、それ以外は受験勉強です。高1・高2の定期テストは評定であり、受験の一部でもあります。
Q. 部活が忙しくて時間が取れません。
ゼロの日を作らないことを目標にしてください。1日30分でも基礎に触れておくと、引退後に加速できます。
Q. 数学が分からなくなりました。
中学範囲に原因があることが多くあります。展開、因数分解、平方根、関数を確認して、戻る地点を特定してください。
高校の学習を設計したい方へ
開始時期の設計、科目の優先順位、戻る範囲の特定、評定の確保。高校は科目数が多いぶん、この設計の有無が結果を分けます。
マスネットは完全1対1のオンライン個別指導塾です。現在地の診断から、テスト対策の設計、週ごとの進捗確認まで一緒に進めています。
評定を確保しながら、大学受験の選択肢を残す形を設計します。
※評価の方法・評定平均の算出方法は学校および大学により異なります。詳細は在籍する高校のシラバスや、各大学の募集要項でご確認ください。