塾で質問できない中学生へ|「どこが分からないか分からない」を伝える方法と、保護者が確認したいこと
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
塾で質問できない中学生へ|「どこが分からないか分からない」を伝える方法と、保護者が確認したいこと
「分からないなら先生に聞けばいいのに、質問しない」
「個別指導に通っているが、分かったと言って帰ってくる」
「本人は、何を聞けばよいのか分からないと言う」
塾で質問できないときは、消極的な性格だからと決めつけず、質問が止まる理由を確認しましょう。
分からない部分を言葉にできない、質問するタイミングがない、間違いを見せづらい、授業中は理解できたと思っている。原因によって、必要な対応が変わります。
最初の目標は、上手な質問をすることではありません。解きかけのノートや、手が止まった問題を先生と共有することです。
質問できない理由を、4つに分ける
| 理由 | 本人に起こりやすいこと | 最初の工夫 |
|---|---|---|
| 分からない場所を説明できない | 問題全体が難しく見える | どこまで書けたかを見せる |
| タイミングが分からない | 他の生徒や先生の進行を気にする | 質問する合図や時間を決める |
| 間違いを見せづらい | 答えを消す、分かったと答える | 消さずに残した式を確認してもらう |
| 分かったつもりになっている | 授業ではうなずくが、家で解けない | 説明後に自力で1問解く |
複数の理由が重なる場合もあります。「なぜ聞かないの?」と繰り返す前に、どの状況かを本人と確認してください。
「どこが分からないか分からない」でも、質問できる
原因を本人だけで特定する必要はありません。次のどこまで進めたかを伝えます。
- 問題文の言葉は分かるか。
- 何を求めるかは分かるか。
- 最初の式や英文は書けるか。
- 解説の何行目までは分かるか。
- 解説を閉じると、どこから書けなくなるか。
例えば、数学なら次の伝え方ができます。
求めるのが速さだとは分かりますが、式を作れません。
解説の最初の式は分かりますが、次の式への変形が分かりません。
英語なら、次のように伝えられます。
単語の意味は分かりますが、この文の主語が見つかりません。
言えない場合は、該当する行を指さすだけでも出発点になります。
質問メモは「問題・できたこと・止まった場所」の3つ
長い文章を作る必要はありません。ノートの余白に、次のように書きます。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 問題 | 学校ワーク32ページ、問4 |
| できたこと | 文字を置くところまでは書いた |
| 止まった場所 | 2つ目の式が作れない |
解説を見た場合は、「解説を見た」と添えます。何も見ずに解けた部分と、写した部分を分けると、先生が確認しやすくなります。
写真で質問する場合は、問題文、図や選択肢、自分の途中式が読めるように撮ります。氏名や他の生徒の情報など、質問に不要な部分は写さないようにしてください。
先生へ切り出す言葉を、1つだけ決める
質問内容を考える前に、声をかけるところで止まる生徒さんもいます。
最初は、短い言い方を1つ用意しましょう。
- 「この途中式を見てもらえますか」
- 「解説のここから分かりません」
- 「最初の一歩を一緒に確認したいです」
授業中に言いづらいなら、講師へ事前に相談し、質問する時間や合図を決めます。チャット・メモなど別の方法に対応できるかも確認してください。
「分かった?」だけでは、理解を確かめにくい
本人が「分かりました」と答えても、実際に解けるとは限りません。
説明後に、同じ考え方を使う問題を、ヒントなしで1問解いてみます。難しい場合は、どの段階で止まったかを確認します。
講師へ相談するときは、次のように伝えられます。
分かったか聞かれると、本人はうなずくことが多いようです。説明後に、自分で1問解くところまで確認していただけますか。
本人だけに「正直に分からないと言うこと」を求めるのではなく、授業の確認方法も合わせて考えましょう。
保護者様は、質問を代わりに完成させすぎない
保護者様が毎回すべて説明すると、本人が伝える練習をする場面がなくなります。一方、本人に任せきりにして、疑問が残り続けるのも避けたいところです。
次のように段階をつけます。
- 最初は、保護者様が困り方を講師へ共有する。
- 本人が問題やノートを見せる。
- 本人が「ここで止まった」と一言添える。
- 慣れてきたら、自分で質問を整理する。
家では「今日は何問質問した?」より、「止まった問題を見てもらえた?」と聞くと、行動を確認しやすくなります。
塾へ確認したい5つの質問
- 生徒から質問がないとき、理解をどう確かめますか。
- 解きかけのノートを見て、原因を確認してもらえますか。
- 授業中に質問する合図や時間を決められますか。
- 授業外の質問は、どの方法・範囲で受け付けていますか。
- 質問後に、自力で解けるかをどう確認しますか。
「質問し放題」という案内だけで判断せず、受付方法、対応する人、回答の目安、質問できる内容を確認してください。
個別指導なら、必ず質問できるようになる?
指導形式だけでは決まりません。
完全1対1でも、本人が間違いを見せにくかったり、講師が説明を続けたりすれば、疑問を共有できない場合があります。
体験授業では、次を見てください。
- 本人が考えて書く時間があるか。
- 間違えたとき、どこで止まったかを確認するか。
- 分からないと言った後、説明方法を変えてくれるか。
- 授業後、本人が解き方を再現できるか。
質問のしやすさは、実際のやりとりで確かめることが大切です。
よくある質問
同じことを何度も聞くのを嫌がります。
前回と今回で、どこが同じで、どこから分からないかをメモします。解説を聞き直すだけでなく、自力で解く確認を入れ、止まる場所を共有しましょう。
質問できないなら、塾を変えたほうがよいですか?
まず理由と希望する対応を伝え、授業で改善できるか確認します。質問を遮られる、相談しても疑問が放置されるなど、環境の問題が続く場合は、指導方法との相性を見直します。
オンラインでは、さらに質問しにくくなりませんか?
生徒によります。画面越しなら話しやすい場合も、対面のほうが伝えやすい場合もあります。ノート共有やチャットなど、使える方法も含めて体験で確かめてください。
質問の上手さより、止まった場所を共有することから
マスネットは、完全1対1のオンライン個別指導塾です。相談時には、「本人から質問するのが難しい」「分かったと答えるが家で解けない」など、実際の困り方をお知らせください。
体験授業では、問題の解説だけでなく、解きかけのノートを使ったやりとりや、本人が質問できる方法も確認してみてください。