東京都の高校受験|換算内申65点の仕組みと、実技4教科が2倍になる理由
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
東京都の高校入試では、内申点が特殊な計算をすると聞いた。実技4教科が2倍になるらしいが、実際にどう影響するのかが分からない。
結論から言うと、東京都の内申点は中学3年生の成績だけで決まります。そして実技4教科が2倍されるため、実技の評定1つが主要教科2つ分の価値を持ちます。ここを知らずに主要5教科だけ対策すると、内申で大きく損をします。
オンライン学習塾マスネットは、全国どこからでも受講できる完全1対1のオンライン個別指導塾です。この記事では、東京都の入試制度と、そこから逆算した対策を書きます。
東京都の内申点の計算方法
まず、仕組みを確認します。
対象になるのは、中学3年生の成績だけです。中学1年生と中学2年生の成績は点数化されません。
計算式は次の通りです。
主要5教科の評定合計(25点満点)
+
実技4教科の評定合計 × 2(40点満点)
=
換算内申 65点満点
この65点満点を、300点満点に換算して合否判定に使います。
主要5教科とは、国語・数学・英語・理科・社会です。実技4教科とは、音楽・美術・保健体育・技術家庭です。
実技4教科が2倍される意味
ここが東京都の最大の特徴です。
主要5教科は、すべて5でも25点です。
実技4教科は、すべて5なら20点×2=40点になります。
実技4教科の方が、配点が大きいのです。
65点のうち40点、つまり約62%が実技4教科で決まります。
評定1つの価値の差
主要教科の評定を1つ上げると、1点増えます。
実技教科の評定を1つ上げると、2点増えます。
同じ努力でも、得られる点数が倍違います。
数学を4から5にするのと、音楽を4から5にするのでは、音楽の方が2倍の効果があります。
実技で評定2があると
実技で評定2が1つあると、2点分の損失になります。主要教科の評定2つ分に相当します。
逆に言えば、実技の2を3にするだけで、主要教科を2つ上げたのと同じ効果が得られます。
中学3年生の成績だけという意味
東京都では、中学1年生と中学2年生の成績が点数化されません。
これは2つのことを意味します。
中学3年生で挽回できる
中学1年生・2年生で成績が振るわなくても、内申点には影響しません。
中学3年生の1年間で評定を取り直せば、内申点は確保できます。
この事実を知って方針を切り替えるご家庭は多くあります。
中学3年生で取り返しがつかない
逆に、中学3年生で評定を落とすと、取り返す機会がありません。
中学3年生の定期テストと提出物が、そのまま内申点になります。
多くの都道府県で、内申点は中学3年生の2学期または後期の評定で確定します。東京都も同様です。正確な時期は中学校で確認してください。
実技4教科の対策
東京都では、実技4教科の対策が最も費用対効果が高くなります。
しかし、対策している生徒さんはほとんどいません。主要5教科に時間を使い、実技はテスト前日に少し見る程度という子が大半です。
これは大きな機会損失です。
実技のペーパーテストは取りやすい
実技4教科の定期テストには、明確な特徴があります。
範囲が狭く、出題が素直で、配布プリントとワークからそのまま出ます。
つまり、覚えれば取れます。しかも主要5教科と違って、理解に時間がかかる部分がほとんどありません。
テスト1週間前から、配布プリントを隠して答える練習をする。これだけで80〜90点は十分に狙えます。
実技が苦手でも問題ありません
評定は実技の上手さだけでは決まりません。
歌が上手くなくても、絵が得意でなくても、ペーパーテストの点数、提出物、授業への姿勢で評価は積み上がります。
提出物は期限内に、条件を満たして出す。作品も、上手でなくても丁寧に仕上げた跡があれば評価されます。
授業では、準備と片付けを率先してやる。苦手でも積極的に取り組む姿勢は、評価されやすい部分です。
当日点とのバランス
東京都の入試では、内申点と学力検査の得点を合わせて選考されます。
一般的には、学力検査700点と調査書点300点の合計1000点で判定されます。ただし、学校によって比率が異なる場合があります。
また、傾斜配点を設定している学校もあります。特定の教科の得点を1.5倍や2倍にする形です。
志望校の比率と傾斜配点は、必ず募集要項で確認してください。
なお、推薦入試では計算方法が異なります。推薦を考えている場合は、別途確認が必要です。
自分の内申点を計算する
まず、自分が何点になるかを把握してください。
主要5教科の評定を合計し、実技4教科の評定合計を2倍して足します。
例えば、主要5教科がすべて4(20点)、実技4教科がすべて4(16点×2=32点)なら、換算内申は52点です。
この数字が分かると、志望校の目安との差が具体的になります。
計算が面倒な場合は、ツールをご利用ください。都道府県を選ぶだけで、自動で計算できます。
学年別にやるべきこと
中学1年生・2年生
内申点には含まれませんが、土台を作る時期です。
中学1年生・2年生の内容は、中学3年生のすべてにつながります。特に数学と英語は積み上げ式のため、ここでのつまずきが後に響きます。
そして、入試問題の多くは中学1年生・2年生の範囲から出ます。内申に含まれないからといって軽視すると、当日点で苦しみます。
正しいテスト勉強の型を作る時期でもあります。この型が、中学3年生の内申を支えます。
中学3年生
内申点が決まる唯一の学年です。
1学期と2学期の定期テストが勝負になります。この2回で、65点分が決まります。
実技4教科を必ず対策してください。主要教科より配点が大きい以上、ここを捨てる選択肢はありません。
同時に、中学1年生・2年生の総復習と、志望校の過去問演習も進める必要があります。
期間で切り分けてください。テスト2週間前は定期テスト対策に集中し、それ以外は受験勉強に充てる。この形にすると迷わずに済みます。
内申が確定したら、当日点に全振りする設計に切り替えます。
現場で見えたこと
ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。
内申点の相談を受けていて感じるのは、実技4教科の重みを知らないまま過ごしているご家庭が多いということです。
東京都では実技が2倍され、65点のうち約62%を実技が占めます。それにもかかわらず、実技の対策をしている生徒さんはほとんどいません。
主要5教科に時間を使い、実技はテスト前日に少し見る程度。これが大半です。
しかし、これは逆です。配点の大きい方を後回しにしています。
マスネットでは宿題システム上で提出状況を記録していますが、実技教科の提出物は、主要教科より締切当日にまとめて出される割合が高い傾向がありました。優先順位が下がるためです。
東京都では、この差がそのまま内申点の減少になります。
もう一つ、中学3年生だけという制度についてです。
中学1年生・2年生で成績が振るわなかったご家庭に、東京都は中学3年生の成績だけが点数化されることをお伝えすると、表情が変わります。
挽回できる構造だと知ることで、動き方が変わります。
ただし裏を返せば、中学3年生で落とすと取り返せません。この点も同時にお伝えしています。
そして、評定が上がった生徒さんが変えたことについてです。
内申の相談で最も多いのが「テストの点は悪くないのに評定が上がらない」というケースです。原因はほぼ提出物にありました。
評定が上がった生徒さんが変えたのは3点だけです。期限より1日早く出す。空欄をゼロにする。間違えた問題に赤で直しを入れる。
テストの点数がほとんど変わっていないのに評定が上がった生徒さんが複数います。実際に、定期テストは平均点前後でありながら内申オール5を獲得した生徒さんもいます。
よくある質問
Q. 東京都の内申点は何点満点ですか。
換算内申は65点満点です。主要5教科の評定合計(25点)と、実技4教科の評定合計を2倍した点数(40点)を足して算出します。これを300点満点に換算して使用します。
Q. 中学1年生・2年生の成績は使われますか。
点数化されません。対象は中学3年生の成績だけです。ただし中学1年生・2年生の学習内容は、当日の学力検査で問われます。
Q. なぜ実技4教科が2倍されるのですか。
東京都の制度としてそのように定められています。結果として、実技4教科が換算内申の約62%を占めることになります。
Q. 実技が苦手でも評定は上がりますか。
上がります。評定は実技の上手さだけでは決まりません。ペーパーテストの点数、提出物、授業への取り組みで評価は積み上がります。
Q. 実技の対策はいつから始めますか。
テスト1週間前からで十分です。範囲が狭く、配布プリントとワークからの出題が中心のため、暗記で高得点が狙えます。
Q. 中学1年生・2年生で成績が低かったのですが、挽回できますか。
できます。内申点に含まれるのは中学3年生の成績だけです。ただし中学3年生で落とすと取り返す機会がないため、注意が必要です。
東京都の入試から逆算した対策を相談したい方へ
制度を知ることと、そこから自分の対策を組み立てることは別の作業です。
特に東京都では、実技4教科の対策が内申点を大きく左右します。
マスネットは完全1対1のオンライン個別指導塾です。主要5教科の指導に加えて、実技教科の対策や提出物の管理まで含めて、内申全体を設計します。
オンラインのため、東京都内のどこからでも、移動時間ゼロで受講できます。
※内申点の算出方法・当日点との比率・傾斜配点・選抜方法は、年度および高校により変更される場合があります。最新かつ正確な情報は、東京都教育委員会の公表資料および志望校の募集要項で必ずご確認ください。推薦入試では計算方法が異なります。