島根県の高校受験|内申点180点と学力検査250点の仕組み【2027年度】
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
島根県の公立高校入試では、学校・学科によって内申と学力検査の比重が違います。
同じ点数でも、松江北高校や出雲高校のように学力検査を重く見る学校と、専門学科を中心に個人調査報告書を重く見る学校では、評価のされ方が変わります。
島根県の一般選抜は、5教科250点の学力検査と個人調査報告書を使い、学校・学科ごとに40:60、50:50、60:40などの比率で判定します。評定は中1・中2も対象ですが、現行制度では中3を2倍して180点に換算します。
この記事では、島根県教育委員会の令和9年度、つまり2027年度入試資料をもとに、評定の計算、学校ごとの比率、総合選抜との違いを整理します。
※制度情報は2026年9月21日時点です。令和9年度の基本方針・日程・学校別比率は公表済みですが、一般選抜の最終的な実施要綱は公表前です。評定の詳しい換算方法は現行の令和8年度実施要綱を併せて確認しています。出願時には必ず最新の実施要綱と志望校の募集要項をご確認ください。
2027年度の入試を先に整理する
島根県の公立高校入試では、主に次の選抜が行われます。
- 特色入学者選抜
- 一般入学者選抜
- 第2次募集
特色入学者選抜には、総合入学者選抜、中高一貫教育校に係る選抜、スポーツ推進指定校入学者選抜があります。
令和9年度の主な日程は次の通りです。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 特色選抜の学力検査 | 2027年1月19日 |
| 特色選抜の合格内定通知 | 2027年1月28日 |
| 一般選抜の学力検査 | 2027年3月3日 |
| 一般選抜の面接等 | 2027年3月4日 |
| 追検査 | 2027年3月9日 |
| 一般選抜等の合格発表 | 2027年3月12日 |
| 第2次募集の検査 | 2027年3月18日 |
| 第2次募集の合格発表 | 2027年3月23日 |
一般選抜では、出願後1回に限り志願変更が認められます。
学力検査は5教科250点満点
一般選抜の学力検査は、次の5教科です。
- 国語:50点
- 社会:50点
- 数学:50点
- 理科:50点
- 英語:50点
合計250点満点で、各教科の検査時間は50分です。
学校の定期テストは1教科100点満点が一般的なので、入試の自己採点をするときは50点満点へ切り替えて考えてください。
5教科で150点なら、1教科平均30点です。定期テストの感覚に直すと平均60点程度ですが、学校のテストと入試問題は難易度も出題範囲も違います。単純に同じ実力とは判断できません。
志望校の判断には、県の過去問や模試で取れた250点満点の得点を使います。
評定は中3が2倍され、180点満点になる
現行の一般選抜では、中学1年生から3年生までの9教科の評定を使います。
9教科がすべて5の場合、1学年の評定合計は45点です。
個人調査報告書の「学習の記録」は、3年間の評定合計に、中3の評定合計をもう一度加えて計算します。
中1:45点
中2:45点
中3:45点×2
合計:180点つまり、学年の比重は次のようになります。
中1:中2:中3=1:1:2計算例
評定合計が次の生徒さんを考えます。
- 中1:30
- 中2:32
- 中3:36
計算は、
30+32+36×2=134点です。
「3年間の評定合計は98だから、135点満点」と考えないようにしてください。島根県の一般選抜では、中3を加重して180点満点にします。
実技4教科だけを2倍する制度ではない
都道府県によっては、音楽・美術・保健体育・技術家庭の評定を2倍する制度があります。
島根県で2倍になるのは、実技4教科だけではなく、中3の9教科すべてです。
たとえば中3で数学の評定が3から4へ上がった場合も、音楽が3から4へ上がった場合も、学習の記録の素点は2点上がります。
主要5教科は学力検査にも出るため、入試全体への影響は大きくなります。ただし、実技4教科も評定180点に含まれるので、提出物や実技、定期テストを後回しにはできません。
個人調査報告書には評定以外も入る
一般選抜で使うのは、評定だけではありません。
現行の実施要綱では、個人調査報告書のうち、次の資料を使います。
- 学習の記録:180点満点
- 特別活動の記録:9点満点
- その他の記載事項
特別活動の記録では、中3の学級活動、生徒会活動、学校行事などが評価されます。
そのため、「内申点は180点だけで決まる」と考えるのも正確ではありません。180点は評定を換算した学習の記録であり、選抜では特別活動やその他の資料も扱われます。
一般選抜の比率は高校・学科で違う
令和9年度の学校別資料では、個人調査報告書と学力検査の比率が公表されています。
主に次の3種類が使われています。
| 個人調査報告書:学力検査 | 性格 |
|---|---|
| 60:40 | 調査書を重く見る |
| 50:50 | 同じ比重 |
| 40:60 | 学力検査を重く見る |
体育科では70:30も設定されています。
制度上は80:20、70:30、60:40、50:50、40:60から学校が選ぶ仕組みですが、令和9年度の実施状況は県の別表で確認してください。
学力検査を重く見る主な学校
令和9年度に40:60を設定している主な学校・学科は次の通りです。
- 松江北高校:普通科・理数科
- 松江南高校:普通科・探究科学科
- 出雲高校:普通科・理数科
- 大田高校:普通科・理数科
- 江津高校:普通科
- 浜田高校:普通科・理数科
- 益田高校:普通科・理数科
この比率では、個人調査報告書が40点、学力検査が60点へ換算されます。当日点を伸ばす意味が比較的大きい方式です。
調査書を重く見る主な学校
専門学科を含む多くの学校では、60:40が使われています。
たとえば、情報科学、松江工業、松江商業、松江農林、出雲工業、出雲商業、出雲農林などです。
この比率では、個人調査報告書が60点、学力検査が40点へ換算されます。中学校での評定と特別活動の記録を安定させる意味が大きくなります。
学校名だけでなく、学科まで確認してください。同じ高校でも、学科によって比率や面接・実技の有無が異なる場合があります。
60:40の場合は100点へ換算する
現行制度の60:40を例に、計算の考え方を見ます。
個人調査報告書の60点分は、次のように分かれます。
- 学習の記録:51点
- 特別活動の記録:9点
学習の記録180点は、51点へ換算します。
評定の素点×51÷180学力検査250点は40点へ換算します。
学力検査の得点×0.16たとえば学習の記録が144点、特別活動が8点、学力検査が175点なら、概算は次の通りです。
学習の記録:144×51÷180=40.8
特別活動:8
学力検査:175×0.16=28
合計:約76.8点実際には、県の要綱に定められた端数処理を行います。面接・実技を評点化する学校では、さらに所定の点を加えます。
50:50、40:60の場合も、それぞれの比率に合わせて100点へ換算します。
面接や実技を行う学校もある
令和9年度の一般選抜では、学校・学科によって学力検査後に面接や実技を行います。
たとえば、工業・農林・水産系の一部や定時制課程では、面接を実施し、5点または10点を評点化する学校があります。大社高校体育科では実技を行います。
面接があるかどうかは、島根県全体で一律ではありません。
志望校を決めるときは、次の4点をセットで確認してください。
- 個人調査報告書と学力検査の比率
- 面接・実技の有無
- 面接・実技を点数化するか
- 第2志望を認める学科か
総合選抜は全日制の全学科で実施する
令和9年度は、定時制・通信制を除く全日制課程のすべての学科で、総合入学者選抜を実施します。
募集人員は、体育科を除き、学科の入学定員の10〜40%程度までの範囲で各学校が定めます。
総合選抜では、各高校が「求める生徒像」をもとに出願要件や出願書類を設定し、指定した2つ以上の選抜検査と提出書類を使って判断します。
出願要件には、学校によって次のような内容があります。
- 全教科の評定平均
- 特定教科の評定平均
- 英検などの資格
- 部活動や地域活動の実績
- 入学後に学びたい内容や活動への意欲
「推薦のようなもの」と大まかに捉えるのではなく、志望校の出願要件を一つずつ確認してください。
同じ評定平均でも、計算対象を3年間とする学校、中3を中心に見る学校など、記載方法が異なる場合があります。
学年別に何を優先するか
中学1年生
中1の評定も一般選抜に使われます。
ただし、入試を意識して難しい問題集へ進むより、定期テスト、提出物、授業内容の理解を安定させることが先です。
数学と英語のつまずきを残さず、9教科の提出期限を守る仕組みを作ります。
中学2年生
中2の評定も中1と同じ1倍です。
高校や学科を調べ、40:60、50:50、60:40のどれを採用しているかを見始めます。部活動や通学時間だけでなく、入試の評価方法も志望校選びの材料にしてください。
中学3年生の評定確定前
中3の評定は2倍されます。
定期テストだけでなく、実技4教科、提出物、授業への取り組みも軽く扱えません。同時に、総合選抜を検討する場合は、志望理由書や学校ごとの検査へ向けた準備も必要です。
評定確定後
ここからは、学力検査250点を伸ばします。
志望校が40:60なら、当日点の比重は大きくなります。60:40でも、学力検査が不要になるわけではありません。
過去問を解き、5教科のうち短期間で戻しやすい単元と、時間がかかる単元を分けてください。
島根県の高校受験で確認する順番
志望校を検討するときは、次の順番で数字を整理します。
- 中1・中2・中3の9教科評定を並べる
- 中3を2倍し、180点満点で学習の記録を計算する
- 過去問・模試を250点満点で記録する
- 志望校の個人調査報告書:学力検査の比率を見る
- 面接・実技の有無を確認する
- 総合選抜を使う場合は出願要件を確認する
内申点の数字だけ、模試の偏差値だけで判断しないでください。
学校ごとの比率まで見て初めて、どこへ時間を使うべきかが決まります。
学習計画を自分で組むのが難しい場合は、現在の評定と学力検査の見込み点を並べ、上げる教科を絞ります。
よくある質問
島根県の高校入試では中1の内申点も使いますか?
はい。現行の一般選抜では中1から中3までの9教科評定を使います。中3は2倍されるため、学年比率は1:1:2です。
内申点は何点満点ですか?
評定を換算する「学習の記録」は180点満点です。このほか、現行制度では特別活動の記録9点や、個人調査報告書の記載事項も選抜資料になります。
学力検査は何点満点ですか?
国語・社会・数学・理科・英語が各50点で、合計250点満点です。各教科の検査時間は50分です。
内申点と当日点はどちらが重いですか?
高校・学科によって異なります。令和9年度は、個人調査報告書:学力検査が60:40、50:50、40:60などに分かれています。志望学科の公式資料を確認してください。
一般選抜でも面接がありますか?
学校・学科によっては実施します。面接や実技を5点または10点で評点化する学校もあるため、県の別表と高校の募集要項を確認してください。
2027年度の一般選抜はいつですか?
学力検査は2027年3月3日、面接等は3月4日、追検査は3月9日、合格発表は3月12日の予定です。
参考資料