中2理科の露点から湿度を求める問題の解き方|飽和水蒸気量の表・冷却・水滴の量を例題で整理
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
中2理科の露点から湿度を求める問題の解き方|飽和水蒸気量の表・冷却・水滴の量を例題で整理
「露点が分かっているのに、水蒸気量が分からない」
「表のどの数字を、どの数字で割ればよい?」
「冷やした後も、最初の水蒸気量で計算してしまう」
露点から湿度を求める問題では、2つの温度の役割を分けることが大切です。
露点は水蒸気量を調べるために使い、現在の気温は湿度の分母を決めるために使います。
この記事では、飽和水蒸気量の表を使う計算に絞って説明します。計算は、中学校の問題でよく扱う、空気の体積を一定とみなし、外部との水蒸気の出入りを考えない条件で進めます。実際の問題に別の条件があれば、その指示を優先してください。
露点・水蒸気量・湿度を分けて整理する
| 用語 | 何を表すか | 主な単位 |
|---|---|---|
| 気温 | 現在の空気の温度 | ℃ |
| 露点 | 空気を冷やしたとき、凝結が始まる温度 | ℃ |
| 飽和水蒸気量 | その気温で空気1m³中に含むことのできる水蒸気の最大量 | g/m³ |
| 湿度 | 実際の水蒸気量が、その気温の飽和水蒸気量の何%か | % |
気象庁も、相対湿度を水蒸気量と飽和水蒸気量の比を百分率で表したものとして説明しています。
「露点10℃」は、水蒸気が10gあるという意味ではありません。温度を、水蒸気量へ読み替えるために表を使います。
例題で使う飽和水蒸気量の表
以下の値は、計算練習のために丸めた値です。学校の問題では、必ずその問題に示された表やグラフを使ってください。
| 気温 | 5℃ | 10℃ | 15℃ | 20℃ | 25℃ | 30℃ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 飽和水蒸気量 | 6.8 | 9.4 | 12.8 | 17.3 | 23.0 | 30.4 |
単位はg/m³です。
気温が上がると飽和水蒸気量は大きくなります。ただし、気温に比例して同じ割合で増えるわけではないため、表にない値を安易に比例計算しないでください。
例題1|気温25℃、露点15℃の空気の湿度
気温25℃、露点15℃の空気があります。この空気の湿度を求めます。
① 露点15℃の行・列を見る
露点では、冷やした空気が飽和した状態になります。表の15℃に対応する12.8g/m³が、もとの空気に含まれていた水蒸気量です。
② 現在の気温25℃の値を見る
現在の気温25℃の飽和水蒸気量は、23.0g/m³です。
③ 湿度の式へ入れる
湿度=12.8÷23.0×100=約55.7%
小数第1位を四捨五入して整数で答える指示なら、56%です。
分子は露点から読み取った量、分母は現在の気温の飽和水蒸気量です。
よくある間違い|露点の値どうしで割ってしまう
12.8÷12.8×100=100%という計算は、露点15℃まで冷やした時点の湿度を求めています。
最初の25℃の空気の湿度を求める答えにはなりません。
問題文の温度に、次の印をつけてみてください。
- 露点:水蒸気量を求める温度。
- 現在の気温:湿度を計算したい温度。
数字を代入する前に、何℃の状態について答えるのかを確認しましょう。
例題2|同じ空気を温めたら、湿度はどうなる?
例題1の空気を、水蒸気の出入りなく、体積一定とみなして30℃へ温めます。
水蒸気量は12.8g/m³のままです。一方、30℃の飽和水蒸気量は30.4g/m³なので、湿度は次のようになります。
12.8÷30.4×100=約42.1%
水蒸気を取り除かなくても、温度条件が変わることで湿度は下がります。
「湿度が下がったから、水蒸気の量も必ず減った」とは判断できません。
例題3|露点より低い10℃へ冷やすと、水滴は何gできる?
例題1の空気1m³を、体積一定とみなして10℃へ冷やします。
最初の水蒸気量は12.8g、10℃で水蒸気として残れる量は9.4gです。凝結が進んで落ち着いた状態を考えると、水滴になる量は次のとおりです。
12.8-9.4=3.4g
凝結後に残る気体の水蒸気は9.4gなので、10℃での湿度は100%になります。
12.8÷9.4×100と計算して、100%を超える値をそのまま答えにしないようにしましょう。
空気の体積が違うときは、最後に掛ける
同じ条件の空気が2m³なら、水滴の量は3.4×2=6.8gです。
表の値は1m³当たりの量です。「g/m³で求めた差」と「空気全体のg」を区別してください。
同じ湿度なら、水蒸気量も同じ?
同じとは限りません。
湿度50%の場合、この表では次のようになります。
- 20℃:17.3×0.5=8.65g/m³。
- 30℃:30.4×0.5=15.2g/m³。
割合が同じでも、もとにする飽和水蒸気量が違います。湿度の大小だけで水蒸気量を比較せず、気温も合わせて見てください。
まずは3問で、止まる場所を確認する
上の表を使って答えてください。
- 気温20℃、露点10℃の空気の湿度は、整数に四捨五入すると何%ですか。
- その空気1m³を、同じ条件で5℃へ冷やすと、水滴は何gできますか。
- 気温20℃、湿度60%の空気の水蒸気量は何g/m³ですか。
答えは、①54%、②2.6g、③10.38g/m³です。
①は9.4÷17.3×100、②は9.4-6.8、③は17.3×0.6です。問題ごとに、割り算・引き算・掛け算の目的が違うことを説明してみましょう。
よくある質問
気温が下がると、すぐに水滴ができますか?
この基本モデルでは、露点に達するまでは水滴はできず、水蒸気量は変わりません。露点に達して、さらに冷やすと凝結する量を考えます。
グラフしかない問題は、どう読みますか?
まず露点の温度から飽和水蒸気量を読み、その値を分子に使います。次に、現在の気温の飽和水蒸気量を読みます。縦軸・横軸の単位も確認してください。
表の数字を全部覚える必要がありますか?
学習や試験の指示によりますが、最初に身につけたいのは表の使い方です。問題に表がある場合は、その値を使い、覚えた別の値へ置き換えないでください。
理科の計算で、使う数字を選べないときは
公式を覚えていても、分子と分母を選べなければ正答につながりません。露点・現在の気温・冷却後の温度を、役割ごとに書き分けてみましょう。
マスネットは、完全1対1のオンライン個別指導塾です。相談時には、問題文・表・途中式をそろえ、「どの数字を使うかで迷う」「割合の計算で止まる」など、困っている点をお知らせください。