中1理科の密度・質量パーセント濃度・溶解度が分からないときの解き方|3つの計算の公式と、よくある間違いの直し方
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
理科のテストで、計算問題だけが解けない。密度、質量パーセント濃度、溶解度。公式は覚えたはずなのに、問題になると何をどれで割ればいいのか分からなくなる。理科は暗記でなんとかなると思っていたのに、計算問題で大きく点を落としている。
結論からお伝えします。中学1年生の理科の計算のつまずきは、「密度の単位を見ずに式を立てる」「質量パーセント濃度で、溶液ではなく水の質量で割る」「溶解度が『水100gあたり』であることを忘れる」の3つに集中しています。それぞれの公式を単位と言葉の意味から覚え直すと、問題の形が変わっても解けるようになります。
この記事は、オンライン学習塾マスネットが運営しています。保護者様も一緒に確認できるように、問題と答えを載せています。
3つの計算は、どの単元で学ぶか
密度、質量パーセント濃度、溶解度は、多くの教科書で、中学1年生の「身のまわりの物質」の単元で学びます。
| 計算 | 何を求めるか | 公式 |
|---|---|---|
| 密度 | 1cm³あたりの質量 | 密度(g/cm³)= 質量(g)÷ 体積(cm³) |
| 質量パーセント濃度 | 溶液全体のうち、溶けている物質の割合 | 質量パーセント濃度(%)= 溶質の質量(g)÷ 溶液の質量(g)× 100 |
| 溶解度 | 水100gに溶ける物質の最大の質量 | 水100gあたりの量で考える(比で計算する) |
理科の計算問題は、高校入試でも出題されます。暗記の問題より配点が大きいことも多く、計算ができるかどうかで、理科の点数は大きく変わります。
どこでつまずいているかが分かる確認問題
次の6問を、何も見ずに解いてみてください。
問1(密度)
質量が54g、体積が20cm³の金属の密度を求めなさい。
問2(密度から質量)
密度が7.9g/cm³の鉄があります。体積が10cm³のとき、質量は何gですか。
問3(質量パーセント濃度)
水90gに食塩10gを溶かしました。この食塩水の質量パーセント濃度を求めなさい。
問4(濃度から溶質の質量)
質量パーセント濃度15%の食塩水200gには、何gの食塩が溶けていますか。
問5(溶解度と再結晶)
硝酸カリウムは、水100gに60℃で109g、20℃で32gまで溶けます。60℃の水100gに硝酸カリウムを溶けるだけ溶かし、20℃まで冷やしました。出てくる結晶は何gですか。
問6(水の量が100gでないとき)
問5と同じことを、60℃の水200gで行いました。出てくる結晶は何gですか。
答えと解き方
| 問題 | 答え | 解き方 |
|---|---|---|
| 問1 | 2.7g/cm³ | 54 ÷ 20 = 2.7 |
| 問2 | 79g | 質量 = 密度 × 体積。7.9 × 10 = 79 |
| 問3 | 10% | 溶液の質量は 90 + 10 = 100g。10 ÷ 100 × 100 = 10 |
| 問4 | 30g | 200 × 15 ÷ 100 = 30 |
| 問5 | 77g | 溶ける量の差。109 - 32 = 77 |
| 問6 | 154g | 水が2倍なので、溶ける量も2倍。77 × 2 = 154 |
間違えた問題から、つまずいている場所が分かる
| 間違えた問題 | つまずいている場所 | 戻るところ |
|---|---|---|
| 問1、問2 | 何を何で割るかが分からない | 密度の単位(g/cm³)の意味 |
| 問3 | 水の質量で割っている | 溶質・溶媒・溶液の違い |
| 問4 | 割合の計算 | 小学5年生の割合(もとにする量 × 割合 = 比べる量) |
| 問5 | 溶解度の意味 | 溶解度は「水100gに溶ける最大の量」 |
| 問6 | 水の量が変わったときの計算 | 比の計算(水の量が○倍なら、溶ける量も○倍) |
問4で間違えた場合は、理科ではなく算数の割合に原因があります。割合が分からないまま理科の計算を練習しても、解けるようにはなりません。
→ 小学5年生の割合・速さが分からないときの教え方|「もとにする量」を見つける手順と、公式に頼らない考え方
3つのつまずきの直し方
つまずき1:密度で、何を何で割るか分からなくなる
密度の公式は、単位を見れば思い出せます。 密度の単位は g/cm³ です。「/」は「割る」という意味なので、g(質量)÷ cm³(体積)です。
| 求めるもの | 式 |
|---|---|
| 密度 | 質量 ÷ 体積 |
| 質量 | 密度 × 体積 |
| 体積 | 質量 ÷ 密度 |
もう一つ覚えておきたいのは、密度は物質によって決まっているということです。同じ物質なら、大きさが変わっても密度は変わりません。この性質を使って、密度から物質を見分ける問題もよく出ます。
また、水の密度は約1g/cm³です。水より密度が小さい物質は水に浮き、大きい物質は沈みます。
つまずき2:質量パーセント濃度で、水の質量で割ってしまう
問3で最も多い間違いが、10 ÷ 90 × 100 と、水の質量で割る間違いです。
| 言葉 | 意味 | 問3では |
|---|---|---|
| 溶質 | 溶けている物質 | 食塩 10g |
| 溶媒 | 溶かしている液体 | 水 90g |
| 溶液 | 溶質と溶媒を合わせた全体 | 食塩水 100g |
質量パーセント濃度は、溶液全体(食塩水)のうち、溶質(食塩)がどれだけの割合かです。割るのは、水ではなく食塩水全体の質量です。
溶液の質量は、溶質の質量 + 溶媒の質量 で求めます。問題文に水の質量しか書かれていないときは、まず溶液の質量を計算してください。
水を加える問題にも注意してください。 10%の食塩水100gに水を100g加えると、食塩は10gのまま、食塩水は200gになるため、濃度は 10 ÷ 200 × 100 = 5% です。
つまずき3:溶解度が「水100gあたり」であることを忘れる
溶解度は、水100gに溶ける物質の最大の質量です。問6のように水の量が100gでないときは、100gのときの量を何倍にするかを考えます。
| 水の量 | 60℃で溶ける量 | 20℃で溶ける量 | 冷やしたときに出てくる結晶 |
|---|---|---|---|
| 100g | 109g | 32g | 77g |
| 200g | 218g | 64g | 154g |
| 50g | 54.5g | 16g | 38.5g |
水溶液を冷やすと、溶けきれなくなった分が結晶として出てきます(再結晶)。出てくる量は、高い温度で溶けていた量と、低い温度で溶ける量の差です。
溶解度曲線のグラフを読む問題では、グラフの縦軸が「水100gに溶ける質量」であることを、最初に確認してください。
理科の計算が苦手な子に多いこと
| 状態 | 直し方 |
|---|---|
| 公式を丸暗記していて、問題の形が変わると解けない | 単位と言葉の意味から、公式を説明できるようにする |
| 問題文の数字を、そのまま式に入れている | 問題文の数字が、質量・体積・溶質・溶媒のどれなのかを書き出してから式を立てる |
| 小数や割合の計算でミスをする | 算数の計算に戻って練習する |
理科の計算問題は、問題文の数字に名前をつけるだけで、正答率が大きく変わります。「54g は質量」「20cm³ は体積」と書いてから式を立てる習慣をつけてください。
理科・社会の暗記の進め方は、別の記事にまとめています。
保護者様が一緒に確認するときのコツ
「この数字は何?」と聞いてください。 問題文の数字が、質量なのか体積なのか、溶質なのか溶液なのかを言えれば、式は立てられます。
単位を書いているかを見てください。 答えに単位(g/cm³、%、g)が書けていない場合は、何を求めているかを意識できていないサインです。
割合の計算でつまずいていないかを見てください。 問4のような問題で手が止まる場合は、小学校の割合に戻ることが近道です。
現場で見えたこと
理科の計算問題でつまずいている生徒さんの答案を見ると、多くの場合、理科の知識ではなく、式の立て方でつまずいています。
最も多いのは、質量パーセント濃度で水の質量で割る間違いです。公式の「溶液」という言葉を、「水」と同じ意味だと思い込んでいるのです。溶質・溶媒・溶液の3つの言葉を表に書いて整理すると、多くの生徒さんがすぐに正しい式を立てられるようになります。
もう一つは、割合の計算そのものです。「15%の食塩水200g」から食塩の質量を出せない生徒さんは、小学5年生の割合の内容があいまいなままになっていることがあります。理科の計算が苦手な原因が、算数にあることは少なくありません。
よくある質問
Q. 密度の求め方を教えてください。
密度(g/cm³)= 質量(g)÷ 体積(cm³)です。単位の g/cm³ の「/」が割り算を表していると覚えると、忘れにくくなります。
Q. 質量パーセント濃度の求め方を教えてください。
質量パーセント濃度(%)= 溶質の質量 ÷ 溶液の質量 × 100 です。溶液の質量は、溶質と溶媒(水)を合わせた質量です。水の質量だけで割らないように注意してください。
Q. 溶解度とは何ですか。
水100gに溶ける物質の最大の質量です。物質の種類と水の温度によって変わります。
Q. 再結晶で出てくる結晶の質量は、どう求めますか。
高い温度で溶けていた量から、低い温度で溶ける量を引きます。水の量が100gでないときは、100gのときの量を水の量に合わせて何倍かにしてから計算します。
Q. 物体が水に浮くか沈むかは、どう判断しますか。
物体の密度が水の密度(約1g/cm³)より小さければ浮き、大きければ沈みます。
Q. 理科の計算問題が苦手です。何から始めればいいですか。
問題文の数字が何を表しているかを書き出すことから始めてください。割合の計算でつまずいている場合は、小学校の割合に戻って練習すると、理科の計算も解けるようになります。
次に読んでいただきたい記事
中学2年生で、塾をいつから始めるか迷っている場合はこちらをご覧ください。
→ 中学2年生の塾はいつから?中2の冬が高校受験の準備のスタートになる理由と、始める前に確認すること
理科の計算でつまずいている方へ
理科の計算のつまずきは、多くの場合、単位の意味、溶液と水の取り違え、水100gあたりという前提の3つにあります。算数の割合に原因があることも少なくありません。どこで止まっているかが分かれば、次のテストまでに立て直せます。
マスネットでは、2つの入口をご用意しています。
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