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内申点と偏差値の違い|高校受験ではどちらが大事?

公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生

「偏差値は足りているのに、内申点が低い」「通知表は良いのに、模試ではC判定だった」。高校受験では、内申点と偏差値の両方が話題になるため、どちらを信じればよいのか分からなくなることがあります。

内申点は中学校での学習状況をもとにした入試資料、偏差値は同じテストを受けた集団の中での位置を示す数値です。公立高校入試で直接使われるのは内申点や調査書であり、偏差値そのものを高校へ提出するわけではありません。

ただし、偏差値は志望校との距離や当日点の見込みを知るために役立ちます。この記事では、2つの違いと、成績の組み合わせ別に何を優先するかを解説します。


内申点と偏差値の違いを一覧で確認

項目内申点偏差値
何を表すか学校での各教科の評定テスト受験者の中での位置
主な材料定期テスト、授業、提出物、実技など模試・実力テストの得点分布
評価する人中学校の教員模試会社などが計算
対象教科原則9教科3教科・5教科、教科別など
高校入試での扱い調査書として直接使われることがある公式な提出資料ではない
変わる頻度学期・学年ごと模試を受けるたび
主な用途入試制度上の評価、学校生活の記録現在地、志望校判定、弱点把握

「内申点=普段」「偏差値=本番の学力」と考えると大枠はつかめます。ただし、どちらも一つの数字だけで生徒さんの力をすべて表すものではありません。

内申点とは何か

内申点は、通知表の評定を、都道府県の入試制度に沿って点数化したものです。

評定は定期テストだけで決まりません。各教科で、次の3観点をもとに評価されます。

  • 知識・技能
  • 思考・判断・表現
  • 主体的に学習に取り組む態度

そのため、テストが同じ80点でも、授業内の課題、提出物、実技、発表などによって評定が異なることがあります。

さらに、入試での換算方法は都道府県ごとに違います。

  • 中3の評定だけを使う
  • 中1から中3までを使う
  • 中3を2倍する
  • 実技4教科を重くする
  • 学校ごとに学力検査との比率が違う

自分の通知表を見ただけでは、入試用の内申点が何点になるか分からない場合があります。必ず受験する都道府県の計算方法を確認してください。

→ 内申書とは何か|内申点との違いと、実際に何が書かれているか

偏差値とは何か

偏差値は、同じテストを受けた人の中で、自分の得点がどの位置にあるかを表します。平均点と同じなら、おおむね偏差値50です。

偏差値=50+10×(自分の得点−平均点)÷標準偏差

同じ80点でも、平均点が55点の難しい模試と、平均点が75点の易しい模試では偏差値が変わります。

また、受験者層が違う模試の偏差値は、そのまま比較できません。地域の多くの中学生が受ける模試と、難関校志望者が中心の模試では、同じ学力でも数値が異なることがあります。

→ 中学生の偏差値とは?50・60の意味と志望校判定の正しい見方

高校受験ではどちらが大事?

答えは、志望校の選抜方法によるです。

公立高校では、学力検査と調査書を組み合わせる地域が多く、内申点が合否へ直接関わります。一方、私立高校の一般入試では当日点を重視する学校もあれば、推薦基準で評定を重く見る学校もあります。

確認する順番は次の通りです。

  1. 志望校の選抜区分を確認する
  2. 学力検査と調査書の配点・比率を見る
  3. 面接・作文・実技・学校独自検査の有無を見る
  4. 自分の内申点を入試方式で換算する
  5. 同じ模試の志望校判定で当日点の見込みを見る

「偏差値が高いから内申点は不要」「内申点が高いから模試は受けなくてよい」とは言えません。

偏差値は足りるが内申点が低い場合

模試では合格圏でも、内申点が志望者層より低いケースです。

まず、志望校の学力検査と調査書の比率を確認します。当日点重視なら学力を生かしやすい一方、調査書重視なら志望校の組み合わせを慎重に考える必要があります。

同時に、内申点を「もう変わらない」と諦めないでください。中3の評定が強く反映される地域なら、次の定期テスト、提出物、実技教科の取り組みで改善できる余地があります。

具体的には、教科担当の先生へ「評定を上げるには何が不足していますか」と聞きます。「もっと頑張る」ではなく、未提出、再提出、発表、単元テストなど、行動に変えられる材料を確認しましょう。

→ 内申点を上げる方法|定期テスト以外で見直したいこと

内申点は高いが偏差値が低い場合

学校の定期テストや提出物には対応できていても、広い範囲から出る模試で点が取れていない状態です。

よくある原因は次の通りです。

  • 前学年の内容を忘れている
  • 初めて見る形式で手が止まる
  • 時間配分ができていない
  • 学校ごとの定期テスト対策に偏っている
  • 記述問題や複数単元を使う問題が苦手

この場合、次の定期テスト対策だけを続けても偏差値は上がりにくくなります。模試の答案を単元別に分け、正答率の高い基礎問題から取り戻します。

たとえば数学なら、難しい関数の最終問題より、計算・方程式・確率の基本問題で落とした点を先に戻します。

内申点も偏差値も低い場合

やることが多く見えますが、同時に全部を直そうとしないことが大切です。

優先順位は、次のように決めます。

  1. 提出期限が近い学校課題を終える
  2. 次の定期テスト範囲の基礎を固める
  3. 英語・数学の前学年の穴を一つ戻る
  4. 理科・社会は得点になりやすい単元から覚える
  5. 週末に模試・実力テスト形式を解く

学校の勉強と受験勉強を完全に別にすると、時間が足りません。中3の新出単元を確実に理解しながら、週に2〜3回、短時間の戻り学習を入れます。

内申点も偏差値も高い場合

順調なときほど、数字だけを追いかけないようにします。

内申点を守るために安全な問題ばかり解いていると、入試の思考問題へ対応できません。反対に、難問ばかり解いて学校の提出物を落とすのも避けたいところです。

志望校の過去問を使い、合格者平均を超えるために必要な教科と、失点してもよい問題を分けます。模試は同じ会社のものを継続して受け、判定より答案の変化を見てください。

内申点と偏差値がずれるのは珍しくない

2つは測っているものが違うため、数字がずれるのは自然です。

定期テストの範囲は狭い

定期テストは数週間分が中心です。授業、学校ワーク、プリントを繰り返せば得点しやすい一方、模試は中1からの内容が混ざります。

評定には9教科が入る

偏差値は5教科で見ることが多いですが、内申点は実技4教科を含む9教科です。体育、美術、音楽、技術・家庭の評価が全体を左右する地域もあります。

模試には受験者層がある

模試の受験者がどの地域、どの学力層に多いかで偏差値は変わります。別会社の偏差値を混ぜると、伸びたのか下がったのか判断しにくくなります。

保護者様が成績表を見るときの順番

結果を見た直後に「この偏差値では無理」「内申が足りない」と結論を出すと、生徒さんは次の行動を決められません。

次の順番で確認します。

  1. 前回から上がった・維持できた項目
  2. 取れるはずだったのに落とした問題
  3. 知識不足か、時間不足か、読み違いか
  4. 次の2週間で直す単元を一つ
  5. 志望校の制度上、どちらの数字をどの程度上げたいか

声かけは、「偏差値が3下がった」より「英語の文法であと8点取れそうだね」のほうが具体的です。

よくある質問

偏差値がいくつなら内申点を補えますか?

一律の数値はありません。都道府県、学校、選抜区分ごとに学力検査と調査書の扱いが違うためです。志望校の配点に換算して考えてください。

学校の実力テストの偏差値と模試は同じですか?

受験者集団が違うため、同じとは限りません。推移を見るなら同じテスト・同じ模試会社で比較します。

内申点は先生の主観で決まりますか?

各教科の評価規準に基づき、複数の材料で評定されます。納得できない点がある場合は、感情的に交渉するのではなく、どの観点が不足しているかを具体的に確認してください。

私立高校でも内申点は必要ですか?

学校と入試方式によります。推薦・専願で基準を設ける学校もあれば、一般入試の当日点を中心に見る学校もあります。最新の募集要項と中学校の進路指導で確認しましょう。

まとめ|2つの数字を同じ物差しにしない

内申点と偏差値は、役割が異なります。

  • 内申点は、学校での9教科の学習状況を入試制度に沿って使う資料
  • 偏差値は、同じテストを受けた集団での位置
  • 公立高校入試では、内申点が直接使われることが多い
  • 偏差値は、志望校までの距離と学力課題を知るために使う
  • どちらを重く見るかは、志望校の選抜方法で決める

数字がずれていても、どちらかが間違っているわけではありません。志望校の配点へ当てはめ、次の定期テストで動かす数字と、次の模試で確かめる学力を分けましょう。

オンライン学習塾マスネットでは、学校の評定対策と受験学力の両方を、生徒さんの状況に合わせて整理します。

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