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内申書とは何か|内申点との違いと、実際に何が書かれているか

公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生

内申点という言葉は聞くけれど、内申書となると急に実体が分からなくなります。中身を見たことがある人はほとんどいないので、余計に不安になります。

結論から言うと、内申書とは中学校が作成して高校に提出する「調査書」の正式な通称で、内申点はその中に記載される評定を点数化したものです。つまり内申書が書類全体、内申点はその一部です。

オンライン学習塾マスネットでは、定期テストと内申の両面から中学生の受験対策を担当しています。この記事では、内申書に何が書かれ、どこまでが合否に影響するのかを整理します。


内申書と内申点は何が違うか

混同されやすい2つの言葉を、先に整理します。

内申書は、中学校が作成して志望校に提出する書類そのものです。正式には「調査書」と呼ばれます。生徒の学習状況や学校生活の記録がまとめられています。

内申点は、その内申書に記載された9教科の評定を、都道府県ごとの計算式で点数化したものです。

つまり内申書という書類の中に、内申点のもとになる評定が載っている、という関係です。「内申書が悪い」という表現は、多くの場合「評定が低い」ことを指しています。


内申書に書かれている内容

内申書の様式は都道府県によって異なりますが、おおむね次の項目で構成されています。

1. 各教科の学習の記録

最も重要な項目です。9教科それぞれの5段階評定が記載されます。

多くの都道府県では、これに加えて「観点別学習状況」も記載されます。各教科を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点でA・B・Cの3段階評価したものです。

評定はこの観点別評価をもとに決まるため、テストの点数だけで決まるわけではありません。

2. 総合的な学習の時間の記録

探究活動などで、どのようなテーマに取り組み、何を学んだかが記載されます。

3. 特別活動の記録

学級活動、生徒会活動、学校行事への取り組みが記載されます。委員会や生徒会役員、部活動の役職などが該当します。

4. 行動の記録

「基本的な生活習慣」「思いやり・協力」「責任感」といった項目について、該当する場合に丸がつく形式が一般的です。

5. 出欠の記録

欠席日数と、その理由が記載されます。

6. その他

英検などの資格、校外での活動、表彰歴などが記載される欄がある場合があります。


どこまでが合否に影響するのか

すべての項目が同じ重みを持つわけではありません。影響の大きさには明確な差があります。

最も影響が大きいのは学習の記録(評定)です。多くの都道府県で、この評定を点数化した内申点が学力検査の得点と合算されます。内申書の中で唯一、明確に点数化される項目です。

次に影響するのが出欠の記録です。極端に欠席が多い場合、面接や書類選考で理由を確認されることがあります。ただし、病気や事情による欠席が直ちに不合格につながるわけではありません。自己申告書などで事情を説明できる制度を設けている地域もあります。

特別活動や行動の記録は、加点材料として扱われる場合があります。都道府県によっては、これらを点数化して加算する仕組みがあります。ただし配点は評定より小さいのが一般的です。

部活動や資格は、あれば有利になる程度と考えてください。これらが無いことで大きく不利になることは、通常ありません。

つまり、内申書対策の中心は評定です。ここに時間を使うのが最も効率的です。


よくある誤解

「一度の失敗が内申書に残る」という不安をよく聞きます。しかし内申書は、生徒を評価して次の学校に引き継ぐための書類であり、失敗を記録するためのものではありません。過度に恐れる必要はありません。

「内申書は見られない」という誤解もあります。多くの都道府県では、開示請求すれば本人や保護者が内容を確認できます。制度は自治体によって異なるため、気になる場合は中学校に確認してください。

「先生に嫌われると内申が下がる」という不安もよく聞きます。評定は観点別評価という基準に沿ってつけられ、その根拠となる資料(テスト、提出物、記録)が必要です。感情だけで決まるものではありません。


内申書対策として実際にやるべきこと

対策の優先順位は明確です。

1つ目は定期テストの点数です。評定の中心的な材料であり、最も点数に直結します。

2つ目は提出物です。「主体的に学習に取り組む態度」の主要な評価材料になります。期限内に、空欄を作らず、間違いに直しを入れて出すことが基本です。

3つ目は授業への取り組みです。発言、傾聴、グループ活動への参加など。学力に関係なく、今日から変えられる部分です。

4つ目は実技4教科です。内申点は9教科が対象で、実技教科に高い倍率をかける都道府県もあります。対策している生徒が少ないため、差をつけやすい領域です。


現場で見えた「内申が動く生徒」の特徴

ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。

内申の相談で最も多いのが「テストの点は悪くないのに評定が上がらない」というケースです。この状態の生徒を見ていくと、原因はほぼ提出物にあります。

マスネットでは宿題システム上で提出状況を記録しているのですが、評定が上がらない生徒の提出履歴には共通のパターンがあります。締切日の夜にまとめて提出しているのです。

これは学校のワークでも同じことが起きています。まとめてやると空欄が増え、答えを写す割合も上がります。結果として、提出はしているのに「取り組んだ跡」が残らない状態になります。

逆に、評定が上がった生徒が変えたのは3点だけでした。期限より1日早く出す。空欄をゼロにする。間違えた問題に赤で直しを入れる。テストの点数が変わっていないのに評定が上がった生徒が複数います。実際に、テストは平均点前後でありながら内申オール5を獲得した生徒もいます。

もう一つ、指導していて感じるのは、実技4教科の対策をしている生徒がほとんどいないことです。福岡・鹿児島の生徒を見ていても、主要5教科に時間を使い、実技はテスト前日に少し見る程度という子が大半です。

しかし内申点の計算では、実技教科に高い倍率をかける地域があります。鹿児島県のように実技が内申点の大部分を占める制度もあります。テスト1週間前に配布プリントを暗記するだけで評定が動く余地が、多くの生徒に残っています。

内申書という書類そのものに対してできることはありません。できるのは、そこに書かれる評定を1つずつ上げることだけです。そしてその方法は、テストの点数以外にも残っています。


よくある質問

Q. 内申書と内申点は同じものですか?
違います。内申書は中学校が高校に提出する書類(調査書)全体を指し、内申点はその中の評定を点数化したものです。内申書の一部が内申点だと考えてください。

Q. 内申書に何が書かれているか確認できますか?
多くの都道府県で開示請求により確認できます。制度は自治体によって異なるため、中学校に問い合わせてください。

Q. 欠席が多いと不合格になりますか?
欠席日数だけで不合格が決まるわけではありません。理由を説明できる制度を設けている地域もあります。志望校の選び方によって影響を小さくすることも可能です。

Q. 部活動をしていないと不利ですか?
通常、大きく不利になることはありません。合否への影響が最も大きいのは評定です。

Q. 内申書で最も重要な項目は何ですか?
学習の記録、つまり9教科の評定です。唯一明確に点数化される項目であり、対策の効果も最も大きくなります。

Q. 先生との関係が悪いと評定は下がりますか?
評定は観点別評価の基準に沿ってつけられ、根拠資料が必要です。感情だけで決まるものではありません。気になる場合は、提出物や授業での取り組みという客観的な材料を積み上げることが対策になります。


内申を上げる具体策を相談したい方へ

内申書の中身を知っても、変えられるのは評定だけです。マスネットの中学生コースでは、定期テストの点数対策に加えて、提出物の出し方や実技教科の対策まで含めて、9教科の評定全体を設計しています。

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不登校からの高校受験の全体像は、次のガイドにまとめています。

→ 不登校の子の高校受験ガイドを読む

内申点の計算方法は次のガイドにまとめています。

→ 内申点計算ツールを見る


※内申書(調査書)の様式・記載項目・開示制度は、都道府県および年度により異なります。詳細は在籍する中学校または各都道府県教育委員会にご確認ください。

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