中1の方程式の文章題が解けないときの解き方|式を立てる4つの手順と、よく出る5つの型
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
2学期の中間テストで、方程式の計算はできたのに、文章題がほとんど解けなかった。何を x にすればいいのか分からない、式が立てられないと言う。どう教えればいいのか分からない。
結論からお伝えします。方程式の文章題が解けない原因の多くは、計算力ではなく「式を立てる手順」を知らないことです。①求めるものを x とおく、②ほかの量を x で表す、③等しい関係を見つけて式にする、④解いて答えを確かめる。この4つの手順と、定期テストによく出る5つの型を覚えれば、文章題は解けるようになります。
この記事は、オンライン学習塾マスネットが運営しています。保護者様が一緒に確認できるように、例題と解き方を載せています。
まず、方程式の計算ができるかを確認する
文章題に入る前に、方程式の計算ができているかを確かめてください。式が立てられても、解けなければ点になりません。
確認1 3x − 5 = 2x + 4
確認2 2(x − 3) = x + 1
確認3 x/3 + 1 = x/2
| 問題 | 答え | ポイント |
|---|---|---|
| 確認1 | x = 9 | x を左辺に、数を右辺に移項する。移項すると符号が変わる |
| 確認2 | x = 7 | かっこを外すと 2x − 6 = x + 1 |
| 確認3 | x = 6 | 両辺に 6 をかけて分母をはらうと 2x + 6 = 3x |
3問のうち1問でも間違えた場合は、文章題より先に計算に戻ってください。 特に移項の符号と、分数の分母をはらう手順でつまずく生徒さんが多くいます。
文章題の式を立てる4つの手順
| 手順 | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1. x を決める | 問題が聞いているものを x とおく | 何を x にするか迷って止まる |
| 2. ほかの量を x で表す | 「残りは 10 − x 個」「代金は 120x 円」のように書く | 文字を使った式に慣れていない |
| 3. 等しい関係を見つける | 「合計が」「同じになる」「〜より〜多い」から、イコールでつなぐ | どこがイコールになるか分からない |
| 4. 解いて確かめる | 答えを問題の文に戻して、合っているか確認する | 単位や、聞かれているものを答え忘れる |
手順1で迷ったら、「問題が最後に聞いているもの」を x にしてください。 ほとんどの問題は、これで解けます。
定期テストによく出る5つの型
型1:代金・個数
例題 1個120円のりんごと1個80円のみかんを、合わせて10個買ったら、代金は1000円でした。りんごは何個買いましたか。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| x を決める | りんごを x 個とする |
| ほかの量を表す | みかんは (10 − x) 個。代金はりんご 120x 円、みかん 80(10 − x) 円 |
| 等しい関係 | 代金の合計が1000円 |
| 式 | 120x + 80(10 − x) = 1000 |
| 解く | 120x + 800 − 80x = 1000 より 40x = 200、x = 5 |
| 答え | りんご5個(みかん5個。120 × 5 + 80 × 5 = 1000 で確かめられる) |
型2:過不足(配る問題)
例題 子どもに鉛筆を配ります。1人に3本ずつ配ると8本余り、1人に5本ずつ配ると4本足りません。子どもの人数と鉛筆の本数を求めなさい。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| x を決める | 子どもを x 人とする |
| ほかの量を表す | 3本ずつなら鉛筆は 3x + 8 本。5本ずつなら 5x − 4 本 |
| 等しい関係 | 鉛筆の本数は、どちらの配り方でも同じ |
| 式 | 3x + 8 = 5x − 4 |
| 解く | 12 = 2x、x = 6 |
| 答え | 子ども6人、鉛筆26本(3 × 6 + 8 = 26) |
この型は、鉛筆の本数も聞かれていることを忘れやすい問題です。x を求めて終わりにしないでください。
型3:速さ
例題 家から駅まで、分速60mで歩くと、分速80mで歩くより5分多くかかります。家から駅までの道のりを求めなさい。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| x を決める | 道のりを x m とする |
| ほかの量を表す | 分速60mでかかる時間は x/60 分、分速80mなら x/80 分 |
| 等しい関係 | 時間の差が5分 |
| 式 | x/60 − x/80 = 5 |
| 解く | 両辺に240をかけて 4x − 3x = 1200、x = 1200 |
| 答え | 1200m(1200 ÷ 60 = 20分、1200 ÷ 80 = 15分で、差は5分) |
速さの問題は、「道のり = 速さ × 時間」「時間 = 道のり ÷ 速さ」の関係を使います。単位(分と時間、mとkm)がそろっているかを最初に確認してください。
型4:年齢
例題 現在、父は40歳、子は10歳です。父の年齢が子の年齢の3倍になるのは何年後ですか。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| x を決める | x 年後とする |
| ほかの量を表す | x 年後の父は (40 + x) 歳、子は (10 + x) 歳 |
| 等しい関係 | 父の年齢が、子の年齢の3倍 |
| 式 | 40 + x = 3(10 + x) |
| 解く | 40 + x = 30 + 3x より 10 = 2x、x = 5 |
| 答え | 5年後(父45歳、子15歳で3倍) |
型5:割合
例題 ある商品を定価の2割引きで買ったら、代金は960円でした。定価はいくらですか。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| x を決める | 定価を x 円とする |
| ほかの量を表す | 2割引きの値段は 0.8x 円(定価の8割) |
| 等しい関係 | 2割引きの値段が960円 |
| 式 | 0.8x = 960 |
| 解く | x = 1200 |
| 答え | 1200円(1200 × 0.8 = 960) |
割合の問題でつまずく場合は、小学校の「割合」の理解に戻る必要があることがあります。「2割引き=もとの8割」が言葉で説明できるかを確認してください。
等しい関係を見つける言葉
文章の中のどの言葉がイコールになるかが分かると、式が立てやすくなります。
| 問題文の言葉 | 式にすると |
|---|---|
| 合わせて〜、合計が〜 | 和 = 合計 |
| 〜と同じ、〜と等しい | 左 = 右 |
| 〜より〜多い | 大きい方 = 小さい方 + 差 |
| 〜の〜倍 | 大きい方 = 小さい方 × 倍数 |
| 余る、足りない | 配った数 + 余り = 全体、配った数 − 不足 = 全体 |
よくある3つの間違い
聞かれているものを答えていない。 過不足の問題で、人数だけ求めて鉛筆の本数を答え忘れる。最後に問題文を読み直してください。
単位がそろっていない。 速さの問題で、分速と時間、mとkmが混ざったまま式を立てる。式を立てる前に単位をそろえてください。
答えを確かめていない。 人数が小数になった、値段がマイナスになった。問題に合わない答えは、式か計算が間違っています。必ず問題文に戻して確かめてください。
期末テスト、そしてその先へ
多くの中学校では、2学期の期末テストの範囲は、方程式の続きと「比例と反比例」です。
比例と反比例は、中学2年生の一次関数の土台になる単元です。 方程式の計算と、文字を使って量を表す力は、比例・反比例でもそのまま使います。ここで文章題の手順を身につけておくと、中学2年生の一次関数や連立方程式の文章題で困りません。
→ 中2の一次関数が分からないときの立て直し方|つまずく5つの場所と、中1の比例まで戻る手順
保護者様が一緒に確認するときのコツ
答えより、手順1と手順2を見てください。 「何を x にした?」「残りはどう表した?」と聞くだけで、どこでつまずいているかが分かります。
図や表を書かせてください。 速さの問題なら線分図、代金の問題なら表を書くと、等しい関係が見えやすくなります。
同じ型を続けて解かせてください。 型1を3問、型2を3問というように、同じ型を続けると手順が身につきます。
現場で見えたこと
方程式の文章題が解けない生徒さんに、何を x にしたかを聞くと、多くの場合「分からないから、とりあえず数字を足したり引いたりしていた」という答えが返ってきます。
小学校の算数では、式を立てずに答えを出す解き方でも点が取れました。中学校の方程式は、その逆です。答えが分からないものを x とおいて、先に式を立てる。この考え方の切り替えができていないことが、文章題でつまずく一番の原因です。
そして、手順1と2を毎回書くように決めた生徒さんは、数週間で文章題の正答率が大きく変わることが多くあります。解き方を覚えたというより、止まっていた場所で、次に何をすればいいかが分かるようになったからです。
よくある質問
Q. 方程式の文章題で、何を x にすればいいですか。
問題が最後に聞いているものを x にしてください。ほとんどの問題は、これで式を立てられます。
Q. 文章題の式が立てられません。
4つの手順で進めてください。x を決める、ほかの量を x で表す、等しい関係を見つける、解いて確かめる。特に手順2で「残りは 10 − x 個」のように書き出すと、等しい関係が見えやすくなります。
Q. 速さの文章題が苦手です。
「道のり = 速さ × 時間」の関係と、単位をそろえることが基本です。線分図を書くと、時間や道のりの差が見えやすくなります。
Q. 過不足の問題はどう解きますか。
配る相手の人数を x とおき、配り方ごとに全体の数を x で表します。全体の数はどちらの配り方でも同じなので、その2つをイコールでつなぎます。
Q. 方程式の計算はできるのに、文章題だけできません。
計算ではなく、式を立てる手順でつまずいています。この記事の5つの型を、型ごとに続けて解いて手順を身につけてください。
Q. 文章題ができないまま中学2年生になると困りますか。
中学2年生の連立方程式と一次関数でも、文章題は大きな割合を占めます。式を立てる手順は、中学1年生のうちに身につけておくことをおすすめします。
次に読んでいただきたい記事
中間テストの結果を見て、塾を始めるかどうか迷っている場合はこちらをご覧ください。
→ 中間テストが悪かった今、塾を始めるべき?期末テストに間に合う条件と、始めるまでの最短スケジュール
中学1年生の定期テスト全般については、こちらにまとめています。
方程式の文章題でつまずいている方へ
文章題のつまずきは、多くの場合、式を立てる手順か、その前の計算にあります。どちらでつまずいているかが分かれば、立て直しは早く進みます。
マスネットでは、2つの入口をご用意しています。
答案を見て、どこでつまずいているかをお伝えします。
中間テストの答案を写真で送っていただければ、計算と式の立て方のどちらでつまずいているか、どこまで戻ればいいかをお伝えします。入塾の勧誘はいたしません。
式を立てる手順を、1対1で身につけます。
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