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定期テストが平均点に届かない中学生の保護者へ|責める前に確認したい5つのこと

公開日 執筆:塾長 馬籠先生

定期テストの答案を見たら、ほとんどの教科が平均点に届いていない。本人は気にしていないように見える。何か言えば黙るか、言い返してくる。

保護者様が焦るのは当然です。ただ、答案を受け取った直後の「どうしてこんな点数なの」「勉強していなかったからでしょ」は、原因を見つける会話になりにくいものです。

平均点に届かなかったとき、最初にすることは叱ることでも、勉強時間を増やすことでもありません。失点の原因が、準備不足、勉強法、前学年のつまずき、時間配分、心身の状態のどれなのかを分けることです。

原因が違えば、必要な支援も変わります。この記事では、平均点に届かない中学生に対して、保護者様がどこを見て、どう声をかければよいかを整理します。


平均点は「子どもの評価」ではない

平均点は、そのテストを受けた集団の得点を合計し、人数で割った数字です。

問題が難しければ平均点は下がり、易しければ上がります。学校や教科によっても違います。平均点を下回ったという事実だけでは、どの単元が分からないのか、努力が足りなかったのかまでは判断できません。

見るべきなのは、平均点との差だけではなく、次の3つです。

  • 前回の本人の点数からどう変わったか
  • どの問題で点を落としたか
  • テスト前に何を、どこまで準備したか

たとえば平均点65点のテストで、前回45点だった生徒さんが58点を取ったなら、平均点には届かなくても改善しています。反対に、平均点を少し上回っていても、基本問題の理解が不安定なことはあります。

「平均より上か下か」は目印の1つです。結論ではありません。


答案が返った当日に避けたいこと

その場で長い反省会を始める

本人が落ち込んでいる、または身構えているときに、原因を何度聞いても具体的な答えは出にくくなります。

「今日は答案を置いておいて、明日一緒に10分だけ見よう」で構いません。保護者様も感情が強いときは、時間を置いた方が話を整理できます。

兄弟や友達と比べる

「お兄ちゃんは取れていた」「○○さんは塾に行かなくてもできる」という比較から、次の行動は決まりません。

比べるなら、前回の本人と比べます。

すぐにスマホやゲームを取り上げる

生活時間に明らかな問題があればルールの見直しは必要です。ただ、答案を見た勢いで罰を決めると、「点数を隠す」「答案を見せない」という行動につながることがあります。

先に、テスト前の時間の使い方を一緒に確認してください。

いきなり教材や塾を増やす

学校ワークが終わっていない生徒さんに問題集を追加しても、未完成の教材が増えるだけです。必要なのが教材なのか、計画なのか、説明なのかを分けてから選びます。


確認したい5つのこと

1.テスト範囲を最後まで準備できたか

最初に見るのは、勉強時間の合計ではなく、範囲の完了状況です。

  • 学校ワークは試験前に一度終わっていたか
  • 提出するために答えを写していなかったか
  • 英単語、漢字、理社の用語を確認したか
  • 分からない問題へ印をつけ、質問できたか

3時間机に向かっていても、ノートをきれいに写すだけで終わることがあります。反対に、短時間でも解けない問題を絞って直せていれば、点につながります。

範囲が終わっていないなら、まず開始日と1日分の量を変えます。難しい問題集を増やす段階ではありません。

2.「覚えたつもり」「分かったつもり」になっていないか

教科書を読む、解説動画を見る、答えを見ながらワークを埋める。これらは理解の入口ですが、テストでは何も見ずに答える必要があります。

平均点に届かない生徒さんには、「勉強はした」と言うのに、自力で解き直した回数が少ないケースがあります。

次の質問をしてみてください。

「ワークで間違えた問題を、答えを閉じてもう一度解いた?」

責める言い方ではなく、勉強の手順を確認します。

3.今の単元より前に戻る必要がないか

数学と英語は、前の内容を使います。

中2の連立方程式で点が取れなくても、原因が中1の正負の数や方程式にあることがあります。英語の現在完了が分からないように見えて、実は過去分詞以前に一般動詞の文の作り方が不安定なこともあります。

答案で、授業直後に習った応用問題だけでなく、計算や単語など基本部分も落としているなら、前の学年へ戻る必要があります。

「今回の範囲をもう一周」だけでは直らないつまずきです。

4.時間配分や答案の作り方に問題がないか

知識はあっても、テストの受け方で点を落とすことがあります。

  • 最後のページが空欄
  • 1問に時間をかけすぎた
  • 問題文の条件を読み落とした
  • 記号で答える問題を言葉で書いた
  • 単位や途中式が抜けた
  • 見直しの時間がなかった

この場合、勉強時間を増やすだけでは改善しません。時間を計って解く、分からない問題に印をつけて後回しにする、最後の5分で何を見るか決める、といった練習が必要です。

5.睡眠、体調、学校生活に変化はなかったか

点数が急に下がったときは、勉強法だけで説明しようとしないでください。

  • 寝る時間が遅くなった
  • 朝起きられない
  • 食欲が落ちた
  • 頭痛や腹痛が増えた
  • 学校や部活動で気になることがある
  • 教室やテスト場面で強く緊張する

こうした変化があれば、学習計画より先に休息や相談が必要な場合があります。本人が話したがらないときは、問い詰めず、学校の先生やスクールカウンセラーなどにつなぐことも選択肢です。


平均点に届かない原因を5つに分ける

答案とテスト前の様子を並べると、困り方は大きく次のように分かれます。

状態よく見られる様子最初の対応
開始が遅いワークが前日まで残る始める日と1日分を決める
勉強法が受け身読む・写すが中心答えを隠して解き直す
基礎に抜けがある計算・単語から失点前学年の必要箇所へ戻る
テスト中に崩れる空欄・時間切れが多い時間を計った演習をする
心身に負担がある急な低下、睡眠や登校の変化休息し、学校等へ相談する

複数が重なることもあります。

大切なのは、「やる気がない」の一言でまとめないことです。開始できない生徒さんに必要なのは予定の細分化かもしれません。勉強しても取れない生徒さんには、基礎へ戻る説明が必要かもしれません。

原因に合わない対策は、親子ともに疲れます。


子どもが話しやすくなる聞き方

「なぜできなかったの?」は広すぎる質問です。本人も答えが分からず、「別に」「分からない」で終わりやすくなります。

質問を小さくします。

点数を見た直後

答案を見せてくれてありがとう。今日は何も決めず、明日10分だけ一緒に見てもいい?

答案を見るとき

一番もったいなかったと思う問題はどれ?
時間があれば解けた問題と、勉強していなくて分からなかった問題を分けようか。

次の行動を決めるとき

次は何を1つ変えたら、5点上がりそう?
自分で進めたいところと、手伝ってほしいところはどこ?

親が答えを先に決めず、本人の見立てを一度聞きます。その見立てが違っていても、まず否定せず、答案と照らし合わせます。


返却後48時間でやること

1日目|答案を集める

5教科の答案、問題用紙、模範解答をそろえます。なくさないうちに写真を撮っても構いません。

この日は、点数について長く話さなくて大丈夫です。

2日目|失点を3色に分ける

間違えた問題を、次の3つに分けます。

  • 今なら自力で解ける
  • 解説を読めば分かる
  • 解説を読んでも分からない

「今なら解ける」は、読み違い、計算ミス、時間不足の可能性があります。「解説を読めば分かる」は練習不足、「解説を読んでも分からない」は説明や前学年の復習が必要です。

変えることを1つ決める

次のテストまでに変えることは、最初は1つか2つにします。

  • ワークを10日前に一度終える
  • 数学の間違いだけを翌日に解き直す
  • 英単語を1日10個、書いて確認する
  • テストで残り10分になったら最後のページを確認する

「毎日3時間勉強する」のような大きな目標より、実行したか確認できる行動にします。

答案返却後の具体的な見直し方は、こちらでも説明しています。

→ 定期テストが返ってきたらやること|次で点が上がる解き直しの手順


保護者様が教えるべきか、任せるべきか

保護者様が教科内容まで教える必要はありません。

教え始めると、解き方の違いから言い合いになる家庭もあります。学校で習った方法と保護者様の方法が違い、生徒さんが混乱することもあります。

家庭で手伝いやすいのは、次の部分です。

  • テスト日と範囲を一緒に確認する
  • 学校ワークの残量を見えるようにする
  • 質問する問題へ付箋をつける
  • 睡眠時間を確保する
  • 解き直す時間を予定に入れる

内容の説明は、学校や塾へ任せても構いません。保護者様の役割は、すべてを教えることではなく、学べる状態を整えることです。

→ 中学生の勉強を親が教えるべき?うまくいかない理由と関わり方


見守るだけでよい場合、相談した方がよい場合

まず家庭で様子を見られるケース

  • 1教科だけ平均点を少し下回った
  • 前回より点数は上がっている
  • 本人が原因と次の対策を話せる
  • 睡眠や登校などに変化がない

この場合は、対策を1つ決めて、次の小テストや定期テストまで見ます。

学校や塾へ早めに相談したいケース

  • 複数教科で平均点未満が続いている
  • 数学・英語で前学年の基本から止まっている
  • 勉強しているのに結果がほとんど変わらない
  • 答案の空欄が多く、本人も原因を説明できない
  • 家庭で話すと毎回けんかになる

相談するときは、「成績を上げたい」だけでなく、答案と勉強の記録を見せます。どの単元へ戻るべきかが伝わりやすくなります。

学習より心身の支援を優先したいケース

  • 急に大きく点数が下がった
  • 朝起きられない、眠れない状態が続く
  • 頭痛や腹痛、食欲低下がある
  • 登校やテストを強く怖がる
  • 自分を責める言葉が増えた

この場合は、勉強量を増やす前に、学校の先生、養護教諭、スクールカウンセラー、必要に応じて医療機関へ相談してください。


次の目標は平均点より「回収できる5点」にする

平均点が60点でも、今30点の生徒さんに「次は平均を超えよう」とだけ伝えると、何をすればよいか分かりません。

次の目標を、回収できる点に変えます。

  • 漢字・英単語で5点
  • 数学の計算ミスを2問減らして6点
  • 理科の用語問題を10問覚えて10点
  • 最後のページを解く時間を残して5点

30点から40点、40点から50点と上がる道筋が見えれば、平均点は後から近づきます。

生徒さん本人が取り組むための手順は、次の記事で詳しく解説しています。

→ 定期テストで平均点が取れないとき|まず60点を目指す手順

テスト前の全体計画はこちらです。

→ 定期テストの勉強法まとめ|2週間前からの手順と5教科それぞれのやり方


保護者様だけで抱え込まないでください

点数が平均に届かない状態が続くと、「もっと厳しく言うべきか」「見守るべきか」で迷います。

判断の基準は、本人に合った次の一手が見えているかどうかです。

原因が分かり、次に変える行動が決まっているなら、急いで管理を強める必要はありません。原因が分からない、基礎の抜けが広い、家庭で話せない状態なら、第三者に答案を見てもらう方が早いことがあります。

マスネットでは、現在の理解度と学校の進度を確認しながら、取り組む範囲を整理します。

→ オンライン学習塾マスネットの中学生コース


よくある質問

平均点以下なら、すぐに塾へ入れた方がよいですか?

一度平均点を下回っただけで、すぐに決める必要はありません。答案と準備状況を確認し、原因を分けてください。複数教科で続く、前学年の基礎から分からない、家庭では学習が進まない場合は、早めの相談が役立ちます。

本人に危機感がありません。厳しく言うべきですか?

強い言葉で危機感を持たせても、何をすればよいか分からなければ動けません。「次は頑張って」ではなく、ワークを始める日や解き直す問題数など、具体的な行動を一緒に決めてください。

スマホを取り上げれば点数は上がりますか?

スマホの使用で睡眠や勉強時間が失われているなら、ルールの見直しは必要です。ただし、取り上げるだけでは勉強法や基礎の抜けは直りません。使用時間と学習手順を分けて考えます。

親が毎日勉強を確認すると嫌がります

毎日の監視ではなく、確認する日時を決めてみてください。たとえば日曜の夜に10分だけ、ワークの残量と翌週の予定を見る形です。本人が一人で進められる部分には口を出さず、必要な支援だけ残します。

何点を次の目標にすればよいですか?

平均点との差が大きい場合は、平均点そのものより、前回から5〜10点上げる目標が現実的です。答案から「覚えれば取れる」「ミスを減らせば取れる」問題を選び、回収できる点を積み上げてください。

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