不登校の中学生にオンライン塾は合う?学習の遅れの取り戻し方と、出席扱い・高校進学まで考えた選び方
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
学校に行けない日が続いている。勉強の遅れが心配だけれど、塾に通わせるのは難しい。オンラインの塾なら家から受けられると聞いたが、本当に合うのか、何を基準に選べばいいのか分からない。
結論からお伝えします。不登校の中学生にとって、オンラインの1対1の指導は「外に出なくていい」「ほかの生徒の目を気にしなくていい」「つまずいたところまで戻れる」という点で合いやすい形です。ただし、最初の目標は成績を上げることではなく、生活リズムと「わかった」という小さな積み重ねを取り戻すことです。急かさず、本人のペースに合わせてくれるかどうかで選んでください。
この記事は、オンライン学習塾マスネットが運営しています。オンラインが合わない時期があることも含めて、正直に書きます。
不登校は、珍しいことではありません
文部科学省の調査によると、令和6年度に不登校だった中学生は216,266人で、過去最多となりました。中学生1,000人あたり67.9人、およそ15人に1人の割合です。小学生と合わせると353,970人で、12年連続で増えています。
| 項目 | 令和6年度 |
|---|---|
| 不登校の中学生 | 216,266人(過去最多) |
| 中学生1,000人あたり | 67.9人(およそ15人に1人) |
| 不登校の小学生・中学生の合計 | 353,970人(12年連続で増加) |
| 新たに不登校になった中学生 | 83,409人(前年度から減少) |
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(2025年10月29日公表、2026年1月16日一部修正)
一つのクラスに2人ほどいる計算です。保護者様だけが抱え込む必要はありません。
学習の遅れは、取り戻せる
不登校の期間が長くなると、学習の遅れが心配になります。
ただ、中学校の学習は、つまずいたところまで戻って順に積み上げれば、取り戻せます。特に数学と英語は積み上げ式なので、どこまで戻ればいいかが分かれば、やることははっきりします。
大切なのは、一度に取り戻そうとしないことです。焦って量を増やすと、勉強そのものが負担になり、また止まってしまいます。
再開までの4つの段階
学習の再開は、次のような段階で進めるのが現実的です。
| 段階 | 目標 | やること |
|---|---|---|
| 1. 生活のリズム | 決まった時間に起きて、決まった時間に何かをする | 週1〜2回、決まった時間に講師と話す。勉強でなく雑談からでもよい |
| 2. 小さな「できた」 | 机に向かうことに慣れる | 得意な教科や、短い時間で終わる内容から始める |
| 3. つまずきに戻る | 分からなくなった単元を埋める | 数学・英語を中心に、つまずいた学年まで戻って進める |
| 4. 進路に合わせる | 高校進学に向けた学習をする | 志望する高校の形に合わせて、必要な教科を進める |
段階1と2を飛ばして、いきなり段階3から始めると、多くの場合続きません。 今どの段階にいるかを見極めて、そこから始めてくれる指導を選んでください。
不登校の中学生に、オンラインの1対1が合いやすい理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 外に出なくていい | 家から受けられるため、外出が負担な時期でも始められる |
| ほかの生徒の目がない | 1対1なので、同年代の生徒と顔を合わせる必要がない |
| つまずいたところまで戻れる | 集団授業のように進度に合わせる必要がない |
| ペースを調整しやすい | 体調や気持ちに合わせて、内容や量を変えられる |
| 同じ講師と関係を作れる | 毎回同じ講師なら、安心して話せる大人が一人増える |
オンラインが合わない時期もあります
当塾はオンラインですが、いつでも合うとは考えていません。
心身の休養が必要な時期。 体調がすぐれない、強い不安があるといった時期は、学習より休養が優先です。医療機関や学校のスクールカウンセラー、地域の教育支援センターなどへの相談を先にしてください。
画面越しでも人と話すことが負担な時期。 オンラインでも、講師と顔を合わせて話すことになります。それが負担な時期は、無理に始める必要はありません。
家に落ち着いて学習できる場所がない場合。 家族の生活音が気になるなど、家で集中できない場合もあります。
始める時期は、本人の様子を見て決めてください。体験授業を受けてみて、本人が「また話してみたい」と言うかどうかが、一つの目安になります。
出席扱いについて
文部科学省は、不登校の児童生徒が自宅でICT(パソコンやインターネットなど)を活用した学習を行った場合に、一定の要件を満たせば、校長の判断で指導要録上の出席扱いにできるとしています。
主な要件には、保護者と学校の間に十分な連携があること、学習の計画や内容が学校の教育課程に照らして適切であること、学校が学習の状況を把握していることなどがあります。
出席扱いになるかどうかは、在籍する学校の校長が判断します。 オンラインの塾に通えば自動的に出席扱いになるわけではありません。希望する場合は、まず学校に相談し、どのような記録や報告が必要かを確認してください。
高校進学の選択肢は広い
不登校を経験した中学生の進路は、一つではありません。
| 高校の形 | 特徴 |
|---|---|
| 全日制 | 毎日通学する。調査書の欠席日数や評定の扱いは、都道府県や学校によって違う |
| 定時制 | 昼間や夜間など、決まった時間帯に通う。1日の授業時間が短い学校が多い |
| 通信制 | 自宅学習とレポートが中心で、決められた日に登校(スクーリング)する。自分のペースで進めやすい |
都道府県によっては、不登校を経験した生徒さんを主な対象にした高校や、選抜で配慮をする仕組みがあります。お住まいの地域の制度を、中学校や教育委員会に確認してください。
どの道を選ぶにしても、中学校の学習の土台があると、高校での学びが楽になります。 進路を決める前から、少しずつ学習を積み上げておくことには意味があります。
オンラインの塾を選ぶときに確認すること
| 確認項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| ペース | 本人の様子に合わせて、急かさずに進めてくれるか |
| 指導の形 | 1対1か。ほかの生徒と同じ画面に入らないか |
| 講師 | 毎回同じ講師か。合わなかったときに交代できるか |
| 戻る学習 | つまずいた学年まで戻って進めてくれるか |
| 時間の柔軟さ | 体調に合わせて、時間の変更や振替ができるか |
| 保護者様との連携 | 授業の様子が、毎回保護者様に共有されるか |
| 進路の相談 | 全日制・定時制・通信制など、進路の相談にも乗ってくれるか |
オンラインの塾そのものの選び方は、別の記事にもまとめています。
→ オンライン塾は効果ない?成果が出る塾・出ない塾の違いと、選ぶ前に確認すべき7つのこと
マスネットの場合
マスネットには、学校に通いづらい生徒さん向けのコースがあります。
| 確認項目 | マスネットの対応 |
|---|---|
| ペース | 本人のペースを最優先し、急かさずに進めます。勉強だけでなく、生活リズムや気持ちにも寄り添います |
| 指導の形 | 完全1対1のオンライン個別指導です |
| 講師 | 原則として毎回同じ専任講師が担当します。講師の交代は何度でも無料です |
| 戻る学習 | つまずいているところまで戻って、無理のないペースで少しずつ進めます |
| 時間の柔軟さ | 事前にご連絡いただければ、別の日への振替に柔軟に対応します |
| 保護者様との連携 | 毎回の授業後に、授業内容とお子様の様子を報告書でお送りします |
| 進路の相談 | 通信制・定時制・全日制など、幅広い選択肢を一緒に検討します |
| つながり | オンライン自習室で、全国の仲間とゆるやかにつながることもできます |
現場で見えたこと
不登校の生徒さんとの授業は、最初の数回は勉強よりも話をする時間の方が長いことがよくあります。好きなこと、最近見た動画、得意なこと。そうした話をしているうちに、決まった時間に画面の前に座ることが、少しずつ生活の一部になっていきます。
勉強を始めると、つまずいているのは中学1年生の内容だった、ということも珍しくありません。そこまで戻って一つずつ「わかった」を積み重ねると、表情が変わってくる生徒さんが多くいます。
保護者様から伺うお話で多いのは、「勉強のことより、毎週決まった時間に誰かと話す予定があることが大きかった」というものです。学習の再開は、成績より先に、生活のリズムと安心できる大人との関係から始まると感じています。
よくある質問
Q. 不登校の中学生でも、オンラインの塾は受けられますか。
受けられます。家から受けられるため、外出が負担な時期でも始めやすい形です。ただし、心身の休養が必要な時期は、学習より休養を優先してください。
Q. 学習の遅れは取り戻せますか。
つまずいたところまで戻って順に積み上げれば、取り戻せます。一度に取り戻そうとせず、本人のペースで進めることが大切です。
Q. オンラインの塾で学習すると、出席扱いになりますか。
文部科学省は、一定の要件を満たせば、校長の判断で出席扱いにできるとしています。自動的に出席扱いになるわけではないため、まず在籍する学校に相談してください。
Q. 不登校でも高校に進学できますか。
進学できます。全日制・定時制・通信制など選択肢は広く、地域によっては不登校を経験した生徒さんへの配慮がある選抜もあります。
Q. 何から始めればいいですか。
まずは決まった時間に講師と話すことから始めるのがおすすめです。勉強は、得意な教科や短い時間で終わる内容から少しずつ始めます。
Q. 本人が乗り気でない場合はどうすればいいですか。
無理に始める必要はありません。体験授業だけ受けてみて、本人が「また話してみたい」と言うかどうかを目安にしてください。
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※不登校の統計は、文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によります。出席扱いの要件や高校の選抜の仕組みは、文部科学省の通知、在籍する学校、各都道府県教育委員会の資料でご確認ください。