図表やグラフがある小論文の書き方|読み取りから意見までの4ステップ
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図表やグラフがある小論文は、「読み取り」「理由の推測」「自分の意見」「解決策」の4ステップで書くと、まとまりやすくなります。読み取りでは、最大・最小・変化・比較の4つを数字つきで書き、資料にないことは書かないようにしましょう。書き始める前に、問題文が何を求めているかを確かめることも大切です。オンライン学習塾マスネットでは、生徒さんと一緒に、志望校の出題に近い資料を使って、この4ステップの練習をしています。
「グラフの問題になると、何を書けばいいか分からなくなります」
小論文の練習をしている生徒さんから、よく聞く言葉です。
総合型選抜の小論文には、テーマだけが示される問題のほかに、表やグラフなどの資料を読み、そこから考えたことを書く問題もあります。資料がある問題は、何を書けばよいかの手がかりが資料の中にあるため、手順を覚えれば、テーマだけの問題より書きやすくなることもあります。反対に、手順を知らないと、数字を写すだけで終わったり、資料と関係のない意見を書いてしまったりします。
小論文の練習を始める時期と、基本の組み立て方は、小論文はいつから練習する?で説明しています。この記事では、図表やグラフがある問題に絞って説明します。
まず、問題文の指示を確かめる
書き始める前に、問題文が何を求めているかを確かめましょう。資料がある問題では、次のような指示がよく出されます。
| 問題文の指示の例 | 書くこと |
|---|---|
| 資料から読み取れることを述べなさい | 読み取りだけを書く。自分の意見は書かない |
| 資料をふまえて、あなたの考えを述べなさい | 読み取りを短く書き、自分の意見を中心に書く |
| 資料から分かる課題と、その解決策を述べなさい | 読み取りから課題を示し、解決策を書く |
| 2つの資料を比べて述べなさい | 2つの資料の共通点と違いを書く |
指示が2つ以上ある場合は、問題文に線を引き、1つずつ答えているかを書き終えたあとに確かめます。指示に答えていない小論文は、どんなによく書けていても評価されにくくなります。
4ステップの書き方
ステップ1. 資料を読み取る
資料から分かることを、数字を使って書きます。読み取るときは、次の4つを見ると、書くことが見つかりやすくなります。
| 見るところ | 読み取りの例 |
|---|---|
| 最大・最小 | もっとも多いのは〇〇で、全体の約4割を占める |
| 変化 | 2015年から2025年までの10年で、約2倍に増えた |
| 比較 | 〇〇は△△の約3倍である |
| 例外 | ほかの項目が減る中で、〇〇だけが増えている |
まず、資料のタイトル、単位、調べた年、調べた対象を確かめましょう。単位が「人」なのか「%」なのか、「千人」なのかを読み違えると、そのあとの文章がすべてずれてしまいます。
ステップ2. 理由を推測する
読み取った変化や違いが、なぜ起きているのかを考えます。資料には理由が書かれていないことが多いので、「〇〇が理由の1つと考えられる」のように、推測であることが分かる書き方にしましょう。理由は1つにしぼらず、2つほど挙げられると、考えの広さが伝わります。
ステップ3. 自分の意見を書く
読み取りと理由をふまえて、自分の考えを書きます。意見は、資料から言えることとつなげて書くことが大切です。資料と関係のない話を書くと、「資料を使って考える力」が伝わりません。
ステップ4. 解決策や、大学で学びたいことにつなげる
課題が見つかった場合は、解決策を書きます。解決策は、「みんなで気をつける」のような広すぎるものより、誰が、何を、どのように行うかが分かるものにしましょう。最後に、志望する学部で学びたいことにつなげると、総合型選抜の小論文としてまとまりが出ます。
4ステップの字数の目安
800字の小論文の場合の、字数の配分の例です。
| ステップ | 字数の目安 | 書くこと |
|---|---|---|
| 1. 読み取り | 約200字 | 最大・最小・変化・比較を数字つきで |
| 2. 理由の推測 | 約150字 | 考えられる理由を2つほど |
| 3. 自分の意見 | 約250字 | 資料から言えることをふまえた考え |
| 4. 解決策 | 約200字 | 誰が、何を、どのように行うか |
問題文が「読み取れることを述べなさい」だけの場合は、この配分にこだわらず、読み取りを中心に書きます。指示に合わせて、配分を変えましょう。
書き方の例
例えば、「高校生の1日の平均睡眠時間が、10年で減っている」という資料が出たとします。
| ステップ | 書き方の例 |
|---|---|
| 読み取り | 資料によると、高校生の平均睡眠時間は10年で約30分短くなっている。特に、学年が上がるほど短い |
| 理由の推測 | スマートフォンを使う時間が増えたことや、通学や部活動、塾の時間が長いことが理由の1つと考えられる |
| 意見 | 睡眠時間が短いと、授業への集中や体調に影響すると考える |
| 解決策 | 学校は、高校生が自分の睡眠を記録して振り返る授業を行い、家庭では、寝る前の使い方のルールを話し合う |
この例の数字は、書き方を説明するためのものです。本番では、資料に書かれている数字だけを使いましょう。
書くときに気をつけること
資料にないことを、事実のように書かない
「〇〇が原因である」と言い切ると、資料からは言えないことを事実のように書いてしまうことになります。資料から言えることと、自分の推測や意見を、書き方で分けましょう。
| 資料から言えること | 推測や意見 |
|---|---|
| 〇〇は10年で約2倍に増えた | 〇〇が理由の1つと考えられる |
| 〇〇がもっとも多い | 〇〇が必要だと考える |
数字を全部写さない
資料の数字をすべて書き写すと、字数ばかりが増えて、何を言いたいのかが分かりにくくなります。自分の意見につながる数字を2〜3個選んで書きましょう。
1つの資料だけに注目しない
資料が2つ以上ある場合は、それぞれの資料を読み取ったうえで、2つを組み合わせると何が分かるかを考えます。片方の資料にしか触れていないと、問題の意図に答えていないと見なされることがあります。
練習のしかた
1. 新聞や白書のグラフで読み取りの練習をする
新聞や、官公庁が公表している白書には、グラフがたくさん載っています。グラフを1つ選び、最大・最小・変化・比較の4つを、数字つきで3行に書く練習から始めましょう。1回10分ほどで練習できます。総務省統計局の「なるほど統計学園」のように、グラフの読み方を学べるページもあります。
2. 志望校の過去の出題を確かめる
志望校のホームページや募集要項で、過去の小論文の出題を確かめましょう。資料がある問題が出ているか、資料は表なのかグラフなのか、字数と時間はどのくらいかを確かめておくと、練習の目標がはっきりします。
3. 時間を計って、4ステップで書く
本番と同じ時間を計って書きます。最初は時間内に書き終わらなくても大丈夫です。読み取りと構成のメモに何分かかったかを記録すると、時間の使い方が分かってきます。
4. 書いたあとに見直す
| 見直すこと | 確かめるところ |
|---|---|
| 指示に答えているか | 問題文の指示に、1つずつ答えているか |
| 読み取りの正しさ | 数字と単位を、資料と照らし合わせたか |
| 推測の書き方 | 理由を言い切っていないか |
| 意見と資料のつながり | 意見が、資料から言えることとつながっているか |
| 字数 | 指定の字数の9割以上か |
つまずきやすい点
いちばん多いのは、読み取りで字数を使いすぎて、意見を書く字数が足りなくなることです。4ステップの字数の目安を決めてから書き始めましょう。
次に多いのが、資料のタイトルや単位を見落として、数字を読み違えることです。書き始める前に、タイトル・単位・調べた年・調べた対象の4つに印をつける習慣をつけましょう。
もう1つは、ふだんから考えている意見を、資料と関係なく書いてしまうことです。自分の意見を書くときも、「資料から〇〇が分かる。だから〇〇だと考える」と、資料とつなげることを意識しましょう。
学年ごとの考え方
高校1年生・高校2年生は、授業や探究で出てくるグラフを、4つの見るところで読み取る練習をしておきましょう。探究で自分が集めたデータをグラフにして説明する経験も、小論文の力につながります。高校3年生は、志望校の過去の出題を確かめ、本番と同じ時間と字数で、週に1本を目安に書く練習をします。
マスネットではこう進めます
オンライン学習塾マスネットの総合型選抜・学習伴走コースでは、月4回の授業を、教科・探究・英語資格・書類に毎月配分し直し、小論文の練習もその中で進めます。高校3年生は、追加メニューの受験期4回パック(50分×4回、書類・小論文・面接)で、本番前に集中して練習することもできます。くわしくは料金をご覧ください。
よくある質問
Q. グラフの読み取りが苦手です。何から始めればいいですか?
A. 1つのグラフで、もっとも多いもの、もっとも少ないもの、増えたもの、減ったものを、数字つきで書く練習から始めましょう。1回10分ほどで練習できます。
Q. 読み取りは、どのくらいの字数を使えばいいですか?
A. 問題文が意見も求めている場合は、全体の4分の1ほどが目安です。読み取りだけを求めている場合は、読み取りを中心に書きます。
Q. 理由が分からないときは、どうすればいいですか?
A. 「〇〇が理由の1つと考えられる」と、推測であることが分かる書き方にしましょう。ふだんからニュースを見ておくと、考えられる理由が浮かびやすくなります。
Q. 資料の数字は、計算して書いてもいいですか?
A. 「約2倍」「約4割」のように、比べやすくするための簡単な計算はよく使われます。計算した数字は、資料の数字と照らし合わせて確かめましょう。
Q. 理系の学部でも、図表の小論文は出ますか?
A. 理系の学部でも、実験の結果や統計の資料を読み取る問題が出ることがあります。志望校の過去の出題を確かめておきましょう。
まとめ
図表やグラフがある小論文は、読み取り・理由の推測・自分の意見・解決策の4ステップで書くと、まとまりやすくなります。読み取りは、最大・最小・変化・比較の4つを数字つきで書き、資料にないことを事実のように書かないことが大切です。書き始める前に問題文の指示を確かめ、新聞や白書のグラフで、ふだんから読み取りの練習をしておきましょう。