定期テストの点数が下がったとき|答案から原因を切り分ける4つの視点
公開日 執筆:塾長 馬籠先生
2学期の中間テストが返ってきた。1学期より点数が下がっていて、本人も落ち込んでいる。何が原因なのか、どう声をかければいいのかが分からない。
結論からお伝えします。点数が下がったとき、最初にやるべきは原因の切り分けです。 難易度が上がった、範囲が広がった、つまずきが表面化した、勉強量が減った。原因によって、次にやることがまったく違います。答案を見れば、どれに当てはまるかが分かります。
この記事は、オンライン学習塾マスネットが運営しています。この記事では、答案から原因を特定する手順を書きます。
2学期に点数が下がるのは珍しくありません
まず、前提をお伝えします。
2学期は、1学期より点数が下がりやすい時期です。 理由は3つあります。
内容が難しくなります。 どの学年でも、2学期は抽象度の高い単元が集中します。中学1年生なら方程式と比例、中学2年生なら一次関数と図形の証明、中学3年生なら二次関数と相似。
範囲が広がります。 夏休み明けから中間テストまでの期間は、1学期の中間より長くなることが多くあります。
1学期のつまずきが表面化します。 積み上げ式の数学と英語では、前の単元が曖昧なまま進むと、2学期で一気に差が出ます。
つまり、点数が下がること自体は構造的に起こりやすいということです。問題は、原因を特定せずに「もっと頑張ろう」で終わらせることです。
答案から原因を切り分ける
返却された答案を手元に用意してください。間違えた問題を、次の4つに分類します。
視点1:基本問題で落としているか
教科書の例題レベル、ワークの最初の方に出てくるような問題です。
ここでの失点が多いなら、つまずきが原因です。 応用が難しかったのではなく、土台が固まっていません。
そして、つまずきの地点が今の単元ではなく前の学年にあるケースが非常に多くあります。
視点2:ケアレスミスがどれくらいあるか
分かっていたのに落とした問題です。計算ミス、写し間違い、問題の読み違い、解答欄のずれ。
5教科でそれぞれ3〜4点のミスなら、合計15〜20点です。 これは苦手教科を1つ底上げするのと同じインパクトがあります。
ミスは「気をつける」では減りません。パターンを記録して、チェック手順を作る必要があります。
視点3:手つかずの範囲があるか
そもそも勉強していない範囲、時間が足りずに解けなかった問題です。
これは計画と開始時期の問題です。 範囲表の確認漏れがなかったか、2週間前に始められていたかを振り返ってください。
視点4:応用問題だけ落としているか
基本は取れていて、応用で失点している。
この場合、土台は固まっています。 点数が下がったのは、応用問題の割合が増えたか、難易度が上がったためです。
実は最も健全な状態で、やるべきことは演習量を増やすことだけです。
原因別の対処
切り分けができたら、それぞれに対応します。
基本問題での失点が多い場合
今の単元を繰り返しても解決しません。 原因が前の学年にある可能性が高いためです。
確認方法は、簡単な問題から順に解いていき、「解ける」と「解けない」の境目を探すことです。
数学なら、正負の数、文字式、方程式、比例と反比例の順に確認します。英語なら、be動詞と一般動詞の区別、時制、基本文型です。
戻ることは遠回りではありません。 土台が固まると、今の単元の理解速度が上がります。
ケアレスミスが多い場合
ミスの内容を記録して、パターンを特定してください。 符号なのか、単位なのか、写し間違いなのか。
パターンが分かれば、そこだけを確認する見直し手順を作れます。そして、見直し時間を最初から時間配分に組み込んでください。余った時間にやるものではありません。
手つかずの範囲が多い場合
開始時期と計画の見直しです。
2週間前から始められていたか。範囲表の全教科を書き出していたか。時間配分に偏りがなかったか。
やり方以前に、テスト勉強の設計に問題があります。
応用問題だけの場合
基本が固まっているので、演習量を増やすだけです。
ワークの応用問題、章末問題、発展問題。手をつけていない部分を進めてください。
保護者様の声のかけ方
答案を見るとき、気をつけたいことがあります。
点数の高い低いを話題にすると、評価の話になります。 評価されると感じた生徒さんは、次からテストを見せなくなります。そうなると、改善材料も失われます。
「どのタイプの失点が多かった?」という会話にしてください。 分かっていたのに落としたのか、勉強したが解けなかったのか、そもそもやっていなかったのか。
この聞き方なら、責める形になりません。答案を攻略情報として扱う姿勢が、次につながります。
そして、他の子と比較しないでください。 自信を奪うだけで、行動には結びつきません。
解き直しは48時間以内に
原因が分かったら、間違えた問題を解き直してください。
タイミングが重要です。 記憶が残っている返却直後が最も効率的で、時間が経つほど「なぜ間違えたか」の記憶が消え、効果が下がります。
48時間以内を目安にしてください。
やり方は、まず解答解説を見て理解します。そのあと、何も見ずに自力で解きます。この確認をしないと、分かったつもりで終わります。
特に、勉強したが解けなかった問題を優先してください。あと少しで取れた問題であり、次回の点数に最も直結します。
現場で見えたこと
答案を一緒に分析していて感じるのは、生徒さん本人は失点の理由を分かっていないということです。
「難しかった」「時間が足りなかった」という感覚はあっても、どのタイプの失点が何点分かは把握していません。
分類してみると、多くの生徒さんで「勉強したが仕上がっていなかった」問題が最も多いという結果になります。まったく分からなかった問題より、やったのに解けなかった問題の方が多いのです。
これは、次回の伸びしろが大きいことを意味します。新しいことを覚える必要はなく、仕上げの基準を上げるだけで点になる部分だからです。
もう一つ、答案を数回分並べると、同じ場所で同じミスをしていることが分かります。符号ミスが多い生徒さんは毎回符号で落とし、読み飛ばしが多い生徒さんは毎回条件を見落とします。
ランダムに起きているのではなく、決まった型があります。型があるということは、対策できるということです。
そして、宿題システムの記録を見ると、返却後1週間以内に解き直しを提出した生徒さんは、次のテストでの伸びが明確に大きくなっています。
同じ解き直しでも、タイミングによって効果が変わります。
よくある質問
Q. 2学期に点数が下がるのは普通ですか。
起こりやすい時期です。内容の抽象度が上がり、範囲が広がり、1学期のつまずきが表面化します。問題は原因を特定せずに終わらせることです。
Q. 何から確認すればいいですか。
答案の間違いを4つに分けてください。基本問題での失点、ケアレスミス、手つかず、応用問題のみ。原因によって対処が違います。
Q. 基本問題で落としている場合は。
今の単元ではなく、前の学年に原因がある可能性が高くなります。簡単な問題から順に解いて、境目を探してください。
Q. 解き直しはいつまでにやるべきですか。
48時間以内が目安です。記憶が残っているうちにやることで効果が最大になります。遅くとも1週間以内には終えてください。
Q. 子どもが答案を見せたがりません。
点数を評価する空気があると隠しがちになります。「どの問題が惜しかった?」と失点を攻略情報として扱う声かけに変えてください。
Q. 塾に通っているのに下がりました。
授業外に何をしているかを確認してください。次回までにやることが示されているか、提出状況が記録されているか。週1回の授業だけでは変わりにくい構造があります。
次に読んでいただきたい記事
原因がつまずきにあった場合は、どこまで戻るかの判断が必要です。
→ 中2で成績が下がる理由|「中2の壁」の正体と、立て直しの手順
今の塾で変わらないと感じている場合は、環境を見直す時期かもしれません。
→ 塾を変えるタイミングはいつ?判断基準と、変える前に確認すべき5つのこと
答案を見てほしい方へ
原因の切り分けは、客観的に見る第三者がいると精度が上がります。
マスネットでは、答案を写真で送っていただければ、どのタイプの失点が多いか、原因が今の学年にあるのか過去の学年にあるのかをお伝えします。入塾の勧誘はいたしません。
次回のテストに向けた進め方まで相談したい場合は、学習相談もご利用いただけます。