シンガポール在住の中学生の高校受験|日本人学校・インター別の進路と、帰国か現地進学かの選び方
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
シンガポールで暮らしていて、中学卒業後の進路を考え始めた。日本に帰国して受験するのか、シンガポールで日本の高校に進むのか、インターで学び続けるのか。選択肢が多いぶん、何から決めればいいのか分からない。
結論からお伝えします。シンガポールの日本人中学生には、「帰国して日本の高校を受験する」「シンガポールで日本の高校課程に進む」「インターなどで学び続ける」の3つの道があります。どの道でも、中学2年生のうちに帰国の見通しを立て、志望校の出願資格と入試日程を確認することが出発点です。日本との時差は1時間なので、日本のオンライン授業を放課後にそのまま受けられます。
マスネットは福岡と鹿児島を拠点に、全国・海外のどこからでも受講できる完全1対1のオンライン個別指導塾です。海外在住の生徒さんも多く在籍しています。この記事では、シンガポール在住のご家庭に向けて、高校受験までの道筋を書きます。
シンガポールの日本人中学生を取り巻く状況
シンガポールには約3万3千人の日本人が暮らしています(外務省「海外在留邦人数調査統計」、2025年10月1日時点)。世界の都市別で5番目に多い規模です。
日本人の中学生の主な進学先は、次の3つです。
シンガポール日本人学校の中学部。 日本の学習指導要領に沿って授業が行われます。小学部はクレメンティ校とチャンギ校の2校、中学部は1校の体制です。
インターナショナルスクール。 英語で授業が行われ、IGCSEやIBなどのカリキュラムで学びます。週末に日本語の補習校に通う生徒さんもいます。
シンガポールの現地校。 シンガポールの教育課程で、英語を中心に学びます。
そして高校段階では、香港など他の都市と違い、シンガポールの中に日本の高校課程を学べる学校があります。 これが、シンガポールの進路の大きな特徴です。
中学卒業後の3つの道
| 進路 | 主な入試 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 帰国して日本の高校を受験 | 帰国生入試、一般入試 | 志望校の選択肢が最も広い | 帰国の時期と、出願資格の在住期間・帰国後期間の条件 |
| シンガポールで日本の高校課程に進む | 早稲田渋谷シンガポール校の入試 | 家族が現地にいながら、日本の高校と同じ教育課程で学べる | 出願資格に保護者の海外在住の条件がある。入試は例年2月 |
| インターなどで学び続ける | 各校の入学審査 | 英語での学習を継続でき、IBなどを経て海外大学も視野に入る | 大学で日本に戻る場合は、大学の帰国生入試を視野に入れる |
シンガポールで日本の高校課程に進む場合
早稲田大学系属早稲田渋谷シンガポール校は、1991年に開校した、文部科学省の認定を受けた私立の在外教育施設です。日本の高等学校と同じ教育課程にもとづき、日本語で授業が行われています。
通学生に加えて、アジア太平洋地域を中心に保護者が海外に住む寮生も学んでいます。2026年度の入試は2月に行われ、シンガポールと東京で受験できました。
出願資格には、保護者の海外での就労・居住に関する条件があります。毎年の募集要項で、条件と日程を必ず確認してください。
帰国して日本の高校を受験する場合
帰国生入試の出願資格には、海外での在住期間と、帰国してからの期間の条件が設けられているのが一般的です。期間の長さは学校ごとに違います。
日本人学校と現地校・インターで、出願の枠や試験の内容を分けている学校もあります。日本人学校の在籍者を帰国生入試の対象外とする学校もあるため、志望校ごとに確認が必要です。
入試日程の組み立て方
シンガポールから受験する場合、日程の組み立てが重要になります。
| 時期 | 主な入試 |
|---|---|
| 12月〜1月 | 日本の私立高校の帰国生入試の一部 |
| 1月〜2月 | 日本の私立高校の帰国生入試・一般入試 |
| 2月 | 早稲田渋谷シンガポール校の入試(例年) |
| 2月〜3月 | 日本の公立高校の入試(帰国生向けの枠を含む) |
日本で受験する場合は、移動と滞在の予定も合わせて考える必要があります。複数の学校を受ける場合は、中学3年生の夏までに、志望校の日程を一覧にしておくと、渡航の計画が立てやすくなります。
日程は年度によって変わります。必ず各校の最新の募集要項で確認してください。
在籍校別の強みと、補強が必要になりやすい教科
| 在籍校 | 日本の高校受験での強み | 補強が必要になりやすい点 |
|---|---|---|
| シンガポール日本人学校中学部 | 教科の内容と進度が日本と同じ。調査書が作成される | 英語を受験の強みにしにくい。同じ志望校を目指す生徒さんが周りに少なく、到達度の基準が持ちにくい |
| インター | 英語力。面接や作文で語れる多文化の経験 | 国語(読解・記述・漢字)、社会(日本の地理・歴史・公民)、数学の日本語での用語と解き方 |
| 現地校 | 英語力。現地の教育課程で身につけた学力 | 日本語の読解と記述、5教科の日本式の出題形式 |
シンガポールは英語が日常の環境です。日本人学校に通っていても、生活の中で英語に触れる機会は多くあります。ただし、生活の英語と、入試の英語は別物です。日本の入試の文法問題や英作文の形式に慣れておく必要があります。
時差1時間で、日本の授業をそのまま受けられる
シンガポールは日本より1時間遅い時間で動いています。どちらも夏時間がないため、1年を通じて差は変わりません。
| 日本時間 | シンガポール時間 |
|---|---|
| 17:00 | 16:00 |
| 19:00 | 18:00 |
| 20:00 | 19:00 |
| 21:00 | 20:00 |
日本の生徒さんが夕方から夜に受けている授業を、シンガポールの放課後や夕食後にそのまま受けられます。日本の入試情報や、日本国内の同学年と同じペースの学習を、現地にいながら取り入れられます。
学年別にやるべきこと
中学1年生
日本の教科書の内容を積み上げる時期です。日本の高校入試の多くは、中学1年生・2年生の範囲から出題されます。
日本人学校に通う生徒さんは、定期テストで確実に点を取り、数学と英語の土台を固めてください。インターや現地校に通う生徒さんは、国語の読解と漢字、数学の日本語での用語に早めに触れておくと、後の負担が大きく減ります。
中学2年生
3つの道のどれを選ぶかを、家族で考え始める時期です。
帰国の時期の見通しを立て、帰国生入試の出願資格と、早稲田渋谷シンガポール校の出願資格の両方を確認してください。在住期間の条件によっては、帰国の時期そのものを調整する必要が出ることもあります。
学習面では、数学と英語の弱点をこの1年で埋めることを優先してください。
中学3年生
夏までに志望校の募集要項をそろえ、入試の形式と日程を一覧にします。
秋以降は、志望校の過去問演習と、面接・作文の準備です。帰国生入試の面接や作文では、シンガポールでの生活から何を学んだかを、自分の言葉で説明できるかが問われます。多様な国籍の人と過ごした経験は、具体的に話せれば大きな強みになります。
現場で見えたこと
海外在住の生徒さんを見ていて感じるのは、学力そのものより「日本の入試の形式」で失点している生徒さんが多いということです。
インターに通う生徒さんの場合、英語の会話や読解は十分にできても、日本の入試で問われる文法の正誤や並べ替えで点を落とします。英語力の問題ではなく、問われ方に慣れていないだけです。
日本人学校に通う生徒さんの場合は、選択肢が多いことが、逆に迷いの原因になることがあります。帰国か現地進学かが決まらないまま中学3年生の秋を迎えると、どの入試に向けて準備するかが定まりません。
進路を決める時期を、家族で先に決めておくことをおすすめしています。例えば「中学2年生の3月までに、帰国か現地進学かを決める」と期限を置くだけで、準備の優先順位が決まります。
よくある質問
Q. シンガポールから日本のオンライン塾を受講できますか。
できます。インターネット環境と、パソコン・タブレット・スマートフォンのいずれかがあれば受講できます。シンガポールは日本より1時間遅いだけなので、日本の夕方から夜の授業を、放課後の時間に受けられます。
Q. シンガポールに日本の高校はありますか。
早稲田大学系属早稲田渋谷シンガポール校があります。文部科学省の認定を受けた在外教育施設で、日本の高等学校と同じ教育課程で日本語の授業が行われています。出願資格と入試日程は、毎年の募集要項で確認してください。
Q. シンガポール日本人学校の中学部から、日本の高校を受験できますか。
受験できます。日本の学習指導要領に沿って学んでいるため、一般入試の準備は日本国内の中学生と同じ流れで進められます。帰国生入試については、日本人学校の在籍者を対象に含むかどうかが学校によって違います。
Q. インターに通っていても、日本の高校を受験できますか。
受験できます。帰国生入試では英語力が強みになります。一方で、国語、社会、数学の日本語での出題形式に慣れておく必要があります。
Q. 帰国か現地進学か、いつまでに決めればいいですか。
中学2年生の終わりまでに方向を決めておくと、中学3年生の準備に集中できます。出願資格の在住期間の条件から逆算して決めてください。
Q. 授業はシンガポール時間の何時ごろに受けられますか。
日本時間から1時間を引いた時刻になります。例えば日本時間19時の授業は、シンガポール時間18時です。具体的な曜日と時間は、学習面談でご相談ください。
次に読んでいただきたい記事
同じ時差1時間の地域として、香港在住のご家庭向けの記事もまとめています。
→ 香港在住の中学生の高校受験|日本人学校・インター別の進路と、帰国生入試の準備
オンライン塾で本当に成果が出るのか不安な場合は、選ぶ前の確認項目をまとめています。
→ オンライン塾は効果ない?成果が出る塾・出ない塾の違いと、選ぶ前に確認すべき7つのこと
シンガポールから日本の高校受験を目指す方へ
シンガポールからの高校受験は、3つの道のどれを選ぶかを早めに決めることが鍵です。道が決まれば、必要な準備ははっきりします。
マスネットは完全1対1のオンライン個別指導塾です。日本人学校の定期テスト対策から、インター生の国語・数学の補強、帰国生入試の面接・作文の準備まで、一人ひとりの進路に合わせて設計します。授業後には毎回、保護者様に授業報告書をお送りします。
オーチャード・リバーバレー、ノベナ・ニュートン、ブキティマ、クレメンティ・ウェストコースト、イーストコースト・タンピネスなど、シンガポールのどのエリアからでも、移動時間ゼロで受講いただけます。
→ 公式LINEで学習相談・答案診断を受ける
→ 無料体験授業を申し込む
※帰国生入試や早稲田渋谷シンガポール校の出願資格・試験内容・日程、シンガポール日本人学校の体制は、年度により変更される場合があります。最新かつ正確な情報は、各校の募集要項や公式の発表で必ずご確認ください。