小学生の算数におすすめの参考書・問題集15選【用途別】
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
ドリルを買ったのに続かない。学年に合わせて選んだつもりが、難しすぎて手が止まっている。書店に並ぶ量が多すぎて、何を基準に選べばいいのか分からない。
結論から言うと、小学生の算数の教材は「学年」ではなく「用途」で選ぶと失敗しません。計算を速くしたいのか、つまずきを埋めたいのか、受験に向けたいのか。目的が違えば、選ぶべき本はまったく変わります。
オンライン学習塾マスネットでは、小学生の算数指導も担当しています。この記事では、用途別に15冊を整理しました。
目次
- 教材選びの3つの原則
- 【計算練習】計算を速く正確にしたい
- 【文章題】文章題でつまずいている
- 【楽しく続ける】低学年で学習習慣をつけたい
- 【長期休み】まとめて復習したい
- 【総復習】学年をまたいで穴を埋めたい
- 【受験用】中学受験を目指す
- 現場で見えた、続く教材の共通点
- よくある質問
教材選びの3つの原則
原則1:今の実力より少し易しいものを選ぶ
最も多い失敗が、背伸びした問題集を買うことです。難しすぎる教材は、解けない、嫌になる、やらなくなる、という流れをたどります。
家庭学習で大切なのは、毎日続くことです。少し易しいと感じるレベルから始め、できたを積み重ねる方が、結果的に速く伸びます。
原則2:1冊を繰り返す
複数の教材に手を出すと、どれも中途半端になります。1冊を3周する方が、3冊を1周するより確実に定着します。買うのは、用途ごとに1冊が原則です。
原則3:学年ではなく用途で選ぶ
「小3だから小3のドリル」という選び方は、実はあまり意味がありません。計算が苦手なら計算特化の教材を、文章題でつまずいているなら文章題の教材を選ぶべきです。
学年をさかのぼることも、まったく問題ありません。土台が固まれば、その上の学年の内容を理解する速度が上がります。
【計算練習】計算を速く正確にしたい
算数のつまずきの多くは、計算力の不足から始まります。文章題が苦手に見える子も、実は計算に時間がかかりすぎて考える余裕がない、というケースが少なくありません。
陰山メソッド 徹底反復 百ます計算
計算の速度と正確さを鍛える定番です。時間を計って取り組む形式のため、日々の記録が本人のモチベーションになります。
1日数分で終わる分量なので、学習習慣づくりの入口としても機能します。計算に時間がかかる、途中で集中が切れる、という子に向いています。
1年生たしざん(くもんの小学ドリル 算数 計算)
単元を細かく区切ったドリルシリーズです。「たしざん」だけで1冊になっているため、苦手な単元をピンポイントで補強できます。
1ページの分量が少なく、スモールステップで進む構成のため、算数に苦手意識がある子でも取り組みやすい教材です。学年別・単元別に揃っているので、必要な部分だけを選べます。
小学5年生 計算にぐーんと強くなる(くもんの算数集中学習)
その学年で扱う計算を集中的に練習する構成です。学年が上がると計算も複雑になるため、この時期に処理速度を上げておくと後が楽になります。
小4は小数・分数が本格化する学年です。ここでの計算力が、高学年の割合や比の理解を支えます。
【文章題】文章題でつまずいている
計算はできるのに文章題になると解けない。これは非常によくある相談です。原因は算数ではなく、文章から状況を読み取る作業にあります。
1年生文しょうだい(くもんの小学ドリル 算数 文章題)
文章題に特化したドリルです。低学年のうちから、文章を読んで式を立てる作業に慣れておくと、高学年での抵抗感が変わります。
文章題が苦手な高学年の子が、学年をさかのぼって使うのも有効です。簡単な文章から始めて、式に変換する感覚を取り戻せます。
Z会グレードアップ問題集 小学2年 算数 文章題
教科書レベルより一段上の問題を扱うシリーズです。単純な計算では解けない、考える必要のある文章題が中心になっています。
学校の問題は簡単すぎる、もう少し歯ごたえがほしい、という子に向いています。中学受験を視野に入れる前の段階としても機能します。
【楽しく続ける】低学年で学習習慣をつけたい
低学年で最も重要なのは、内容の難しさより「毎日机に向かう習慣」です。この時期に習慣ができているかどうかが、高学年での伸びを左右します。
そのため、本人が嫌がらない教材を選ぶことに価値があります。キャラクターものを「遊びだから」と避ける必要はありません。
ポケモンずかんドリル 小学1年生 たしざん・ひきざん
ポケモンの図鑑要素と計算練習を組み合わせたドリルです。問題を解くとポケモンのシールが集まる仕組みで、続ける動機が本の中に用意されています。
算数に苦手意識がある、机に向かうこと自体を嫌がる、という段階の子に有効です。
ちいかわドリル 小学1年生のけいさん
キャラクターを使った計算ドリルです。1ページの分量が控えめで、負担感が少ない構成になっています。
ドリルという言葉に抵抗がある子でも、好きなキャラクターが載っていることで手に取りやすくなります。まず開いてもらうことが目的の段階に向いています。
うんこ夏休みドリル 小学1年生 さんすう こくご
例文に工夫を凝らしたシリーズの夏休み版です。算数と国語が1冊にまとまっているため、長期休みの学習をこれ1冊でカバーできます。
笑いながら進められることで、学習を「やらされるもの」から遠ざける効果があります。勉強への抵抗感が強い時期に向いています。
【長期休み】まとめて復習したい
夏休みなどの長期休みは、それまでの内容を復習できる貴重な期間です。学期中は授業が進み続けるため、まとまった復習の時間が取りにくいためです。
くもんの夏休みドリル 小学1年生
夏休みの期間で終わる分量に設計されたドリルです。1学期までの内容を復習する構成になっています。
日数に合わせてページが割り振られているため、計画を立てる必要がありません。長期休みに何をやらせるか迷ったときの、最初の1冊として使えます。
大盛り!夏休みドリル 小学3年生 三訂版
通常の夏休みドリルより問題量が多いシリーズです。1学期の復習をしっかり行いたい場合や、学習量を確保したい場合に向いています。
小3は、算数の内容が抽象的になり始める学年です。ここでの取りこぼしが小4以降に響くため、夏の復習には価値があります。
【総復習】学年をまたいで穴を埋めたい
どこでつまずいたか分からない、複数の学年にまたがって不安がある。この場合、学年別のドリルでは対応しきれません。全体を見渡せる教材が必要です。
【改訂版】小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本
小学校6年分の算数を1冊にまとめた参考書です。解説が中心で、単元ごとの考え方を確認できます。
特に有効なのが、学年をまたいで復習したいとき、中学進学前に総点検したいとき、そして保護者が子どもに教える際の手引きが欲しいときです。
分数・小数・割合といった、中学数学の土台になる単元をまとめて確認できるのが最大の利点です。
【改訂版】小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる問題集
上記の参考書に対応した問題集です。解説を読んで理解したあと、実際に解いて確認する流れが作れます。
参考書だけでは「読んで分かったつもり」で終わりがちです。問題集とセットで使うことで、解ける状態まで持っていけます。
小学高学年 自由自在 算数
小学算数を網羅した参考書です。辞典のように使えるため、家庭に1冊置いておくと長く使えます。
最初から通しでやる本ではありません。「この単元が分からない」というときに該当ページを引く使い方が向いています。発展的な内容も含まれるため、算数が得意な子の伸ばし用としても機能します。
【受験用】中学受験を目指す
中学受験の算数は、小学校の学習範囲を大きく超えます。特殊算や複雑な図形など、専用の対策が必要です。
中学入試 でる順過去問 計算 合格への920問 四訂版
入試で実際に出題された計算問題を、出題頻度順に並べた問題集です。
中学受験の算数では、計算そのものが複雑になります。ここで時間を取られると、思考が必要な問題に回す時間がなくなります。計算を高速化しておくことは、受験算数の土台です。
頻出順に並んでいるため、限られた時間で効率よく対策できます。
中学受験テキスト 下剋上算数 基礎編
偏差値40から55への到達を目標にした問題集です。1日1回分の分量が決まっており、日々のトレーニングとして進められます。
最難関を目指す教材ではなく、基礎から中堅校レベルまでを固める位置づけです。集団塾のカリキュラムについていけない、まず土台を作りたい、という段階に向いています。
現場で見えた、続く教材の共通点
ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。
小学生の家庭学習を見ていて、続く教材と続かない教材には、内容の質とは別の共通点があります。1回分の分量です。
1日1ページで終わる教材は続きます。逆に、1回分が数ページある教材は、始める前のハードルが上がり、数週間で止まる傾向がありました。内容が良くても、開くのが億劫になる分量だと使われません。
そのため保護者の方には、教材を選ぶとき内容より先に「1日どれくらいで終わるか」を見てくださいと伝えています。少なすぎると感じるくらいで、ちょうどいい場合が多くあります。
もう一つ、時間帯についてです。オンライン自習室の稼働記録を見ると、入室する時間帯が固定されている子ほど学習が続いています。その日の気分で時間がばらつく子は、数週間で入室自体が途切れる傾向がありました。
教材選びと同じくらい、いつやるかを決めることが重要です。「毎日この時間にやる」と固定した方が、意志の力に頼らずに済みます。
そして、レベル設定についてです。指導していて感じるのは、保護者が想像しているより手前でつまずいているケースが多いことです。小5の子が小3の内容で止まっていた、という例は珍しくありません。
ただ、手前から始めた子ほど、その後の伸びは速い傾向があります。土台が固まると理解の速度が変わるためです。実際に、算数の確認テストで点が取れなかった小学5年生が、基礎から積み直して7回連続で100点を取れるようになったケースもあります。
学年にこだわらず、解ける地点から始める。これが教材選びで最も重要な判断です。
よくある質問
Q. 教材は何冊買えばいいですか?
用途ごとに1冊が原則です。計算練習と文章題のように目的が違えば2冊でも構いませんが、同じ用途で複数買うとどれも中途半端になります。
Q. 学年に合っていない教材を使ってもいいですか?
問題ありません。つまずいている地点から始める方が効果的です。土台が固まれば、上の学年の内容を理解する速度が上がります。
Q. キャラクターもののドリルは効果がありますか?
低学年で学習習慣をつける段階では有効です。この時期に最も重要なのは内容の難しさより、毎日机に向かう習慣だからです。
Q. どこでつまずいているか分かりません。
簡単な問題から順に解かせて、解けると解けないの境目を探してください。総復習型の参考書を使うと、単元ごとに確認しやすくなります。
Q. 1日どれくらいやらせればいいですか?
1日1ページで終わる分量から始めてください。少なく感じるくらいがちょうどよく、続けることが最優先です。
Q. 中学受験をしない場合でも受験用の教材を使うべきですか?
必要ありません。学校の内容を確実にすることが優先です。余力がある場合に、思考力を鍛える教材を追加する程度で十分です。
教材選びから相談したい方へ
どこでつまずいているかの特定と、そこに合った教材の選定は、家庭だけで判断するのが難しい部分です。マスネットの小学生コースでは、現在地の診断から教材の使い方まで、一人ひとりに合わせて設計しています。
※本記事で紹介した書籍は、改訂や版の変更がある場合があります。購入前に、対象学年と最新版をご確認ください。