中学理科の勉強法|暗記分野と計算分野を分けることから始める
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
理科の点数が安定しない。単元によって取れたり取れなかったりする。何が原因なのかが分からない。
結論から言うと、理科は1つの教科ではありません。暗記で取れる分野と、演習が必要な分野が混ざっています。この2つを分けて対策しないと、点数は安定しません。
オンライン学習塾マスネットでは、定期テストの点数アップに特化した指導を行っています。この記事では、理科の分野別の対策を書きます。
理科の点数が安定しない理由
単元によって、必要な力がまったく違うからです。
植物のつくりを覚える単元と、オームの法則を使って計算する単元。この2つは、同じ「理科」でも別の教科のようなものです。
暗記が得意な生徒さんは前者で点を取り、後者で落とします。計算が得意な生徒さんはその逆になります。
そして多くの生徒さんが、両方を同じやり方で勉強しています。教科書を読んで、ワークを解く。この一律のやり方では、どちらかで必ず取りこぼします。
まず、今回のテスト範囲がどちらの分野かを確認してください。
理科の4分野と、それぞれの性格
中学理科は、大きく4分野に分かれます。
生物分野(植物、動物、人体、遺伝)
暗記中心の分野です。
用語の数が多く、図と結びつけて覚える必要があります。植物のつくり、消化のしくみ、細胞分裂の順序。
覚えれば確実に点になる分野です。計算はほとんど出ません。
地学分野(地層、天気、天体)
暗記と理解の中間です。
用語の暗記に加えて、仕組みの理解が必要になります。特に天体と天気は、空間的にイメージできるかで差がつきます。
天体の動きは、図を描いて考える練習が必要です。天気は、気圧と前線の関係を理解していないと解けません。
化学分野(物質、化学変化、イオン)
暗記と計算の両方が必要です。
化学式と物質名は暗記です。しかし、化学反応式の計算、質量比、濃度は演習が必要な部分です。
暗記だけで対応しようとすると、計算問題で落とします。
物理分野(光、音、力、電流、運動)
最も計算の比重が高い分野です。
オームの法則、圧力、密度、仕事、速さ。公式を覚えるだけでは解けません。
数学と同じで、問題を解く練習が必要です。そして、この分野が苦手な生徒さんは非常に多くいます。
暗記分野の対策
生物分野と、地学・化学の暗記部分の進め方です。
読むのではなく思い出す
最も重要な原則です。
教科書を読む、ノートを見返す。これらは情報を入れる作業で、思い出す練習になっていません。
やり方はシンプルです。ワークの一問一答を、答えを隠して解く。答えられなかった問題に印をつける。印の問題だけを翌日また解く。
読む時間を減らし、思い出す時間を増やす。これだけで効率が変わります。
図とセットで覚える
理科の暗記は、用語だけでは不十分です。
植物のつくりなら、図のどこが何かを言えるか。人体なら、臓器の位置と働きを結びつけられるか。
テストでは図で問われます。用語だけ覚えていても、図が出た瞬間に答えられません。
教科書やワークの図を、自分で描いてみることも有効です。描けるということは、構造を理解しているということです。
2週間前から始める
暗記は1回では定着しません。同じ範囲に3〜4回触れることで、長期記憶に変わります。
前日の詰め込みでは、テストの時間まで持ちません。2週間前から始めて、回数を確保してください。
計算分野の対策
物理分野と、化学の計算部分の進め方です。
暗記では解けないと知る
ここが最初の関門です。
公式を覚えただけでは解けません。どの場面でどの公式を使うか、単位をどう合わせるか。これは演習でしか身につきません。
「理科は暗記科目」という認識のまま計算分野に入ると、必ず失点します。
数学と同じやり方で進める
ワークの計算問題を、解けるようになるまで繰り返します。
1周目で全問解き、間違えた問題に印をつける。2周目以降は印のついた問題だけを解き直す。解けたら印を消す。
数学のテスト勉強とまったく同じ手順です。
単位を必ず書く
計算分野での失点で多いのが、単位の変換ミスです。
cm と m、g と kg、mL と L。単位を揃えずに計算すると、答えが大きくずれます。
途中式に単位を書く習慣をつけてください。これだけでミスが減ります。
公式の意味を理解する
公式を丸暗記すると、少し形を変えられただけで解けなくなります。
なぜその式になるのかを理解してください。オームの法則なら、電圧と電流と抵抗の関係が何を表しているか。
理解した公式は、忘れても導き直せます。
実験問題への対策
中学理科では、実験の手順と結果を問う問題が必ず出ます。
対策は3つです。
実験の目的を確認する。何を調べるための実験だったか。
手順の理由を理解する。「なぜこの操作をするのか」が問われます。ガスバーナーの火の消し方、水槽から試験管を抜くタイミング。理由を説明できる状態にしてください。
結果と考察を結びつける。どういう結果が出て、そこから何が言えるのか。記述問題はここから出ます。
授業で実験をした単元は、必ずノートを見返してください。先生が説明した内容が、そのまま出題されます。
記述問題への対策
近年の定期テストでは、理由を説明する記述が増えています。
対策は、ワークの記述問題の模範解答を型として覚えることです。
模範解答を読み、入れるべきキーワードを確認します。そのうえで、自分で書けるか試します。
完全な文章の丸暗記ではなく、キーワードを押さえる意識で仕上げると、表現が多少変わっても得点できます。
テスト範囲を見たら最初にやること
範囲が暗記分野か計算分野かを確認してください。
暗記中心の範囲なら、一問一答の反復に時間を寄せます。2週間前から始めれば十分に間に合います。
計算中心の範囲なら、演習に時間を寄せます。こちらは暗記より時間がかかるため、早めの着手が必要です。
両方が混ざっている場合は、計算分野を先に始めてください。暗記は後半でも詰められますが、計算は理解に時間がかかります。
現場で見えたこと
ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。
理科の指導で最も多く見るのが、計算分野を暗記で乗り切ろうとしている状態です。
公式は覚えている。しかし問題を解いた経験が少ないため、どの場面でどう使うかが分かりません。
そして本人は「理科は暗記したのに点が取れない」と感じています。原因は、勉強していないことではなく、やり方が分野に合っていないことです。
計算分野をワークの演習で繰り返す形に変えると、同じ勉強時間でも点数が動きます。
もう一つ、単位のミスについてです。
答案を見ていると、考え方は合っているのに単位の変換で失点しているケースが非常に多くあります。
cm を m に直し忘れる。g を kg に直し忘れる。途中式に単位を書く習慣があるかどうかで、この失点は大きく変わります。
そして、暗記のやり方についてです。
理科が苦手という生徒さんの勉強を見ると、ほぼ全員が教科書を読む形で暗記しています。本人は時間をかけているのに、テストでは答えられません。
一問一答を隠して解く形に変えると、同じ時間でも結果が変わります。しかも、どこが覚えられていないかが自分で分かるようになります。
宿題システムの記録を見ても、理科の課題は主要3教科より締切当日に集中して提出される傾向がありました。優先順位が下がるためです。
しかし理科は、暗記分野なら短期間で点が動く教科です。時間対効果で言えば、数学や英語より高い場面があります。
よくある質問
Q. 理科の点数が単元によって差があります。
暗記分野と計算分野が混ざっているためです。生物は暗記中心、物理は計算中心と性格が違います。分野に合わせてやり方を変えてください。
Q. 公式を覚えているのに解けません。
計算分野は暗記では解けません。どの場面でどの公式を使うか、単位をどう合わせるか。これは演習でしか身につきません。数学と同じ手順で繰り返してください。
Q. 暗記が苦手です。
読むだけの暗記になっていないか確認してください。一問一答を隠して解く形に変えるだけで、定着は大きく変わります。
Q. 実験問題が解けません。
実験の目的、手順の理由、結果と考察のつながりを確認してください。授業でやった実験は、ノートを見返すことが最も有効です。
Q. テスト勉強はいつから始めますか。
2週間前からです。ただし計算分野が中心の範囲なら、それより早く始めてください。理解に時間がかかります。
Q. 単位のミスが減りません。
途中式に単位を書く習慣をつけてください。頭の中で変換しようとすると、必ずどこかで間違えます。
分野に合わせた対策を相談したい方へ
暗記分野と計算分野で、必要なやり方は変わります。そして、どちらでつまずいているかは答案を見れば分かります。
マスネットの中学生コースでは、答案の分析から分野別の対策設計、テスト範囲に合わせた計画づくりまで一緒に進めています。