本文へ移動
オンライン学習塾マスネット

中学生が勉強しないとき親ができること|言っても動かない子への現実的な対処

公開日 執筆:塾長 馬籠先生

「勉強しなさい」と言うたびに空気が悪くなる。言わなければ何もしない。かといって放っておくのも不安で、結局また同じ言葉を口にしてしまう。

結論から言うと、「勉強しなさい」という声かけは効果がないどころか逆効果になります。動かすべきは気持ちではなく、勉強が始まる仕組みの方です。

オンライン学習塾マスネットでは、勉強への意欲が落ちている中学生の指導も多く担当しています。この記事では、家庭で実際にできる対処を、優先順位をつけて書きます。


なぜ「勉強しなさい」が効かないのか

理由は3つあります。

1つ目は、何をすればいいか分からないからです。「勉強」という言葉は抽象的すぎて、行動に変換できません。大人でも「仕事しなさい」と言われて、具体的に何から始めるかは決まりません。

2つ目は、言われた瞬間にやる気が下がるからです。自分で決めたことは続きやすく、他人から命令されたことは反発が生まれます。中学生は自我が育つ時期なので、この反応が特に強く出ます。

3つ目は、すでに本人も気にしているからです。勉強しなければいけないことは本人が一番分かっています。分かっているのにできない状態で追い打ちをかけられると、自己嫌悪が増えるだけで行動は変わりません。

つまり問題は「意識」ではなく、行動が始まらない構造の方にあります。


動かない理由を分けて考える

対処法は原因によって変わります。まず、どのタイプかを見極めてください。

タイプ1:分からなくて手が止まっている
教科書を開いても内容が理解できない状態です。この場合、やる気の問題ではありません。分からないものを前にして座り続けられる人はいません。原因はつまずきにあります。

タイプ2:やり方が分からない
「勉強しよう」とは思っているが、何をどの順番でやればいいか分からない状態です。テスト範囲は配られているのに、そこから計画に落とせない。これは技術の問題で、教えれば解決します。

タイプ3:目的が見えていない
何のために勉強するのかが分からない状態です。行きたい高校もなく、将来もぼんやりしている。この状態では、目の前の楽しいこと(スマホ・ゲーム・友達)に勝てません。

タイプ4:反発している
勉強そのものより、言われることへの反発が行動を止めているケースです。この場合、声かけを増やすほど悪化します。

多くの家庭で起きているのは、タイプ1なのに「やる気がない」と判断されているというすれ違いです。


家庭でできる5つの対処

1. 声かけを「勉強しなさい」から変える

抽象的な命令をやめて、具体的で選択肢のある問いかけに変えます。

「今日は何からやる?」「英語と数学、どっちから?」のように、何をやるかを本人に選ばせる形にすると、反発が生まれにくくなります。決めるのは本人、という構造を作ることが目的です。

2. 開始のハードルを極限まで下げる

「1問だけやってみたら」「5分だけ」から始めます。

やる気は、行動する前ではなく行動した後に出てくることが多いものです。始めさえすれば続くことが多いので、最初の一歩を軽くすることが最も効果的です。

3. 時間と場所を固定する

「毎日この時間、この場所で」と決めると、意志の力に頼らずに始められます。

人間は、決断の回数が多いほど疲れます。「いつやるか」を毎日考えなくて済む状態にすることが、継続の条件です。

4. スマホを物理的に離す

取り上げるのではなく、勉強中だけ別の部屋に置くルールを、本人と話し合って決めます。

手の届く場所にあるだけで集中力は落ちます。ただし力ずくで奪うと反発と隠れ使用を生むため、合意で決めることが前提です。

5. 「できたこと」に反応する

やっていないことを指摘するより、やったことに反応する方が行動は増えます。

「今日もやったね」の一言で十分です。褒めちぎる必要はありません。見ている、という事実が伝わることが重要です。


やらない方がいいこと

他の子と比べる。自信を奪うだけで、行動には結びつきません。

過去を持ち出す。「前も言ったよね」は、話を勉強から人格の話にすり替えてしまいます。

長時間の説教。話が長くなるほど内容は伝わらず、「また始まった」という記憶だけが残ります。

親が教える役を担いすぎる。教える親と教わる子という関係は、親子だと衝突しやすくなります。ここは第三者に任せた方が、家庭の空気が守られます。


現場で見えた「動き出す子」の共通点

ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。

勉強しない状態から動き出した生徒を振り返ると、きっかけは「やる気が出た」ことではありませんでした。多くの場合、最初に変わったのは「やることが具体的になった」ことです。

マスネットでは授業ごとに、次回までの課題をシステム上のTODOとして1つずつ登録しています。「数学のワーク34ページ」「英単語20個」という粒度まで落とし込みます。この形にしてから、それまで家庭学習がほぼゼロだった生徒が動き始めるケースを何度も見ています。

「勉強する」は行動になりませんが、「34ページを解く」は行動になります。この差は、本人のやる気より大きく結果を分けます。

もう一つ、宿題システムの提出履歴から分かったことがあります。動き始めた生徒の多くは、最初は締切当日にまとめて提出しています。それが数ヶ月かけて、少しずつ前倒しになっていきます。つまり、最初から計画的にはなりません。まず出せるようになり、その後で早くなる。この順番です。

保護者の方には、この途中経過を「まだ計画的じゃない」と見ないでほしいと伝えています。出せるようになった時点で、大きく前進しています。

そして、毎日管理コースで21時にLINEでTODOを通知し、翌日正午までに未完了なら再アラートを出す仕組みを使っている生徒は、家庭での「勉強しなさい」の回数が明確に減ったという声をいただきます。声をかける役割を、家庭の外に出す。これが親子関係を守りながら学習量を確保する、最も現実的な方法だと考えています。

なお、私自身も中学時代はクラスで最下位に近い成績でした。動き出したきっかけは、誰かに叱られたことではなく、やることが明確になり、できることが少しずつ増えた実感でした。順番は、やる気が先ではありません。


よくある質問

Q. 「勉強しなさい」と言うのを完全にやめるべきですか?
やめて構いません。効果がないだけでなく、反発を生んで逆効果になることが多い声かけです。代わりに「今日は何からやる?」のように、本人が選べる形の問いかけに変えてください。

Q. 放っておいたら本当にやりますか?
何もしないで待つのとは違います。声かけを減らす代わりに、やることを具体化する・時間を固定する・スマホを離すといった仕組みを整えることが前提です。

Q. 分からなくて止まっているのか、やる気がないのか、どう見分けますか?
直近のテストの答案を見てください。基本問題での失点が多い場合、やる気ではなくつまずきが原因の可能性が高くなります。

Q. 反抗期で何を言っても反発します。
声かけを増やすほど悪化する時期です。家庭では環境を整えることに徹し、勉強の管理は第三者に任せる方が、結果的に学習量は増えます。

Q. 親が勉強を教えるのはダメですか?
教えること自体は問題ありませんが、親子だと感情がぶつかりやすく、勉強が親子関係の火種になりがちです。関係が悪化しているなら、外部に任せることをおすすめします。

Q. 目標がない子にはどうすればいいですか?
将来の夢のような大きな目標でなくて構いません。「次のテストで数学を10点上げる」程度の、手が届く目標の方が行動につながります。


学習の習慣づくりから相談したい方へ

やることを具体化する、時間を固定する、進捗を外から確認する。この仕組みづくりは、家庭だけで完結させるのが難しい部分です。マスネットの中学生コースでは、授業ごとの課題設定と提出管理まで含めて、学習が始まる仕組みを一緒に作っています。

→ 中学生コースの指導内容と料金を見る

この記事に関連するコース・教材

無料教材(PDF)