中学生の家庭学習の時間の作り方|部活があっても続く1日の組み方
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
部活から帰ると疲れていて、宿題だけで終わってしまう。勉強時間を増やしたいが、これ以上どこを削ればいいのか分からない。
結論から言うと、時間を増やすより先に、時間を固定してください。毎日同じ時間に始める形にすると、意志の力に頼らずに机に向かえます。量を増やすのは、続く感覚が戻ってからです。
オンライン学習塾マスネットでは、家庭学習の習慣づくりから指導しています。この記事では、部活がある中でも続く1日の組み方を書きます。
時間が作れない本当の理由
「時間がない」と感じている生徒の1日を書き出してみると、共通する点があります。
空白の時間が意外とあるということです。
帰宅してから夕食までの時間、風呂上がりから寝るまでの時間、朝起きてから登校までの時間。それぞれ20分から40分程度の空白があります。
問題は時間の量ではありません。その時間に何をするかが決まっていないことです。決まっていないため、スマホを見て終わります。
つまり、時間を作る作業は、新しく時間を生み出すことではありません。すでにある空白に、やることを割り当てる作業です。
手順1:1日を書き出す
紙に、平日の1日を時間順に書き出します。
起床、朝食、登校、授業、部活、帰宅、夕食、風呂、就寝。それぞれの時刻を入れます。
書き出すと、空白が見えます。多くの生徒で、帰宅後と風呂上がりに空白があります。
ここで重要なのは、感覚ではなく実際の時刻で書くことです。「なんとなく忙しい」では時間は作れません。
手順2:一番安定している空白を1つ選ぶ
見つけた空白の中から、毎日必ず存在する時間を1つ選びます。
部活の終わる時間は、曜日によって変わることがあります。夕食の時間も家族の予定で動きます。そうした変動する時間は、固定に向きません。
安定しているのは、風呂上がりから寝るまでの時間です。部活が長引いても、この時間はほぼ変わりません。
朝も候補になります。起床時間を15分早めるだけで、確実に存在する時間が作れます。
手順3:その時間を「勉強の時間」に固定する
選んだ空白を、毎日の勉強時間にします。
最初は15分で構いません。目標は進むことではなく、毎日その時間に机に向かうことです。
人間は、決断の回数が多いほど疲れます。「いつやるか」を毎日考えなくて済む状態にすることが、継続の条件です。
時間だけでなく、場所も固定します。「この時間、この場所に座ったら勉強する」という状態を作ると、体が自然に動くようになります。
手順4:やることを前日に決めておく
固定した時間に座っても、「何をやろう」と考える時間があると、そこでスマホに逃げます。
前日の夜に、翌日やることを1つ決めておきます。
「数学のワーク34ページ」「英単語20個」のように、具体的な作業名まで落とします。「数学をやる」では行動になりません。
これだけで、座ってから始めるまでの時間がほぼゼロになります。
手順5:量を増やすのは3週間後
15分が毎日続くようになったら、量を増やします。
目安は3週間です。それまでは増やさないでください。
早く増やそうとすると、続かなくなります。そして一度途切れると、再開のハードルが上がります。
15分が定着したら20分、30分と伸ばします。この順序を守った生徒の方が、3か月後の学習量は多くなります。
部活がある日の組み方
部活で帰宅が遅い日は、量を減らします。ゼロにはしません。
帰宅が遅い日は10分、休みの日は40分。このように曜日ごとに量を変えると、無理なく続きます。
重要なのは、毎日ゼロにしないことです。1日抜けると、翌日のハードルが上がります。2日抜けると、習慣が切れます。
疲れている日でも、単語を10個見るだけでいいので開いてください。開くことに意味があります。
隙間時間の使い方
固定した時間とは別に、隙間時間も使えます。
通学中の電車やバスで単語アプリを開く。休み時間に一問一答を確認する。待ち時間に暗記カードを見る。
隙間時間に向いているのは暗記系です。問題を解くには机が必要ですが、覚える作業は場所を選びません。
ただし、隙間時間だけで勉強を組むのはおすすめしません。机に向かう固定時間があってこそ、隙間時間が補強になります。
現場で見えたこと
ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。
オンライン自習室の稼働記録を見ていて、一貫して出ている傾向があります。入室する時間帯が固定されている生徒ほど、学習が続いています。
逆に、その日の気分で入室時間を決めている生徒は、数週間で入室自体が途切れます。学習時間の長さではなく、時間帯の固定が継続を決めていました。
もう一つ、宿題システムの記録から分かったことがあります。再開直後に量を多く設定した生徒ほど、3週目あたりで提出が途切れます。
1日15分程度から始めた生徒は、2か月後には自然と学習量が増えています。3か月時点で比較すると、後者の方が総学習量で上回っているケースがほとんどでした。
最初の設定を軽くすることが、結果的に総量を増やします。
そして、やることの粒度についてです。マスネットでは授業ごとに、次回までの課題をシステム上のTODOとして1つずつ登録しています。「数学のワーク34ページ」という粒度まで落とし込みます。
この形にしてから、それまで家庭学習がほぼゼロだった生徒が動き始めるケースを何度も見ています。「勉強する」は行動になりませんが、「34ページを解く」は行動になります。
さらに、毎日管理コースでは21時にその日のTODOをLINEで通知し、翌日正午までに未完了なら再アラートを出しています。この仕組みを入れた生徒は、家庭での「勉強したの」という声かけの回数が明確に減ったという声をいただきます。
声をかける役割を家庭の外に出すことが、親子関係を守りながら学習量を確保する現実的な方法だと考えています。
よくある質問
Q. 勉強時間はどれくらい必要ですか。
まず15分から始めてください。時間の長さより、毎日同じ時間に机に向かうことが先です。3週間続いたら量を増やします。
Q. 部活で帰宅が遅く、時間が取れません。
曜日ごとに量を変えてください。遅い日は10分、休みの日は40分という形です。ゼロの日を作らないことが最優先です。
Q. どの時間帯が勉強に向いていますか。
毎日必ず存在する時間です。風呂上がりから寝るまでの時間は、部活が長引いても変わらないため固定に向いています。朝も候補になります。
Q. 座っても集中できません。
やることが決まっていない可能性があります。前日の夜に「数学のワーク34ページ」のように具体的な作業を1つ決めておくと、迷わず始められます。
Q. 隙間時間の活用は効果がありますか。
暗記系には有効です。ただし机に向かう固定時間があってこそ、隙間時間が補強になります。隙間時間だけで組むのはおすすめしません。
Q. 何日か抜けてしまいました。
その日の分から再開してください。遅れた分を取り返そうとすると量が増えて、また止まります。ゼロに戻ることはありません。
学習の仕組みづくりから相談したい方へ
時間を固定し、やることを具体化し、外から進捗を確認する。この仕組みは家庭だけで作るのが難しい部分です。マスネットの中学生コースでは、授業ごとの課題設定と提出管理まで含めて、学習が続く状態を一緒に作っています。