一次関数とは|式・グラフ・変化の割合を基礎から解説【中学2年生】
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
テスト範囲に一次関数が入っている。授業では分かったつもりだったのに、問題を解こうとすると手が止まる。
結論から言うと、一次関数でやることは3つだけです。式の形を覚える、グラフの読み方を覚える、式の求め方を覚える。この3つが押さえられれば、定期テストの大半は取れます。
オンライン学習塾マスネットでは、定期テストの点数アップに特化した指導を行っています。この記事では、一次関数の基本を順番に解説します。
一次関数とは何か
そもそも関数とは
一方の値を決めると、もう一方の値が決まる。この関係を関数といいます。
例えば、y=x+3という式があるとします。
x=2を入れると、y=5に決まります。
x=−2を入れると、y=1に決まります。
xを決めれば、yがただ1つに決まる。このとき「yはxの関数である」と言います。
一次関数の形
一次関数は、次の形で表されます。
y=ax+b
このaとbには、具体的な数字が入ります。
y=2x+3
y=−x+5
y=(1/2)x−1
これらはすべて一次関数です。
「一次」というのは、xの次数が1という意味です。xの右肩に何もついていない状態を指します。
x²が入っていれば二次関数、x³が入っていれば三次関数です。中学2年生では、一次関数だけを扱います。
なお、中学1年生で習った比例(y=ax)は、一次関数の特別な形です。b=0の場合が比例にあたります。
aとbが表すもの
ここが一次関数の中心です。
y=ax+b の a と b には、それぞれ意味があります。
aは「変化の割合」
xが1増えたとき、yがいくつ増えるか。これがaです。
y=2x+3で確認します。
x=0のとき、y=3
x=1のとき、y=5
x=2のとき、y=7
xが1増えるたびに、yは2ずつ増えています。だからa=2です。
この意味を、必ず日本語で理解してください。「変化の割合=yの増加量÷xの増加量」という公式だけを覚えると、文章題で使えません。
bは「y切片」
xが0のとき、yはいくつになるか。これがbです。
y=2x+3にx=0を入れると、y=2×0+3=3になります。
つまり、グラフは点(0, 3)を通ります。
この点はy軸上にあるため、y切片と呼びます。
グラフを描いてみる
一次関数のグラフは、必ず直線になります。
aは「傾き」
変化の割合aは、グラフでは傾きを表します。
a=2なら、右に1進むと、上に2進む。
a=−3なら、右に1進むと、下に3進む。
aがプラスなら右上がり、マイナスなら右下がりの直線になります。
bは「y軸との交点」
bは、グラフがy軸と交わる点のy座標です。
y=2x+3なら、グラフは(0, 3)を通ります。
描き方の手順
手順1:y切片に点を打つ。
y=2x+3なら、(0, 3)に点を打ちます。
手順2:傾きの分だけ動いて、もう1つ点を打つ。
a=2なので、右に1、上に2動いた点(1, 5)に点を打ちます。
手順3:2点を直線で結ぶ。
これだけです。直線は2点が決まれば引けます。
別の描き方
傾きで動くのが分かりにくい場合は、xに数字を入れてyを求める方法もあります。
y=−2x+4で試します。
x=0のとき、y=4 → 点(0, 4)
x=2のとき、y=0 → 点(2, 0)
この2点を結べば、グラフが描けます。
どちらのやり方でも構いません。自分がやりやすい方で進めてください。
式を求める問題
定期テストで最も出るのが、この形です。
与えられた条件から、y=ax+bのaとbを求めます。
手順は共通しています。
手順1:y=ax+bとおく。
手順2:分かっているaまたはbを入れる。
手順3:通る点の座標を代入して、残りを求める。
パターン別に見ていきます。
パターン1:傾きと通る点が分かっている
「傾きが2で、点(3, 8)を通る直線の式を求めなさい」
傾きが2なので、a=2です。
y=2x+b とおけます。
ここに点(3, 8)を代入します。x=3、y=8を入れると、
8=2×3+b
8=6+b
b=2
答え:y=2x+2
パターン2:変化の割合と通る点が分かっている
「変化の割合が−2で、点(−2, 3)を通る」
変化の割合=傾きなので、パターン1と同じです。a=−2です。
y=−2x+b に、x=−2、y=3を代入します。
3=−2×(−2)+b
3=4+b
b=−1
答え:y=−2x−1
マイナスの計算で符号ミスが起きやすい場面です。括弧をつけて丁寧に計算してください。
パターン3:増加量から求める
「xの増加量が2のとき、yの増加量が−6。また、x=3のときy=−2である」
まず、変化の割合を求めます。
変化の割合=yの増加量÷xの増加量
−6÷2=−3なので、a=−3です。
y=−3x+b に、x=3、y=−2を代入します。
−2=−3×3+b
−2=−9+b
b=7
答え:y=−3x+7
パターン4:2点が分かっている
「2点(−1, 4)と(3, −4)を通る直線の式を求めなさい」
解き方は2通りあります。
解き方1:変化の割合を先に求める
xは−1から3へ、4増えています。
yは4から−4へ、8減っています。
変化の割合=−8÷4=−2なので、a=−2です。
y=−2x+b に、点(−1, 4)を代入します。
4=−2×(−1)+b
4=2+b
b=2
答え:y=−2x+2
解き方2:連立方程式で一度に求める
2点を、それぞれy=ax+bに代入します。
点(−1, 4)から:4=−a+b
点(3, −4)から:−4=3a+b
この2式を連立方程式として解きます。
下の式から上の式を引くと、−8=4a となり、a=−2
上の式にa=−2を入れると、4=2+b となり、b=2
答え:y=−2x+2
どちらの解き方でも構いません。慣れている方を使ってください。
つまずきやすいポイント
ポイント1:式とグラフがつながっていない
最も多いつまずきです。
「式が与えられればグラフは描ける」「グラフがあれば式は求められる」。しかし、この2つが同じものだという実感がない。
この状態だと、少し形を変えられただけで手が止まります。
対処は、3つの形を行き来する練習です。式からグラフを描く、グラフから式を作る、表から式を作る。この往復を繰り返してください。
ポイント2:変化の割合の意味
公式は覚えているのに、意味が分かっていない。これも非常に多くあります。
「xが1増えたらyがいくつ増えるか」という意味で理解してください。
文章題では、この意味が使えないと式が立てられません。
ポイント3:符号のミス
マイナスが入る計算で、失点が集中します。
代入するとき、必ず括弧をつけてください。
x=−2を代入するなら、2×(−2) と書く。いきなり 2×−2 と書くと、符号を間違えます。
ポイント4:中学1年生の比例が曖昧
一次関数が分からない原因が、比例にあるケースは多くあります。
y=axのaが何を表しているか。ここが曖昧なまま一次関数に入ると、変化の割合も切片も理解できません。
心当たりがあれば、比例に戻ってください。遠回りではなく最短ルートです。
定期テストで点を取るために
次の順序で進めてください。
1. グラフを描く練習
y切片に点を打つ、傾きの分だけ動く、直線で結ぶ。この手順を、5問程度で体に入れます。
2. 式を求める練習
上の4パターンを、それぞれ複数問解きます。パターンごとに、どの数字をどこに入れるかを確認してください。
3. ワークの問題を3周する
1周目で全問解き、間違えた問題に印をつける。2周目以降は印のついた問題だけを解き直す。印が全部消えれば仕上がりです。
4. 文章題に進む
基本が固まってから、応用に進みます。文章題は、変化の割合と切片を文章の中から見つける作業です。
現場で見えたこと
ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。
一次関数の指導で最も多く見るのが、変化の割合を公式でしか覚えていない状態です。
「変化の割合とは何ですか」と聞くと、「yの増加量÷xの増加量」と答える生徒さんが多くいます。
しかし、「xが1増えたらyがいくつ増えるか」という意味で答えられる生徒さんは少ないのが実情です。
この意味が分かると、文章題で式が立てられるようになります。「毎分3Lずつ水を入れる」という条件が、変化の割合3だと判断できるためです。
もう一つ、グラフを描かないという問題があります。
問題を見て、いきなり計算を始める生徒さんがいます。しかしグラフを描くと、答えの妥当性が確認できます。
明らかにずれた答えが出たとき、グラフを見れば気づけます。描く手間より、間違いに気づけない損失の方が大きくなります。
そして、戻る地点についてです。
一次関数が分からない生徒さんを見ると、中学1年生の比例で止まっているケースが非常に多くあります。
y=axのaが何を表しているか。ここが曖昧なまま一次関数に入ると、傾きも切片も理解できません。
比例に戻ることは、遠回りではなく最短ルートです。土台が固まると、一次関数の理解速度が明確に変わります。
宿題システムの記録を見ても、基礎に戻って埋め直した生徒さんは、その後の伸び方が速い傾向がありました。
よくある質問
Q. 一次関数とは何ですか。
y=ax+bの形で表される関数です。aは変化の割合(グラフの傾き)、bはy切片(グラフがy軸と交わる点のy座標)を表します。
Q. 変化の割合とは何ですか。
xが1増えたとき、yがいくつ増えるかを表します。公式では「yの増加量÷xの増加量」ですが、この意味で理解する方が文章題に対応できます。
Q. グラフの描き方が分かりません。
y切片に点を打ち、傾きの分だけ動いてもう1点を打ち、2点を結びます。分かりにくければ、xに数字を入れてyを求め、2点を結ぶ方法でも構いません。
Q. 式を求める問題が苦手です。
y=ax+bとおき、分かっているaまたはbを入れ、通る点の座標を代入する。この手順は共通です。どの数字をどこに入れるかを丁寧に確認してください。
Q. 符号のミスが減りません。
代入するときに括弧をつけてください。x=−2なら、2×(−2)と書きます。括弧なしで書くと符号を間違えます。
Q. 比例との違いは何ですか。
比例(y=ax)は、一次関数の特別な形です。b=0の場合が比例にあたります。比例のグラフは必ず原点を通りますが、一次関数は通らない場合があります。
練習問題で仕上げたい方へ
一次関数は、手順を覚えて繰り返せば確実に点が取れる単元です。
マスネットでは、無料で使える練習問題を公開しています。学校のワークと並行して、演習量を確保する用途にお使いください。
つまずきの特定から相談したい方へ
どこで止まっているかは、簡単な問題から順に確認すれば分かります。そして、戻るべき地点も特定できます。
マスネットの中学生コースでは、つまずきの診断から、戻る範囲の設定、テスト範囲の仕上げまで一緒に進めています。