方程式の文章題が解けない中学1年生へ|xの決め方と式の立て方を5パターンで解説
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
方程式の計算はできるのに、文章題になると手が止まる。解説を読めば分かるけれど、自分では式を立てられない。
ここで困っている中学1年生は少なくありません。
方程式の文章題で必要なのは、難しいひらめきではありません。「何をxにするか」を決め、同じ数量を2通りの式で表すことです。
たとえば「代金の合計」を、買った個数から表した式と、問題文に書かれた金額で結ぶ。これが方程式になります。
方程式の計算や移項から確認したい場合は、先に次の記事をご覧ください。
→ 方程式の解き方|移項のルールと文章題の立て方【中学1年生】
この記事では、文章題の読み方と式の作り方に絞って解説します。
方程式の文章題で式が立たない理由
文章題で止まる生徒さんに「どこが分からない?」と聞くと、「全部」と返ってくることがあります。
しかし、実際に一緒に確認すると、困っている場所はだいたい次の3つです。
- 何をxにすればよいか決められない
- 文章を式に直せない
- 何と何をイコールで結ぶのか分からない
計算力の問題とは限りません。2x+5=17を解ける生徒さんでも、「ある数の2倍に5を足すと17になる」を式にできないことはあります。
文章題では、計算に入る前の準備が大切です。
立式は4つの手順で進める
方程式の文章題は、毎回同じ順序で解けます。
1.求めるものをxにする
原則は、問題で聞かれているものをxにします。
「ノートを何冊買ったか」と聞かれていれば、ノートの冊数をx冊とします。「家から駅までの距離」を聞かれていれば、その距離をxkmとします。
ここで単位まで書くのが大事です。
悪い例:xとする
良い例:ノートの冊数をx冊とする
単位を書けば、途中でxが何を表していたか分からなくなりません。
2.数字と言葉に印をつける
次に、問題文の数字だけを見るのではなく、数量の関係が分かる言葉にも印をつけます。
「合わせて」「残った」「多い」「足りない」「同じになった」「何年後」「毎分」などです。
文章題で本当に重要なのは、この言葉の方です。
| 問題文の言葉 | 式での扱い |
|---|---|
| 合わせて、合計 | 足し算 |
| 〜より多い | 足し算 |
| 〜より少ない | 引き算 |
| 余った、残った | 全体−使った量 |
| 足りない | 必要な量−ある量 |
| 何倍 | かけ算 |
| 毎分、1個につき | 1あたりの量×個数や時間 |
ただし、言葉だけを機械的に変換するのは危険です。「5個少ない」が、いつも−5になるとは限りません。何と比べて少ないのかまで確認してください。
3.同じ数量を2通りで表す
ここが立式の中心です。
イコールで結べるのは、同じ数量を表している式どうしです。
たとえば、120円のノートをx冊と、80円のペンを2本買い、合計が760円だったとします。
- ノートの代金:120x円
- ペンの代金:80×2円
- 代金の合計:760円
したがって、
120x+160=760
となります。
左辺も右辺も「代金の合計」を表しています。数字が合いそうだから結ぶのではなく、同じ意味だからイコールで結べるのです。
4.解いた後に問題文へ戻す
方程式を解いてx=5になっても、そこで終わりではありません。
- 個数なのに小数や負の数になっていないか
- 単位は合っているか
- 元の条件を満たしているか
を確認します。
文章題では、計算上は合っていても、答えとしておかしい場合があります。最後に問題文へ戻る習慣をつけてください。
パターン1|代金と個数
最初に身につけたいのが、代金の問題です。
例題
1本90円の鉛筆と、1本150円のペンを合わせて10本買ったところ、代金は1,140円でした。鉛筆は何本買いましたか。
xを決める
鉛筆の本数をx本とします。
全部で10本なので、ペンの本数は10−x本です。
同じ数量を探す
代金の合計を2通りで表します。
- 鉛筆の代金:90x円
- ペンの代金:150(10−x)円
- 問題文の合計:1,140円
よって、
90x+150(10−x)=1,140
これを解きます。
90x+1,500−150x=1,140
−60x=−360
x=6
答えは鉛筆6本です。ペンは4本となり、90×6+150×4=1,140で条件にも合います。
つまずきやすい点
ペンの本数を10−xと表せるかが分かれ目です。
2種類の個数を合わせた全体が分かっているとき、一方をxとすれば、もう一方は「全体−x」で表せます。この形はテストによく出ます。
パターン2|過不足
「何個ずつ配ると余る」「何個ずつ配ると足りない」という問題です。
例題
生徒にカードを配ります。1人に4枚ずつ配ると12枚余り、1人に6枚ずつ配ると8枚足りません。生徒は何人いますか。
xを決める
生徒の人数をx人とします。
カードの総数を2通りで表す
4枚ずつ配って12枚余る場合、カードは配った分より12枚多くあります。
カードの総数=4x+12
6枚ずつ配ると8枚足りない場合、実際にあるカードは必要な枚数より8枚少ないので、
カードの総数=6x−8
同じカードの総数を表しているため、
4x+12=6x−8
となります。
12+8=6x−4x
20=2x
x=10
答えは10人です。
「余る」と「足りない」の見分け方
ここは符号ミスが多いところです。
- 余る:配った分+余った分
- 足りない:必要な分−不足分
式を暗記するより、実際のカードが何枚あるかを考えてください。
10人なら、4枚ずつで40枚配り、12枚余るので全体は52枚。6枚ずつなら60枚必要ですが、8枚足りないので、やはり52枚です。
パターン3|速さ・時間・道のり
速さの問題では、まず単位をそろえます。
例題
家から図書館まで、行きは毎分60m、帰りは毎分80mで歩きました。帰りは行きより5分短くなりました。家から図書館までの道のりは何mですか。
xを決める
道のりをxmとします。
時間=道のり÷速さなので、
- 行きの時間:x/60分
- 帰りの時間:x/80分
帰りは行きより5分短いため、
x/60−x/80=5
となります。
両辺に240をかけると、
4x−3x=1,200
x=1,200
答えは1,200mです。
速さの問題で先に確認すること
kmとm、時間と分が混ざっていないかを確認してください。
たとえば時速4kmと20分が同時に出てきたら、4kmを4,000mに直すか、20分を1/3時間に直します。単位が違うまま式を立てると、正しい答えは出ません。
パターン4|年齢
年齢の問題は、全員が同じ年数だけ年を取る点がポイントです。
例題
現在、父は42歳、子どもは12歳です。父の年齢が子どもの年齢の2倍になるのは何年後ですか。
x年後とします。
- 父の年齢:42+x歳
- 子どもの年齢:12+x歳
父が子どもの2倍なので、
42+x=2(12+x)
42+x=24+2x
x=18
答えは18年後です。
よくある間違い
子どもだけにxを足し、父の年齢を42のままにしてしまう間違いがあります。
時間が進めば、登場人物全員の年齢が同じだけ増えます。表にすると見落としにくくなります。
| 現在 | x年後 | |
|---|---|---|
| 父 | 42 | 42+x |
| 子ども | 12 | 12+x |
パターン5|割合・割引
割合の問題では、まず百分率を小数に直します。
例題
ある商品を定価の20%引きで買ったところ、代金は2,400円でした。定価はいくらですか。
定価をx円とします。
20%引きは、定価の80%を支払うという意味です。
0.8x=2,400
x=3,000
答えは3,000円です。
20%引きで0.2xにしない
0.2xは値引きされた金額です。実際に支払う金額は、定価の100%から20%を引いた80%、つまり0.8xです。
「何を求めている式か」を日本語で確認すると、間違いに気づけます。
式を立てる前に表や線分図を書く
文章を読んだ瞬間に式を作ろうとすると、情報を頭の中だけで処理することになります。条件が2つ、3つと増えると混乱します。
そんなときは、表や線分図を書いてください。
代金の問題なら「単価・個数・代金」の表。速さなら「速さ・時間・道のり」の表。年齢なら「現在・x年後」の表です。
きれいに書く必要はありません。自分が数量の関係を見失わないためのメモで十分です。
塾の授業でも、文章題が苦手な生徒さんほど、すぐ計算欄に式を書こうとします。そこで一度止めて表を作ると、本人が「あ、ここが同じになる」と気づくことがあります。
式を教えるより、関係が見える形にする方が先です。
文章題の答えが合わないときの確認順
間違えたとき、最初から全部やり直す必要はありません。次の順番で確認します。
- xが何を表すか、単位まで書いているか
- 全体と一部を取り違えていないか
- イコールの左右は同じ数量か
- 余る・足りないの符号は正しいか
- 単位はそろっているか
- 方程式の計算で符号を間違えていないか
- 出た答えを元の条件に入れると成り立つか
文章題のミスと計算ミスを分けて見ることも大切です。
立てた式が正しく、計算だけを間違えたのなら、文章の読み方をやり直す必要はありません。逆に、計算は合っていても式が違うなら、移項の練習を増やしても改善しません。
3問だけ練習してみよう
問題1
1個120円のりんごと、1個80円のみかんを合わせて12個買い、代金は1,200円でした。りんごは何個買いましたか。
答えと式
りんごをx個とすると、みかんは12−x個です。
120x+80(12−x)=1,200
これを解くとx=6。答えは6個です。
問題2
何人かの生徒に折り紙を配ります。1人に5枚ずつ配ると7枚余り、1人に6枚ずつ配ると4枚足りません。生徒は何人ですか。
答えと式
生徒をx人とします。
5x+7=6x−4
これを解くとx=11。答えは11人です。
問題3
ある数の3倍から7を引くと、その数に15を足した数と等しくなります。ある数を求めなさい。
答えと式
ある数をxとします。
3x−7=x+15
これを解くと2x=22、x=11です。
よくある質問
Q. 何をxにすればよいか分かりません。
まず、問題で聞かれているものをxにしてください。それで式が複雑になる場合は別の数量をxにすることもありますが、中学1年生の基本問題は、求めるものをxにすれば解けるように作られています。
Q. イコールで何と何を結べばよいですか。
同じ数量を表す式どうしです。代金の問題なら代金の合計、速さの問題なら同じ道のり、過不足なら品物の総数を2通りで表します。
Q. 図や表は毎回書くべきですか。
式がすぐ立つ問題なら不要です。ただし、一度でも読み間違えた問題や、数量が3つ以上ある問題では書くことをおすすめします。
Q. 式は立つのに計算で間違えます。
文章題とは別に、移項、括弧、分数・小数の方程式を練習してください。立式と計算を分けて直す方が早く改善します。
Q. テストでは途中式も書いた方がよいですか。
書いてください。何をxにしたか、立てた方程式、計算、答えの単位まで残せば、見直しができます。途中点が設定されている場合にも有利です。
練習問題で仕上げたい方へ
方程式の文章題は、解説を読むだけでは身につきません。
最初は問題を5つのパターンに分け、「何をxにしたか」「何を2通りで表したか」を言葉で説明しながら解いてください。式を立てられるようになってから、時間を測って練習します。
文章題のつまずきを一緒に確認したい方へ
文章題が苦手でも、原因が計算にある生徒さんと、立式にある生徒さんでは、戻る場所が違います。
マスネットの中学生コースでは、完全1対1の授業で、問題文のどこに印をつけたか、なぜその式にしたかまで確認します。答えだけでなく、考え方の途中を見られるのが1対1指導の強みです。
「計算はできるのに文章題だけ取れない」という場合も、まずは現在地の確認からご相談ください。