中学生の英単語の覚え方|何回書いても覚えられない子のやり直し方
公開日 執筆:塾長 馬籠先生
英単語をノートに10回ずつ書いたのに、翌日の小テストでは思い出せない。単語帳を眺めている時間は長いのに、英文になると読めない。こうした悩みは、記憶力より覚える手順に原因があることが少なくありません。
中学生の英単語は、「発音を聞く・意味を確かめる・つづりを見る・何も見ずに思い出す・間隔を空けて再テストする」の順で覚えます。同じ日に20回書くより、翌日、3日後、1週間後に思い出す練習を入れるほうが定着しやすくなります。
この記事では、英単語を何回書いても覚えられない理由、1日10語の具体的な進め方、学年別の対策、保護者様ができる確認方法を解説します。
英単語を覚えられない5つの理由
1.つづりだけを写している
意味や音を考えず、見本を見ながら同じ単語を書くと、手は動いても記憶から取り出す練習になりません。
たとえば beautiful を10回写せても、日本語を見て何も見ずに書けなければ、テストで使える状態とは言えません。
2.発音とつづりが結びついていない
英語は、音と文字の対応に例外もありますが、一定の規則があります。音を知らずにアルファベットの並びだけで覚えると、一文字ずつ暗号のように記憶することになります。
教科書の音声や辞書の音声を聞き、自分でも声に出します。正確な発音に自信がなくても、無音で覚えるより区切りをつかみやすくなります。
3.一度に覚える数が多すぎる
テスト前日に50語、100語を一気に覚えようとすると、似た単語が混ざります。最初は1セット5〜10語に分けます。
10語を完璧にしてから次へ進む必要はありません。7〜8語を思い出せるところまで進め、翌日に間違えた語を残します。
4.「見る時間」が長く「思い出す回数」が少ない
単語帳を読む、マーカーを引く、ノートをきれいに作る。これらは準備にはなりますが、テストでは答えを隠した状態から思い出さなければなりません。
覚える時間の後半は、必ず本を閉じてテストします。
5.復習がその日で終わっている
その場で書けても、数日使わなければ忘れます。忘れる前提で、復習日を決めておくことが必要です。
英単語を覚える5ステップ
ステップ1|音声を聞いて意味を確認する
単語を見ながら音声を聞き、日本語の意味を一つ確認します。最初から辞書のすべての意味を覚えなくて構いません。教科書本文で使われている意味を優先します。
important /重要な/カタカナだけに頼らず、教科書付属音声や音声対応の辞書を使います。
ステップ2|音の区切りを意識して読む
声に出しながら、つづりを見ます。
im - por - tant必ずこの区切りで書くという意味ではありません。長い文字列を小さなまとまりとして見るためです。
ステップ3|見ながら1〜3回書く
最初から10回、20回と書く必要はありません。音を言いながら、丁寧に1〜3回書きます。この段階は形を確認する時間です。
ステップ4|隠して思い出す
英語を隠し、日本語だけを見て書きます。書けなければ答えを見て、もう一度隠します。
次に、日本語を隠し、英語を見て意味を答えます。
- 日本語 → 英語:つづりを取り出す練習
- 英語 → 日本語:読むための練習
学校の小テスト形式に合わせつつ、両方向を行うと英文でも使いやすくなります。
ステップ5|時間を空けて再テストする
おすすめの間隔は次の通りです。
| 復習の時期 | 内容 |
|---|---|
| 10分後 | 間違えた語だけ再テスト |
| 翌日 | 10語すべてをテスト |
| 3日後 | 間違えた語と新しい語を混ぜる |
| 1週間後 | 順番を変えてテスト |
| テスト前 | 苦手語だけを総点検 |
一回の勉強時間を伸ばすより、短い再テストを分散させます。
1日10語を覚える具体例
1日目・約15分
- 10語の音声を聞く
- 意味を確認して声に出す
- 見ながら1〜3回書く
- 日本語を見て英語を書く
- 間違えた語へ印をつける
2日目・約10分
- 前日の10語をテストする
- 間違えた語だけ練習する
- 新しい10語へ進む
3日目以降
前日の10語、3日前に間違えた語、新しい10語を組み合わせます。毎日すべてをやり直すのではなく、間違えた単語が多く登場する仕組みにします。
単語カードとノートはどう使い分ける?
単語カード
短時間で何度もテストしやすく、覚えた語と苦手語を分けられます。表に日本語、裏に英語だけでなく、教科書の短い例文を添えてもよいでしょう。
ただし、カード作りに時間をかけすぎないようにします。市販アプリや教科書対応教材で同じことができるなら、そちらを使って構いません。
単語ノート
つづりを確認し、間違い方を残すのに向いています。
おすすめは、1ページを次のように使う方法です。
| 左側 | 右側 |
|---|---|
| 日本語・例文 | 英単語・間違えた箇所 |
ページを埋めることを目標にせず、答えを隠して再テストできる形にします。
似た単語が混ざるときの覚え方
right と light、quiet と quite のように、似た単語は混ざりやすくなります。
一つずつ別の日に覚えるより、並べて違いを言葉にします。
right:右、正しい
light:光、軽い
quiet:静かな
quite:かなり間違えた文字だけ色を変える方法も使えます。ただし、色を塗って終わらず、最後は色なしで書けるか確かめます。
英単語は例文で覚えたほうがよい?
短い例文は、単語の使い方を覚えるのに役立ちます。
I was busy yesterday.
私は昨日、忙しかった。busy だけでなく、be動詞と一緒に使う形、文中での位置が分かります。
ただし、単語を一つ覚えるたびに長い例文を丸暗記すると負担が増えます。まず意味とつづりを確認し、教科書本文や短い例文で使い方を補う順番で十分です。
学年別に優先したいこと
中1|文字と音を丁寧につなぐ
中1は、曜日、月、数字、教科、身の回りの語など基本語が多い時期です。ローマ字読みだけで覚えず、教科書音声を使います。
be動詞や一般動詞と一緒に短文で読むと、単語と文法を別々にしすぎずに済みます。
中2|過去形・比較級など変化形をセットにする
動詞の過去形、形容詞の比較級・最上級を、元の形と並べます。
study - studied
good - better - best変化形だけを単独で覚えると、元の語と結びつかないことがあります。
中3|入試頻出語と長文で出会った語を回す
教科書単語に加え、模試・過去問で意味が分からなかった語を記録します。すべての未知語を覚えるのではなく、別の長文でも出た語、設問に関わる語を優先します。
定期テスト1週間前の進め方
テスト前日に全部覚えるのではなく、7日前から分けます。
| 日 | 内容 |
|---|---|
| 7〜6日前 | 範囲を10〜20語ずつ確認 |
| 5〜4日前 | 日本語→英語のテスト、苦手語を抽出 |
| 3日前 | 教科書本文・例文の中で確認 |
| 2日前 | 順番を変えて総テスト |
| 前日 | 間違えた語だけ確認し、早めに寝る |
単語だけで終わらず、教科書本文の音読、文法、英作文にも時間を残してください。
覚えたかどうかの判定基準
「昨日10回書いた」ではなく、次の状態を目標にします。
- 英語を見て、2〜3秒で意味が言える
- 日本語を見て、何も見ずにつづりを書ける
- 音声を聞いて、その単語だと分かる
- 短い文の中で意味を取れる
- 数日後にも思い出せる
一度書けただけではなく、時間を空けても取り出せることが定着です。
保護者様が手伝うなら「問題を出す役」に
発音や文法を詳しく教えなくても、単語テストの相手はできます。
5分だけ日本語を読み上げ、英語を書いてもらいます。間違えたときは「何回書いたの?」と責めず、印をつけて翌日もう一度出します。
正解数だけでなく、「昨日間違えた5語のうち4語できた」と変化を伝えると、勉強法へ意識が向きます。
それでも覚えられないときに確認すること
アルファベットの音が曖昧
単語以前に、大文字・小文字、文字の名前、基本的な音が混ざっていることがあります。中学生でも戻って構いません。
日本語の意味が分からない
英単語の訳に出てくる日本語が難しい場合があります。「到着する」「必要とする」などを、本人が使う言葉で説明します。
読み書きそのものに強い困難がある
極端に文字を取り違える、何度練習しても写せない、英語以外でも読み書きに困っている場合は、本人の努力不足と決めつけず、学校へ相談してください。音声教材、文字サイズ、課題量など、学び方を調整できる場合があります。
よくある質問
英単語は何回書けば覚えられますか?
決まった回数はありません。1〜3回形を確認した後、見ずに書くテストをします。書けた語は回数を減らし、間違えた語だけ繰り返すほうが効率的です。
1日に何語覚えればよいですか?
まず5〜10語から始めます。小テスト範囲や習熟度に合わせて増やしますが、翌日に再テストできる量にしてください。
アプリだけでも覚えられますか?
意味と音を覚えるには便利です。ただし、学校のテストでつづりを書くなら、最後は紙や入力欄で英語を思い出す練習が必要です。
発音できなくても、つづりだけ覚えればよいですか?
おすすめしません。発音とつづりを結びつけるほうが覚えやすく、リスニングや音読にもつながります。教科書音声を短時間でも使いましょう。
まとめ|書く回数より、思い出す回数を増やす
英単語を覚える流れは次の通りです。
- 音声を聞き、意味を確認する
- 音の区切りを意識して読む
- 見ながら1〜3回書く
- 隠して、日本語から英語を思い出す
- 翌日、3日後、1週間後に再テストする
ノートを埋めることではなく、答えを隠した状態で思い出せることを目標にしてください。
オンライン学習塾マスネットでは、単語だけを切り離さず、音読、文法、教科書本文と結びつけて学び直します。