中学数学の関数が分からないとき|つまずく場所は決まっています
公開日 更新日 執筆:塾長 馬籠先生
関数になると急に点が取れなくなる。計算はできるのに、グラフや文章題になると手が止まる。
結論から言うと、関数でつまずく場所は決まっています。式とグラフと表が同じものを表していると理解できていないこと。そして、変化の割合の意味が分かっていないこと。この2つがほとんどです。
オンライン学習塾マスネットでは、つまずきの特定から数学を指導しています。この記事では、関数の何が分からないのかを具体的に書きます。
関数は3年間つながっています
まず、全体の構造を確認します。
中1で比例と反比例を学びます。
中2で一次関数を学びます。
中3で二次関数(y=ax²)を学びます。
この3つは、独立した単元ではありません。すべて「2つの数量の関係」を扱っており、考え方は共通しています。
つまり、中2の一次関数が分からない原因は、中1の比例にあることが多くあります。
そして高校では、二次関数、三角関数、指数関数、対数関数と続きます。中学の関数が土台になります。
つまずきの場所1:式とグラフと表がつながっていない
最も多いつまずきです。
関数では、同じ関係を3つの形で表します。
式(y=2x+3)、表(xとyの対応を並べたもの)、グラフ(座標平面上の直線)。
この3つが同じものを表していると理解できていないと、問題が解けません。
確認方法
次の問いに答えられるか試してください。
「y=2x+3のグラフはどんな形か」と聞かれて、傾きが2で切片が3の直線だと答えられるか。
「この表からyをxの式で表しなさい」と言われて、表から式を作れるか。
「このグラフの式を求めなさい」と言われて、グラフから式を作れるか。
どれか1つでも止まるなら、3つのつながりが理解できていません。
対処
3つの形を行き来する練習をしてください。
式を見たらグラフを描く。グラフを見たら式を作る。表を見たら式にする。
この往復を繰り返すと、同じものだという実感が生まれます。
特に効果的なのは、式からグラフを描く練習です。手を動かして描くと、傾きと切片が何を表しているかが体感できます。
つまずきの場所2:変化の割合の意味
一次関数で最も多いつまずきです。
変化の割合という言葉は覚えていても、それが何を表しているかが分からないという生徒さんが多くいます。
変化の割合とは何か
xが1増えたとき、yがいくつ増えるか。これが変化の割合です。
y=2x+3なら、xが1増えるとyは2増えます。だから変化の割合は2です。
そして、これがグラフの傾きと同じものです。
傾き2とは、右に1進むと上に2進むという意味です。式の2と、グラフの傾き2は、同じことを表しています。
なぜ重要か
文章題は、ほぼすべて変化の割合の理解から始まります。
「毎分3Lずつ水を入れる」という条件は、変化の割合が3であることを意味します。「1個150円の商品」なら、変化の割合は150です。
文章の中から変化の割合を見つけられれば、式が立てられます。
対処
具体的な場面で確認してください。
速さの問題なら、1時間で何km進むか。料金の問題なら、1個増えるといくら増えるか。
「1増えたらいくつ増えるか」を、必ず日本語で確認する。この習慣をつけると、文章題で式が立てられるようになります。
つまずきの場所3:座標の読み取り
基本的なことですが、ここで止まる生徒さんもいます。
点の座標を(x, y)の順で読む。グラフ上の点から座標を読み取る。座標から点を打つ。
これが正確にできないと、すべての関数問題で失点します。
特に、負の数が入ると混乱するケースがあります。
確認方法は、グラフ上の点をいくつか指して座標を答えさせることです。ここで迷うなら、基礎から確認が必要です。
つまずきの場所4:グラフの交点
中2の一次関数で、連立方程式とつながる部分です。
2直線の交点の座標を求める問題。これは連立方程式を解くことと同じです。
この対応が分かっていないと、解き方が思い浮かびません。
対処
なぜ連立方程式で求まるのかを理解してください。
交点とは、2つの式の両方を満たす点です。だから、2つの式を連立させて解けば求まります。
この意味が分かると、手順を覚えなくても解けます。
文章題への対処
関数の文章題は、次の手順で進めます。
手順1:何がxで何がyかを決める
ここが最初の関門です。
問題文を読んで、変化する2つの数量を見つけます。そして、どちらをxとするかを決めます。
「時間と距離」「個数と金額」「時間と水の量」。多くの場合、時間や個数がxになります。
手順2:変化の割合を見つける
「1増えたらいくつ増えるか」を、問題文から探します。
「毎分3L」「1個150円」「時速40km」。これらが変化の割合です。
手順3:切片を見つける
xが0のとき、yはいくつか。これが切片です。
「はじめに20L入っていた」「基本料金300円」。これらが切片になります。
手順4:式を立てて答える
変化の割合と切片が分かれば、y=ax+bの形に入れられます。
この4手順で、多くの文章題は式が立てられます。
グラフを描く習慣をつける
関数の問題では、グラフを描くかどうかで正答率が変わります。
文章題でも、図形との融合問題でも、まずグラフを描いてください。
描くことで、次のことが見えます。
どの範囲を聞かれているか。変域の問題では、グラフがあると判断しやすくなります。
交点がどこにあるか。おおよその位置が見えると、計算結果の検算にもなります。
答えが妥当か。明らかにずれた答えが出たとき、グラフを見れば気づけます。
頭の中だけで処理しようとすると、複雑な問題で必ず行き詰まります。
現場で見えたこと
ここからは、マスネットで実際に見えたことを書きます。
関数の指導で最も多く見るのが、式とグラフを別々のものとして覚えている状態です。
「y=2x+3のグラフを描きなさい」は解ける。「このグラフの式を求めなさい」も解ける。しかし、両者が同じものだという実感がありません。
そのため、少し形を変えられただけで手が止まります。
3つの形を行き来する練習を入れると、同じ勉強時間でも理解が変わります。式からグラフ、グラフから式、表から式。この往復です。
もう一つ、変化の割合についてです。
「変化の割合とは何ですか」と聞くと、「yの増加量÷xの増加量」と公式を答える生徒さんが多くいます。
しかし、「xが1増えたらyがいくつ増えるか」という意味で答えられる生徒さんは少ないのが実情です。
公式は覚えているが、意味が分かっていない。この状態では文章題が解けません。
意味で理解すると、文章題で式が立てられるようになります。
そして、戻る地点についてです。
中2の一次関数が分からない生徒さんを見ると、中1の比例で止まっているケースが非常に多くあります。
比例の式 y=ax の a が何を表しているか。ここが曖昧なまま一次関数に入ると、変化の割合も切片も理解できません。
中1に戻ることは、遠回りではなく最短ルートです。土台が固まると、一次関数の理解速度が明確に変わります。
宿題システムの記録を見ても、基礎に戻って埋め直した生徒さんは、その後の伸び方が速い傾向がありました。
よくある質問
Q. 関数だけ点が取れません。
式とグラフと表が同じものを表していると理解できていない可能性があります。3つの形を行き来する練習をしてください。
Q. 変化の割合が分かりません。
「xが1増えたとき、yがいくつ増えるか」という意味です。公式で覚えるのではなく、この意味で理解してください。文章題が解けるようになります。
Q. 文章題で式が立てられません。
何がxで何がyかを決める、変化の割合を見つける、切片を見つける、式にする。この4手順で進めてください。
Q. 一次関数が分からないので、一次関数を繰り返すべきですか。
中1の比例に戻ることをおすすめします。比例の式のaが何を表しているかが曖昧だと、一次関数は理解できません。
Q. グラフは描いた方がいいですか。
描いてください。変域、交点、答えの妥当性。グラフがあると判断できることが多くあります。頭の中だけでは複雑な問題で行き詰まります。
Q. 中3の二次関数も同じように考えられますか。
考え方は共通しています。ただし変化の割合が一定ではない点が異なります。比例と一次関数の理解があれば、進みやすくなります。
つまずきの特定から相談したい方へ
関数のどこで止まっているかは、簡単な問題から順に確認すれば分かります。そして、戻るべき地点も特定できます。
マスネットの中学生コースでは、つまずきの診断から、戻る範囲の設定、3つの形を行き来する練習まで一緒に進めています。